ダメだよ・・。今来たら。
そんな声をかけられたら・・・・。
「大丈夫?」
黒髪の青年に声をかけられて、マトモな返事ができそうにない。
グリダニアのカフェ。カーライン。
冒険者のたまり場であり、常連客には家といってもいいくらいだ。
そして、そのカフェのすぐそばにある、川原沿い。
ふわふわした金髪の少女は、カフェの中で、ぼぅっとしてしまい、風に当たってくると。
そして、ちょこん、と座り、取り留めのない考えをしていたら、このリーダーから声がかかったのだ。
ダメだよ・・今は・・・。
「うん。ちょっと考え事してて、お酒もまわっちゃったかもしれない。」
立ち上がり、振り返るとLsのリーダー。
「ならいいんだけど。悪酔いしたかい?」
そんなコトは無い。のだけど・・。
兄の結婚もあり、少しナーバスというか、気にしすぎなのかもしれない。
「うん、ありがとう。大丈夫。もう戻るわ。」
「そうか、またイジられて川原に逃げ込んだりしてな。」
とからかい、笑う黒髪の青年。
「そ!そんな!」
せっかく赤くなった顔が収まってきたのに、また真っ赤になっていく。
「まあ、戻ろう。みんなが待ってるよ。」
そう言うと、カフェに戻っていく。
うーん・・・・・・。
ヤバイ。
本当に気になっちゃってきたよ・・・・・。
「はい。」
とぼとぼ歩きながら、青年の背中を見る。もうカフェは目の前だ。
お兄ちゃんみたいだな・・。
顔が火照っているのがバレなければいいな・・。
カチューシャに触れる。
「おまたせ。」青年が皆に告げる。
「おまたせ。ごめんね、気をつかわせちゃって。」
皆に一礼する。
「そんなことないぞう!」
いきなり席を立ち上がって、両手を広げ抱きしめようとするルガディンのグリュック。
「げ。」さすがに焦る。
ぽい。
白魔道士のミコッテ、ルーが足を出して暴走しそうなルガディンをひっくり返らせる。
「ぐあ!」
「あ・・。あの・・・。その?だいじょうぶ?」
ひっくり返ったルガディンに声をかける。
「おう!」元気そうだ。
「グリュックは暴走しすぎなのにゃ。」
ルーはいたって冷静に料理に手をつけている。
「もう、あんまり暴れないでね。」とは、給仕のミコッテ、オーア。
「ああ、悪かった。」と青年が謝る。
「ベルが謝らなくっても・・。」とルー。
少し胸の奥がズキンとした。
この感情は・・。
いやいや、多分疲れているからだ。
とりあえずは、皆と一緒に料理を楽しもう。
そういえば、式とか何時するのかな・・。またパールで聞かなければ。
最近はマユちゃんのパールしかつけてないからなあ・・。
あ、ドレス用意しなくっちゃ・・・。
・・・・。何色が好きなのかな・・・。リーダーの青年を見る。