373書き物。Love comes quickly(恋はすばやく)

ダメだよ・・。今来たら。

そんな声をかけられたら・・・・。


「大丈夫?」
黒髪の青年に声をかけられて、マトモな返事ができそうにない。


グリダニアのカフェ。カーライン。
冒険者のたまり場であり、常連客には家といってもいいくらいだ。
そして、そのカフェのすぐそばにある、川原沿い。

ふわふわした金髪の少女は、カフェの中で、ぼぅっとしてしまい、風に当たってくると。
そして、ちょこん、と座り、取り留めのない考えをしていたら、このリーダーから声がかかったのだ。

ダメだよ・・今は・・・。

「うん。ちょっと考え事してて、お酒もまわっちゃったかもしれない。」
立ち上がり、振り返るとLsのリーダー。

「ならいいんだけど。悪酔いしたかい?」

そんなコトは無い。のだけど・・。
兄の結婚もあり、少しナーバスというか、気にしすぎなのかもしれない。

「うん、ありがとう。大丈夫。もう戻るわ。」

「そうか、またイジられて川原に逃げ込んだりしてな。」
とからかい、笑う黒髪の青年。

「そ!そんな!」
せっかく赤くなった顔が収まってきたのに、また真っ赤になっていく。

「まあ、戻ろう。みんなが待ってるよ。」
そう言うと、カフェに戻っていく。



うーん・・・・・・。
ヤバイ。
本当に気になっちゃってきたよ・・・・・。


「はい。」

とぼとぼ歩きながら、青年の背中を見る。もうカフェは目の前だ。

お兄ちゃんみたいだな・・。

顔が火照っているのがバレなければいいな・・。

カチューシャに触れる。

「おまたせ。」青年が皆に告げる。

「おまたせ。ごめんね、気をつかわせちゃって。」
皆に一礼する。

「そんなことないぞう!」
いきなり席を立ち上がって、両手を広げ抱きしめようとするルガディンのグリュック。

「げ。」さすがに焦る。


ぽい。


白魔道士のミコッテ、ルーが足を出して暴走しそうなルガディンをひっくり返らせる。
「ぐあ!」


「あ・・。あの・・・。その?だいじょうぶ?」
ひっくり返ったルガディンに声をかける。

「おう!」元気そうだ。

「グリュックは暴走しすぎなのにゃ。」
ルーはいたって冷静に料理に手をつけている。

「もう、あんまり暴れないでね。」とは、給仕のミコッテ、オーア。

「ああ、悪かった。」と青年が謝る。

「ベルが謝らなくっても・・。」とルー。



少し胸の奥がズキンとした。
この感情は・・。
いやいや、多分疲れているからだ。
とりあえずは、皆と一緒に料理を楽しもう。



そういえば、式とか何時するのかな・・。またパールで聞かなければ。
最近はマユちゃんのパールしかつけてないからなあ・・。
あ、ドレス用意しなくっちゃ・・・。
・・・・。何色が好きなのかな・・・。リーダーの青年を見る。

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