「おい?スゥ?」
リムサ・ロミンサの酒場、「溺れた海豚亭」
カウンターで二人の女性が。
グレイの髪を後ろで束ね、一見少女のような。
かつて「天魔の魔女(ウィッチケイオス)」として恐れられた、ある意味生きた伝説めいた女性。
もう一人。栗色の髪を一部だけくくり、どちらかと言えば丸顔で童顔の女性。
鬼哭隊。グリダニアの誇る防衛隊。その隊長。
それを見守る、カウンターの中のマスター。ヒゲとバンダナがトレードマークだ。
「おい?飲みすぎちまったか?」
「マスター、どうしましょう?」
相方のエレゼンの女性が気遣わしげに。
「んー・・。ほったらかし、てのはないよなあ・・。」とは魔女こと、レティシア。
「そら、そーだなあ・・・。」
困り顔の3人でカウンターで突っ伏した「隊長殿」を見やる。
「あの、マスター。そのわたしの部屋でいいのでは?」
「そっか、そうするか。」
「まあ、よろしくたのむぜ。ウルスリ。」
「魔女サン?」
「何?」
「アンタはどうするんだい?」
「そうね、数日家を空けちゃったからね。帰るとするか。な。」
「ま、それがベストだとおもうね。」
「その前に、最初のラム一杯くれよ。」
「言うと思ったぜ。」
「ふう。」
酒場を出て。
「テレポ。ホライズン。」
チョコボキャリッジあったかなあ・・。
今がどれくらいの時間だか、月を見て推し量る。
明け方も近い、か・・。月は見えない。
でも、今日は・・。スゥのやろう、今度は奢ってもらうからな。
この、境界線と言う名のキャンプから我が家まではそれなりにある。
できれば走りたくはない。
「なあ?」
近くに居るキャンプの隊長に声をかける。
「ちょっと疲れたんだ。休ませてくれ。」
「あ?」
「朝まででいい。」
「お前、そこらで勝手に寝ろよ・・・・?え?」
「それでもいい。」
「ああああ、その・・・。失礼ですが、もしかして、ウィッチケイオス・レティシア様ですか?」
「そんな呼び名、どうでもいい。寝かせてくれ。」
「は、はいい!休憩室をお使いください!」
「ああ、ありがと。」
簡易寝台で横になり・・。
「マユ、どうするんだろうね・・。このまま結婚、か。それもいいかな。」
自分のときも、確かその歳で、いきなり、しちゃった・・から・・・ね・・・
眠りに落ちる。