神勇隊、その任務は森を侵す者に、精霊に成り代わり鉄槌を下すことである。
が。
「あーア・・。」
宿舎の一室で退屈そうな声を出す少女。
「もうちょっとマシな仕事を回してほしいネ。」
長い黒髪はさらさらとして、寝台に零れ落ちる。
部屋着に着替えた少女は、寝台に腰掛け、時に寝転がる。
夕暮れ時。
夕食をどうしようか考えながら。
「このタイミングでまた依頼があったラ、アイツ殺そう。」
物騒な独り言。
マネジメントをする青年、キーファーは、真面目すぎてつまらない。
とはいえ、愛する人も真面目なのだが。
「んー。」
寝台に寝転がり、枕に顔を埋める。
「僕も真面目、かナ?」
彼女を知る幾人かは、その破天荒ぶりに慣れてきた、というか。
パールで連絡をしてみる。
二人で繋がった伝心。
「すまない!今、ちょっとヤバそうなんだ。終わればまた連絡する。」
え?
ちょっと!
パールからの返信は無い。
「もう!やっぱり僕も行けば・・・。」
とはいえ、船長命令で乗船許可はでない。
でも、出航って明日だったような?
急な予定?
入港中なら・・・。逢えるのに。
今度密航してみるか・・・。
複雑な感情で、枕にしがみつく。
「はぁ・・。後何ヶ月かナ?」
月読み表に目を向ける。
「今日が・・・。」
暗澹とする感情をよそに。
ドアがノックされる。
「来やがったか。」
「すみません!」青年の声が。
「なンだよ!」
「その・・。差し入れ、といいますか・・。」
「はァ?」
「今日はお疲れ様でした!」
声が遠ざかる。
ドアを開ける。
床に小さな箱。
「ふン。」
開けると、クッキーが入っている。
「気が利くじゃねェか。」
と。
「あ。そうだ。メシ食わないとなァ。」
のろのろといつものチュニックを取り出すと、袖を通す。
カフェ、か。
「まァいいカ。」
そして。
カフェの前でひっくり返るルガディンと、見覚えのある金髪の少女。呆然としてるミコッテ。
「なんダ?こりゃ?」
爆音の後、とっさに弓を構えたが。
「ちょっとすまんのじゃよ~。」と銀髪のララフェルが横を駆け抜けていく。
普段、目立たないように気配を殺して街中を歩いていたのだが。
今のララフェルは意に介せず、自分を意識していた。
「なに?」
もう少し様子を見てからカフェに入ろう。
その間、パールをにらみ続ける。
「カルヴァラン・・・。」
愛しい人の無事を祈る。
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(自分の中の)糸が繋がって来たああ。
Sanshi Katsula (Hyperion) 2012年09月30日 17:08
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>三枝師匠、いらっしゃいw
はいな、あっちこっちに伏線も張り巡らしてるので、出来るだけつなげていきますw
そういえば、最近は三人の少女が主役だなあw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月30日 17:35