529書き物。行き詰ったトコが、ほら。始まりです。

「クレアごめーん!」
ブルーグレイの髪の少女は親友とそのパートナーと同じ卓に座りながら給仕の少女に。
「何をおっしゃいますやら!」
栗色の髪をなびかせて元気に駆け回る少女。

「で・・・その・・・。」先ほどの元気はどこへ・・
「ああ、マユちゃん?」
「・・・うん・・。」
「まあ、お兄ちゃんの事だから、正直いって心配はしてないよ。殺しても死なない人だし。」真顔で。
「そうなのか・・・。」安堵の溜め息。
「その・・ウルラ君、おっと、君は失礼か。彼はそんなに?」こげ茶色の髪の青年は興味津々。
「ええ!もうっ!」
彼の妻は、言いたいことが山ほどあるようだが。

ぽつぽつ、と出会いの頃から話し始め・・・・
気がつけばノロケ話になっていて、赤面する。

「あはは!おもしろいね!マユちゃん。」
横ではジロっと金髪の少女の視線を感じる。
「や、マリー。ヤキモチする顔もかわいいよ。」
「・・・・・・。」
ぼっ!と。火がつくような勢いで顔が真っ赤になり、ドコを向けばいいのかわからなく。
このまま潮風に吹かれに行きたいが、そうなれば二人きりにさせてしまう。
もちろん、義姉にかぎりそういったコトは無いはずなのだが、なんだか少し悔しいというか。ちゃんとしろ!わたし。

「アクアパッツア、どうだった?」
ふっと。
「ああ、とても美味しかったよ。これって?」青年と同じくなんだろう?と
自慢げに父親自慢の料理を説明しにかかる。
「ふふふ。取れたてのお魚を海水とハーブで煮込んじゃう、超シンプルな料理なのだ!」
「超シンプルだね・・。」「うん、でもおいしい・・。」
「この煮込み加減と、ハーブのチョイスが腕の見せ所なのだよ。あとは香味野菜かしら。
臭みが出ないように下ごしらえもちゃんとしないとね。マリーってば釣りもできるんだし今度試してみない?」
いきなり振られ。
「え?」
うろたえる。
「そうだな。マリー。是非とも振舞ってほしいな。」青年は微笑み
「ええええええええ?????」
無茶な注文?に完全にうろたえ。

「あ、じゃあゴメン、ちょっと片付けに行ってくるね。」と義姉は席を立っていった。

少しぎこちない、というか。
どうしようか?というか。
「あの・・・ファーネ?」
「どうしたんだい?」
「その・・わたしに料理の腕を求めてる?」
おそるおそる・・
「もちろん、とは言いたいけどね。負担をかけたくはないな。なんというか。
ほら、俺ってイイトコのお坊ちゃんだったわけでね。豪勢な料理とか食べ尽くしてるワケなんだ。
でも。ここからが大事なんだ。よく聞いてくれ。「心のこもった料理」ってのは、こんなにも美味しいと。
LS風見鶏に入れてもらって、よくわかったよ。マユちゃんのお父さんはスゴイね。実家の料理人なんか目じゃないよ。」
「うん。すごく美味しかった・・。」



夕暮れも過ぎ。

「あ、マリー。その・・今日の宿なんだけど・・・。」
「え?ああ?え?」
「その、うちの家の部屋割りとしては・・客間が一つだけなのだけど・・その・・一緒でもいい?彼と。」
「はうぇ!」
「え?」
「いやいやいやいやいや!マユちゃん!そう!マユちゃんと一緒の部屋がいい!」
・・・・・いいのかな・・
「マリー?」
「はいい?」
「その・・3人で寝るのは少し無理が・・・。」
「へっ!いや!ちがっ!そうじゃなくって!」
「何やら楽しい会話だな。俺も混ぜてくれ。」
「ダメ!」「やあ、むしろマリーをお任せします。」
「きゃああ!ちょっと!!マユちゃん!何言ってるの!」
「だってパートナーなんでしょ?」
「はう。」
「パートナー失格かあ、仕方ないなあ・・・。」
「!?な、な、なんでそうなるの!」
「まあ、今夜はマリー。あたしと一緒に寝よう。積もる話もあるから。ファーネさん、ごめんなさい、彼女は独占しちゃうわね。」
「いや、かまわないよ。今後の方針も考えておきたかったところなんだ。」
「そう。」





寝室で・・・
「マリー?」
「うん。」
「正直な事聞いていい?」
「うん・・どんな?」
「ウルラ。あの人・・今どうしてるのかな?マリーは聞いてる?」
「全然。お兄ちゃんって、いっつもわたしには秘密で色々してるから。」
「そうなんだ・・。」
「うん・・・わたしが剣術始めた理由もお兄ちゃんが剣術を習い始めた、っていうのを偶然知っちゃったから。
夜中にこっそり出て行って。たまたま目が覚めて、追いかけていったら。近くの魔物相手に剣を振るってた。
ああ、わたしのために黙っていたんだな、ってその時は気がつかずに「わたしにもおしえて!」って無茶を言ったんだよ。」
「そっかあ。」
「ね?マユちゃんはお兄ちゃんの何処に惹かれたの?」
「む、ソコをききますか。」
「わたしもね。そのファーネとの距離感っていうか。本当に好きなのかな?ってなんだか不安もあって。どうなんだろう?」
「マリー。好きって感情はどうしようもなく出てくるものよ。だからその気持ちに素直になればいいと思うわ。後ね。」
「うん。」
「ウルラはねえ、とらえ処が無いの。分かるでしょ?」
「そうよねえ・・。」
「ソコがやられちゃったポイントかしら。一途だし、無茶だし、無軌道だし。」
「あははは!」
「分かりたいのに分からない。そんな一面もあったりするから」
「そうね、そういう意味だと二人とも分らずやよね。」
「言ったなー!」
「無理、無茶、無謀だとマユちゃんの特性じゃ?」うふふ
「否定できない自分がココにいます・・・。」
少女二人のお話はこのまま明け方まで・・・・



「クォ。今、大丈夫かな?」
「ああ。我が盟友。」
「堅苦しいな、もうちょっと前みたいにファンって呼べよ。」
「いや、ファーネ卿。一分当主のほうがいいかな?」
「あいかわらずの皮肉だな、本題に入るが?」
「是非とも。」
「今の戦況は知っていると思うが。魔女が動きだした。」
「らしいね。」
「そして不穏な影も一応始末はついたみたいだが。」
「ああ。」
「帝国のアレ。知ってるか?」
「と言うと?」
「戦術兵器だ。元は騎乗用だったのか知らないが、それに大砲を積んでやがる。
最前線の兵はこの兵器を知らない。なんとかして告知できないか?」
「・・・・なるほど。できるだけの事はしてみよう。」
「よろしく頼むよ。」
「ああ。婚儀の式には是非とも呼んでくれ。」
「なっ!お前!」
「マルグリット嬢だったか。幸せにしろよ?こんなご時勢だからな。」
「言われなくても!って、お前!何処から聞いた!?」
「それこそ君らしくもない。野暮を聞くな。」
「まったく。ロクでもない連れが居たもんだ。」
「お互い様だろ?」
「そうだな。まあよろしく頼むよ。」
「任せておけ。」


----------コメント----------

アクアパッツァいいっすなぁ。
ブラックオリーブ、トマト、フレッシュバジル、
黒胡椒きかせて~。レモン添えて~。白ワイン飲みながら貪り鯛。

む、帝国の・・・戦術兵器?!
一荒れきそうだなw
Fizz Delight (Hyperion) 2013年03月31日 11:46

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>フィズさん、アクアパッツアはナイスですw
お店で味というか、副菜がかわりますよねw
ワインもイタリアの「エスト!エスト!!エスト!!!」がいいと思いますw
リムサがイメージとしてはイタリア(ネーミングなんかも)なので、お父ちゃんはリムサ出身。いい感じになればw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月31日 23:52

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あのオリーブオイルと魚介出汁の効いたスープにつけパンして食いたい。
「チェスト!チェスト!!チェスト!!!」了解。

イタリアいいですなぁ。
知ってるとこで言うとアマルフィとかヴェネツィアあの辺かしら?w
Fizz Delight (Hyperion) 2013年04月01日 10:04

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>フィズさん、「est!est!!est!!!]」は
ナイスだぜ!の三連呼wちぇりお!は掛け声?w
すみません刀語でしたw
ヴェネツィアは行ってみたいなあ・・・・アマルフィは多分無理。あの坂上る途中で絶対心が折れるwカプリ島とかもいいかしら・・。
坂で言えば、神戸元町の異人館とかもかなりヤバかったw
あとは京都の清水寺。あの殺人的な坂よりもアマルフィはエグそうw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年04月01日 12:50

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うお、ちょうどそのネタ日記貼ってきたところにw
とがめちゃんのチェリオは殺人的可愛さ。

うんうん、そんなに急なのかww
すっごいキレイなところなんですけどねぇw
Fizz Delight (Hyperion) 2013年04月01日 13:12

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>フィズさん、とがめいいですよねw
アリプロの「刀と鞘」も素敵ですしw
しかしナイスタイミングだったのねw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年04月01日 14:37

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https://www.youtube.com/watch?feature=fvwp&v=Hd4XAGeuO70&NR=1
これがそのくだりかな?
とがめって作家かなにかなのか?w
個性とは・・・なんぞや・・・w
Fizz Delight (Hyperion) 2013年04月01日 14:43

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>フィズさん、後半でのOPですw
ALIPROJECTは「コードギアス」とか「アナザー」とか「ローゼンメイデン」なんかでも主題歌はってますw
とがめは、いわゆる軍師でしょうね。そして「軍師」なる言葉が出てきたのは三国志で諸葛孔明が「軍師将軍」という役割をもらったトコだったとおもいますw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年04月01日 15:44

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ギアスとローゼンメイデンは知ってるけどあなざー?は知らなんだ。
>とがめ
軍師かぁちょっと常人と違う考え方はしてるよねw
Fizz Delight (Hyperion) 2013年04月01日 16:17

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>フィズさん、アナザー、いいですよw
ネタバレするので内容はおおまかに、ですがw
「この教室には死者がいる・・・。」って感じのミステリ風ですねw
中学3年3組のとある教室に主人公が編入してきたところから始まります。そのOPでアリプロなんですよねーwコレがまた作風に合ってるところがさすがのチョイスですw。
ちなみに原作は綾辻行人、コミカライズもされてて、全4巻、こちらは清原さんが。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年04月01日 16:25

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