317書き物。少女の、自分にとっては。

「んふ。」

「んふふ。」

「うー・・。」




「あーー。うーーー。あうー。」

「はぁ。」


「ねえ、ミューヌさん。アレ、なんですか。」

「え?」
さっきまで全く同じコトをしていた女主人に。


「ね。イーリス。どう思う?」
「そーねー。ウザイっていうの?こういうのって。」


カーラインカフェ。
グリダニアの誇るといってもいい規模のカフェ。
冒険者ギルドや、宿、飛空挺の発着場まである。

そして、カウンターの中では女主人であるところのミューヌが。

少し離れたテーブル(珍しく)では。

二人の女性が、一人でニンマリとしながら、時折笑みをこぼしたり、頬を赤らめていたりする。
「うぜー・・・。」赤毛の給仕の少女は、その職務に反する発言をしたりするが・・。
「そーねー。」それを止める事もないミコッテの給仕の少女。

赤毛のヒューランの少女イーリスと、黒髪のミコッテの少女オーアは夜も更ける中、とりあえずグチというか、単純に悪口を言っている。
主人のミューヌはそのことすらも気に留めないていどに「んふ。」とか言っている。
「だめだね。」「いっそ二人で宿に行けばいいのに。」「言うわねー。経験あるの?」
「ちょ、それは聞いてもいいことからハズれてるにゃ!」




少し離れたところで二人の少女がなにやら話しているが。
あまり、気にもならない。
「ふふー。」
つい、顔がゆるむ。
目の前のシチューも半分を残し、冷めてしまっている。
ブルーグレイの髪の少女、マユは、そんな事より。

抱きしめられ、「とても好きだ。」

と。

そのシーンを思い出すだけでもう、何も要らないといった感じ。


あ、待てよ。とても、というけれど、もうちょっと「上」があったりしないかな?
こう、
「あー。」もっと、その。
その言葉を考え出し、
「うー・・。」
そうね、こう、うーん。「あー・・。」
すごく、か・・。ちょっと足りないかな。
「うー。」



「半端なくウザイ。」と、イーリス。
夜のカフェには、それなりにお客もいるのだが、この二人は浮きまくっているせいで、
他の冒険者達も遠巻きに見ているか、気にしないかのどちらかで。
とりあえず、二人とも帰ってくるなり、この「ウザイ」状態に。
自分も恋多き年頃で、見ているとどうしても・・。
「イーリス、前の彼とはどうなったの?」
「あー、あいつダメ。」
「そうなの?」ミコッテの少女もできれば恋がしたいのだが・・。相方ほど積極的になれない。
「イイとおもったんだけどなー、とりあえず、どこでもキスしようとするの。あんなのダメね。」
「にゃあ・・。キス、したことないにゃ・・。」
二人は二人で、恋話を始める。
「この前、押し倒されたんだって?」
「言うにゃー!」



「次、いつ逢えるのかな・・。」
パールを眺める。
あの後、唇を重ね、パールをもらった。小指にはまるリングにリンクパールがついている。
念じてみると、Lsには二人の名前しか登録されていない。
リングのサイズ、なんでわかったのかな・・・。
「うー・・・。」
パールに念を込めても、出てくれない。
考えがまとまらない。



「やー!マユちゃん!やっぱりいたにゃ!」
「え!?シャンちゃん!久しぶり!」


「いらっしゃいませー。」二人の少女が出迎える。


「特大サンドイッチ!」
「はい、お飲み物は?」
「ワイン。ボトルにゃー。」
「ありがとうございます。オーダーはいりまーす!」

「シャンちゃん?」目の前のミコッテの少女を見る。


----------コメント----------

マユちゃんのうっとおしさイイですw
給仕の二人の嫉妬ぶりはさらにグー(´∀`)b
Jonathan Jones (Masamune) 2012年09月13日 21:57

----------------------------

>ジョジョさん、いらっしゃいw
はい、うっとおしいですw学生の時の記憶をもとにうっとおしさを出してみましたwww
給仕の二人は・・・いわずもがな、ですねw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月14日 05:49

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ