122書き物。実は。。

「あー、飽きた。もう超飽きた!」

グリダニア。
精霊の加護のもと、ゆるやかに、しかししっかりと。国家の繁栄が続いていく。
しかし、ガレマール帝国の影も見え隠れして、アラミゴなどはそろそろ陥落するだろう。

そうすれば、難民が各国に来るのでは?とは大人たちの事情であって。

まだ少女にとっては、実感の無い話。

「ねー、レティシア。アラミゴってどんなとこだったの?」栗色の髪を短く刈った活発な少女が。
「んー、なんていうか。退屈な街だったよ。」と答えるのは、グレイのストレートの髪を腰まで伸ばした細身の少女。
「ココよりも?」話にしか聞いたことの無い異国に興味は深々。
「こっちの方が、いろいろおもしろいよ。」そっけない返事を返す細身の少女はつまらなそうだ。
「それよりも、スウェシーナ。今日は鍛錬しないの?」
彼女の両親は、自警団にはいっていて、少女にも入ることを望んでいる。
「うん、おとうさんが今日はレティシアの相手をしてろって。忙しいみたい。」
「ふうん。じゃあ、ちょっと鍛錬ごっこする?」
グレイの髪の少女は、細身ながらケンカだけはやけに強い。
しかも、こっちに来てから精霊の加護の魔術、幻術を習い始めてもうそれなりのウデだという。
「いやだー、レティシア、全然手加減してくれないもん。」
「それなら、ミューヌ誘ってどっかに行こう。」
エレゼンの少女、たまたま知り合ったのだが、仲良くなって。今では2日に一回は遊びに行く。
「キノコ狩りでもいこっか。」「えー。」「わたし、そんなのむり!」






「ん、む。」
目を覚ますと。
「あれ、どこだっけ。」周りを見渡すと、どうやら宿の一室。
実家ではないみたい。
横には旦那が寝ている。「んー。」
包帯まみれの(ケアルだけでは完全に治療できなかった)腕を見ると、少し心が痛む。
「やっぱ、あんたばか。」
「ん?」「いいから寝てろ。」「んん・・。」
「そこがいいんだけど。」
「・・・。」
「あー、懐かしい夢みちゃったなあ・・。寝るか。。。。あんな時もあったなあ。」


「ネルケ。どこか痛いとこある?」鬼哭隊の副隊長は息子に聞くが。
「うん、大丈夫。ほとんどマイスターさんがかばってくれて。」
「なにしにいったんだか、あのバカ親父。」
「マユちゃん、まあまあ。」
「そうだよ、僕はほとんど何もできてなかったけど。」
「むー、あんなとこに・・。」


「ミューヌさん、お二人の食事はお部屋に運びます?」
「んー、いいよ。しばらく寝てそうだし。旦那さんとはこの前ぶりかな。また無茶したんだろうね。」とクスリと笑う。
奥のテーブルに目をむけ。
「スゥさん、お茶のお代わりはいりますか?」
「こっちは平気よ。マユちゃんになにかデザートをあげて。」
「や、そんな。」「まあオゴリだし。」「いただきます。」「マユちゃん、太る・・。」「ネルケ、あなた間違いなくモテない。」


モードゥナから帰ってきて。
ミューヌのカフェでのひと時。

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ