326書き物。少女の休息の後に。

二人は・・・。

白いドレスに身を包んだ少女は、さらりとした長い黒髪をなびかせながら。
露店に駆け込む。

付き添う背の高いエレゼンの男性は、やれやれとばかりにゆっくりと歩いてついていく。

夕暮れ前のウルダハの大道り。
あちこちに露店や、冒険者達がカーペットを敷いて品物を売り出している。

ねェ、これいくラ?そンなに?んー。いいよ、他当たるから。 まいど。
コッチがいいかナ?うーン。やッぱこっちだネ。あれ?ドコ行ったかナ?
居たいた。早く来いよ、全く。ンー、次はナニを見ようかナ?

夕暮れ前とはいえ、さすが商業都市。人の賑わいと、露店の多さは全く減らない。

「まったく・・・・。どれだけ浮かれてるんだ。」
薄いブラウンのシャツの男性、カルヴァランはパートナーの少女の行動を半ば呆れながら見守っていた。
(どうせ支払いは俺にさせるんだからな・・・。)
とはいえ、仕方がないのかもしれない。
今日いっぱいまでしか時間が無いからだ。明日は船の出航準備のために朝一番で帰らなければならない。
その後の航海がどのくらいかかるのかは分からないが、おそらく数ヶ月は逢えないだろう。少女のハシャギ振りにも目を瞑る。

「うーン、カルヴァ・・・カール、僕にアクセサリを買ってくれる気ゼロかヨ。」
さらりとした長い黒髪。首を動かすたびに背中から左右に振られ、少しかがむだけで肩から零れ落ちる。
それに黒い襟とリボンをあしらった白いドレスはとてもよく似合う。
小さめの頭に白い白磁のような肌、整った顔立ち。
通りを歩いていれば男性が少なからず、すれ違うと振り返る。

だが。この少女は「呪眼(オッドアイ)フネラーレ」と呼ばれる、一部では名の知れた弓使いだ。

しかも、恐ろしくクチが悪い。(しかも独特のイントネーション)
見た目とのギャップは、声をかけてきた数人の男が唖然としたほど。
(ねえ、君。一人なの?)(あンだ?僕に用か?)(え?)
(的になりたきャ今すぐ露店の看板にしてやンぜ?)(あ、いいえ、その・・。では・・・。)etc...


「しょうがねェ。隣まで行くか。」後ろを振り返ると、10歩ほど後ろから付いて来ている。
黒髪の少女リッラは、ムスっとしながらそっちに行く。
「カール、僕にプレゼントする気なイだろ?」
「リッラ。どうした?」とぼける。
「無いなラ、別にいいンだぜ。そこら辺のヤツに買ってもらうかラ。」
拗ねた表情で、頭二つ分は上の顔を見上げる。
「さっき、その相手を振り払っただろう。」
「見てやがッたのかヨ。」
「この街は物騒だからな。初めての奴が歩いてるとスリだのケンカだの、いくらでもある。
ましてお前の格好だと人攫いが狙うかもな。」と冷静に(言い訳を)。
「そ・・。そうかナ。」少し照れたような返事で、自身を見下ろして、「どう?」と体を動かす。
「わかったよ。とりあえずいい物はあったのか?」
「うん・・・。」あまり見てくれてない反応に少しふてくされる。
「じゃあ、行こうか。」
「うン!」

結局、赤い宝石をあしらったネックレスに。「ふふー、ありがト!」とご満悦。


その後、酒場でワインで乾杯をして。
夕食を楽しむ。



「あ。」「どうした?リッラ?」「ううン。」「?」
部屋に行くと、先に水浴びしてくると少女は浴場に行き。
その後にカルヴァランが入れ替えで入る。

そして、出てくると。

「じゃーン!」と、昼間に買った下着姿で出迎える少女。
実際に見てみると、かなりきわどい。
「おいおい・・。このタイミングか・・。」
「他にある?」
「わかった。かわいいよ。それに似合ってる。」
赤い下着は最小限とでもいいたげな布だが、白い肌、夜のような黒い髪にとても映えるのを確かに認める。
「本当?」くるっと体を一回転。
「ああ。」と言いながら、少女の体を両手で抱えると・・・。





深夜。(・・・・・。)(・・!)(・・・・・!)
カルヴァランは薄く目を開け、隣の少女を見る。
ぐっすり寝ているかと思いきや、手首についているパールを眺めている。
「どうかしたのか?」声をかける。
「あ。」泣きそうな顔の少女。
「どうした?それは・・グリダニアのパールか?」
「うン・・・。今すぐ帰ッて来い、って・・・・。」
「こんな時間にか?」
「僕の休暇は明後日までだったンだ。それを・・。」涙がこぼれる。
「わかった。行けばいい。」
「そンな!」
「もう少しくらい、時間があるだろう?」
抱き寄せ、唇で黙らせる。

ン・・・。


----------コメント----------

ほら、カルヴァラン、彼女に言ってやるんじゃよ~w
このうかれぽんちめ!ってなw
あ!後の事は当局はいっさい関知しないんじゃよ~w
Syakunage Ise (Hyperion) 2012年09月19日 10:13

----------------------------

>しゃくなげさん、いらっしゃいwwwwww
うかれぽんちwww
や、でも彼女は初めてのウルダハで一日しかない彼とのデートだったので大目に見てあげてw
タレ込みがあったら・・・w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月19日 11:45

----------------------------

┣¨キ(*゚Д゚*)┣¨キ
Kuma Chacha (Hyperion) 2012年09月19日 11:59

----------------------------

>クマさん、いらっしゃい♪
もうドキドキですw
3人娘と違い、この子のお話は少し夜の匂いも・・・(・ω・)
大人の話・・・。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月19日 12:07

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ