678外伝。姉妹のその後。

ハイランダーの姉妹、ユーニ、ユーリ。
コロセウムでは、エキシビジョン(観覧戦)という、本戦ではない戦いにあたり。
正直、優勝などとかいう事には参加することも叶わず。
しかも、負けてしまった。

「ユーリ。とりあえず、あっちのトリ持ってこいや。」
優雅なドレスを着飾る女性達が多い中、そんな気の利いた物がない少女は、見栄えのよさそうなローブ姿で妹に指示をする。
ハイランダーの家系ではあるが、彼女はかなりの小柄で、ヘタをすれば150センチを少し超えたくらいか。
ミッドランダーの女性でも同じ、いや、それ以上もいるわけで、彼女のコンプレックスではある。
なので。
底の高いブーツを履くのが定番、というか、そういうのしかもっていない。
なので、見た目は小柄で華奢だが、背だけは170センチくらいに見える。もちろん、ブーツを脱げばその限りではないのだが。

だが、妹のユーリはハイランダーらしく、180を超える身長を誇り、さすがの、か。頭二つ分は姉より高いのだが、
装備的に(斧使い)やはりブーツを使うので背がさらに高くなり、200センチ近くなる。
だが、目つきの悪い姉とは違い、たれ眼の彼女はその背丈に反して幼く見え、表情も穏やかだ。
姉のユーニは、目つきが悪いうえに背丈をかさまししている分、年齢以上に損をしている、とおもっているのだが。 

最後の夜会。エキシビジョンで負けてしまった以上、参加するからには賞金を。の夢が潰え、後は食べるしかない。
そんなこんなで食べるほうにヒタ走っているのだ。
が。
姉の指示で鶏肉の丸焼きを一羽まるまる取りにいくわけだが、こんなの食べきれるかいな?など。もちろん、自分なら平気だが。
姉はあの小柄な身体だ。ヤケ食いするなら色々食べればいいのに。などと。と、思っていたら、しっかりサラダだの、魚だの、各種盛りだくさん。
「お姉ちゃん・・・。」
「ん?ユーリ?なんかヘンか?」
「何処にはいんの?それ?」
「いや、普通やろ。」
「この鳥一羽もあるんやで?」
「それはお前、なんとでもなるやろ。」
「無茶苦茶や・・・・。」


結局は鳥の半分以上、というか、ほぼ全部をユーリが。
姉はほぼサラダと、後は魚やなんだかんだ。
まあ、何時もの事ではあるが。
「ユーニ、もう、うちあかん、むり。たべれへん。」
「ユーリ?何言うとん?今からデザートが出るやんか。」
「なんやて!」
「お前なあ、ちゃんとメニュー見とき。」
いや、それ以前の問題やろ?お姉ちゃん。
「それにな、お姉ちゃんを呼び捨てはアカンのちゃうか?」視線の殺気は尋常ではない。
「あ!ごめん、堪忍やで!」姉妹の上下関係は絶対だ。

見た目は、二人揃って「碧眼」綺麗なエメラルドの瞳。
そして、ブロンド(金髪)だが、若干色が違う。妹のユーリの方はブラウンに近い。
顔つきも、細面でヤブ睨みの姉と、少し丸い感じの顔にタレ目の妹。
体つきも、華奢を絵に描いたような姉、健康体そのものな妹。
似ているのは瞳の色だけだが。
ただし、上下関係だけは姉が絶対だ。
一つ違いの姉妹だが、先天的?なのだろうか。
姉には天性があった。
それは。
術式の構成。
妹のユーリも当然の事ながら、回復術式などを構成できるが、できるがゆえに、姉の天賦の才が恐ろしい。
高度な術式であっても、ある程度組める。が。
その時間と、緻密さが圧倒的過ぎる。
しかも。
構成に魔力を注ぐための儀式であるところの「呪文」
これが、極端に短い。
つまりは、一瞬で高度な構成を編みこみ組み込み、一言で魔力を注ぎ込み術式を展開する。
得意なのは「氷」系術式だが、広範囲氷結(ブリザガ)など、振り返った瞬間には今まで見えなかった構成が、それも緻密な。
そして繊細で、広範囲。一瞬で理解できないくらいの規模の術式を一瞬で組み上げて。
さらに、そこに魔力を流し込む「呪」が、たったの一言。大抵の術士は、なにかのキーワードや、呪文めいたもので、魔力を流し込むコントロールにしている。
例えば、ブリザドなら、「凍れるチカラを!」みたいな。
初期の術式ですら、こういう儀式めいた呪文を使って魔力を注ぎ込むのに。
姉ときたら、最高術式ですら、「死ね」で終わる。
それ以外だと、会話の最中の「ユーリ!お前なあ」のこの中の何か例えば「お」で術式が発動している。
その、「お」が出てくる前に構成は一瞬も見えないのだが、「お」の一瞬前に構成が展開され、「お」で発動。
正直、こんな姉とケンカなどすれば、勝てるワケがない。
ゆえに、だ。
しかし、今回負けたのは正直信じられなく。
あの魔女も構成展開や、緻密さでは発火者もそうだが、姉と遜色無く。
世間は広い、とおもいながら・・・・

「おい、ユーリ?人の話し聞いてるか?」と。
「え、あ、ええっと。デザート?」
「さっさとベリー系のもってこいや!あほたれっ!」
最後の「れ」で構成が展開、術式に魔力が注がれ、左足首に氷柱が生える。ブリザド。
ひいいい!
やはり、術式の構成展開、魔力は姉が一番エグイとおもった。


----------コメント----------

678話!!!!!!!!!
リローンチまで@1日

(; ・`д・´)これは時間との戦いだ・・・。
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月26日 08:14

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>マルスCEO,なんとかしますw
あと、新生ロドストなんかログインでけんw
アーリーも。どうしたものやら。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月26日 12:51

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なんとかしちゃうの?! やる気満々ですね!
──瞬時の魔力展開・発動を見切るユーリも、それはそれで才能ありそうですね。
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月26日 13:15

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え?ついにGTX680超えちゃうの?w
Sanshi Katsula (Hyperion) 2013年08月26日 18:11

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>えふぃたん、まあ姉妹ですからねw
姉が術式を使いこなせるようになってから、常に姉妹喧嘩は姉の勝ち、というwそれまでは体格で勝ってたのが、完全逆転wなので、構成の速さは熟知してますw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月27日 00:15

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>サンシ師匠、ダメBOX680でしょうか?w
ギリ、日数またいじゃったなあ。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月27日 00:16

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>マユリさん
発売記念イベント前にUPすればセーフですよ、多分w
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月27日 00:17

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>マルスCEO,なるほどw
ナルさんも新生前に、と思ってたのだけどネタをどうしようかなあ、なんて考えてるうちにまたいでしまったw
とりあえず朝までには2話アップかw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月27日 00:20

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