256書き物。とある双子の日記XIII

森林の街、グリダニアにはいろんな施設がある。

例えば鬼哭隊、こちらは槍術のギルドとしても機能している、自警部隊。
そして、双璧を成す、神勇隊。こちらは弓術のギルドにして、主に外敵に当たる。

他にも幻術や、園芸、木工、革細工など、森林の街らしい施設もある。

その中の一つ、カフェ。

ただの「茶飲み場」としてのカフェであるならば、それこそ露店や、個人で商いをする者もいるのだが。
ただ、そういった「場」ではなく、冒険者とよばれる人々が溢れる「場」

カーライン。

このカフェには、そこらのカフェには無いモノがある。

ひとつ。リーブと呼ばれる、冒険者相手に発行される契約書のカードの受け渡しカウンター。

ひとつ。宿「とまり木」住宅街もあるにはあるが、その日暮らし、浮き草と揶揄される冒険者にはありがたいもの。

ひとつ。飛空挺乗り場。3大都市と呼ばれる街を、空路で安全に繋ぐ乗り物の、玄関。

ひとつ。冒険者が集う店ゆえに、トラブルが絶えない。



「もーう・・。なによ・・。」
ふわふわした金髪を赤い、真っ赤なカチューシャで押さえながら。
少女は宿につながる階段の半ばで事の成り行きを見て。

言うコトを聞かない両脚に力を込め、なんとか立ち上がった。

蒼い瞳にはうっすらと涙が浮かぶ。

階下の惨状。

爆炎。そして暴風。立ち上る黒煙を、暴風が薙ぎ払い、カフェはある意味でそのままの形。

その中心であるはずのララフェルはもう居ないが、カウンターの3人の女性達はこの事態でも全く意に介していない。

同じく腰を抜かしている?ミコッテの給仕の少女は、腰をぬかしたままだが・・。

「えらーーーーっち!!!!店内では魔法厳禁なのにゃああ!!!
それとにゃああ!!!マナマナにも、魔法だめーーーーって、いっとくのにゃああああ!!!!」

ミコッテ特有の訛りで叫ぶ少女に、いたく同意しつつ。

「あ、あの。エラルさん・・。本当に、すみません。この子ったら、礼儀を知らないもので。」
エレゼンの少女の給仕がカウンターにいるララフェルに声をかける。
「カーナールー!死ぬかとおもったんだからみゃああああ!!!」さらに反論。

うーん。確かに。

この騒ぎで店に居た客はほぼ全てが居なくなって。
「あれ?」一人だけ、ララフェルの剣士?がいる。(カウンターの客はもちろん居るが。)

とにかく、下に降りて事の顛末と、これからの展望みたいなものを聞かなければ。
もう一度、カチューシャに手を当てる。
「うん。」
(あー。貧乏くじ、なのかなあ?もしかしたら・・。)先ほどの思いも蘇るが・・。



「ミューヌさん、エラルさん、レティシアさん。あの。先ほどは?」
カウンターの3人に声をかける。

「まあ・・。稀によくあるコトだよ・・。」エレゼンの女主人は。

「んー。ぼうはつ。」とララフェルの少女は額にある蒼い宝石の装飾に小さな指をあてがい、目を瞑る。

「あははは!」と笑う、グレイの髪の女性。後ろにまとめた髪が動く様は、本当に笑い転げる寸前に見える。


「あ。。。そう・・、ですか・・・。その・・。」もはや誰に何を聞けばいいのかわからない。
(お兄ちゃんがいれば・・・。いや、そうならないためなんだから。)
ただ、剣を振れば解決できてきた今までを思えば。まだまだ、だ。でも。
目を瞑る。知らず知らず、カチューシャに手が伸びる。


「そうそう。えーっと。まるまる?」
「はい?」
茫然自失から立ち直る。
「そこにさ。へんな剣士がいるでしょー?」
テーブルに指を向ける。

小さな指が金髪のララフェルを指差す。
「ワシなのかな~?」と指をさされる前に、声がかかる前に。

「まるまる、剣士みたいだしー。ちょっとなんかよろしく!」親指を上に上げてサインを送る。
「いいんじゃがの~。ワシ、まだ料理が・・。」


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なんというまるなげっぷりw
Eraru Control (Hyperion) 2012年07月28日 10:19

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>えらっち、やっほいw
投げてるwめっちゃまるなげ(・ω・)b
そのまえの台詞でも「投げてる」んだw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年07月28日 11:28

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まるまるだけにまるなげの無茶ぶりなんじゃよ~w
Syakunage Ise (Hyperion) 2012年07月28日 11:48

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>しゃくなげさん、いらっしゃいw
ごめんなさいね、レスが遅すぎてwww

さて、出番が増えますかな・・?w
エラルちゃんはけっこう無茶振りするタイプだとおもっていますw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年07月29日 11:36

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