668外伝。収束。

「セネリオ。」
「はい、社長。」
「その・・・魔女はどうなのか?」
「はい・・・。思わしくないようです。」
「なんとしても死なせるな。」
「はい。手は尽くしています。」
「あんな人材、失ってたまるか。」
「そうですね。」
「後で結果は聞こう。良好、の一言が欲しい。」
「はい。」



「ちょっと!ねえ!なんで母さんに会えないの!」
ブルーグレイの髪の女性は。
「マユ、ちょっと落ち着け。今、会ったとしても義母さんの負担になるだけだ。もう少し落ち着いてからにしよう。」
「ウルラっ!」
「マユ。落ち着け。医師の話しだと銃弾は無事取り出せたそうだ。後は回復を待つだけだ。それも術式を使うから、そう長引かない。
お前が取り乱していたらレティシアさんも落ち着いて回復できないだろう?」
「う・・・。」
「だから、落ち着いてくれ。」頭を抱き寄せる。

かつての戦場での事が思い起こされる。
あの時。

「母さんのバカ・・・・。」
夫の胸にもたれ、涙する。



「しっかし、あの魔女ってばホントヤバイね。」
漆黒の長髪を揺らしながら。
大胆なワンピースのドレス。
オレンジ色のワンピースは、屈めば下着が丸見えになるくらいのミニで。
たまに全裸で使用人扱いの銀髪の青年に丸見えさせているのだが。
逆にこっちは恥ずかしい。
優勝者、しかも最後まで生き残った(死にはしない)プレイヤーとして、アッチコッチから祝杯を受けている。
「よくやったな。」
ドキッとする。
振り向く。
「カ・・カピタン・・・。」
船長フィルフルがショコラを伴って祝杯を。
「な・・ナンで?」
「わっちがお誘いしたんだよ!」
いらんことを!
「ふふ、この娘が面白い見世物があると言うもんでな。楽しませてもらったよ。あの黒猫相手にヘッドショットか。やるじゃないか。俺との戦いもあのくらいは魅せてほしかったな。」
「カピタン・・・」
「まあ、あの戦術はよかったな。もう一度やるか?」
「遠慮いタしまス。」
「カルヴァランが一言、言いそうだしな。」
「なっ!」




「マユちゃん!」鬼哭隊隊長が。
「スウェシーナさん!」
「スゥさん!」
あのね。
術後の経過を。
「レティ、大丈夫だって。」
「ほんと!?」
「嘘つかなくてもいいでしょ。」
「そだね。」
「ただ・・。10日くらいは安静にしないと駄目だって。」
「そう・・・。」
「術式で回復は進んでるから、大丈夫らしいけど。」
「なら、どうして?」
「内臓を引っ掻き回されてる。」
「え?」
「元に戻すのに時間が要るそうよ。」
「そん・・・な・・・。」
「マユ。時間がかかるとしても、命には別状は無い、ってことですよね?スウェシーナさん。」
「みたいね。」
「俺達の魔女を信頼しよう。あの人はちょっとやそっとじゃ逝かないよ。」
「うん・・。」
「ま、殺しても死なないわ。レティは。」にっこり。





数日後。正確には3日後。
後ろ回し蹴りを決めたポーズの女性像がフェリードックの露店に届き、店主を沈黙させる。


----------コメント----------

あ、深紅のチャイナドレスから化粧直しでもう少し大胆なドレスなフネラーレですwショコラの趣味ってw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月18日 07:28

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