613外伝。コロセウム もう一つの場面。

「ねえ。あの。」
グレーの前髪を。
白い髪飾りで押さえた女性。
「なに?エリス。社長の事?」
同じくグレーの髪を一見乱雑に。だが綺麗に整えられ、後ろに流された女性。

ミコッテの双子の姉妹。
「やばそーな・・・予感にゃ・・。」妹の進言。
「む・・。」危機管理はさっぱりだが、危険感知、という点では妹には天性がある。

待合室に社長は居なくて。今後の方針をどうしようか?という話に伺ったのだが。
がぎん!

剣戟の音。

「まさか!」社長の右腕の彼女は走り出す。
腰の鞘の中に収まっているのは、「女王を護る剣」セイブ・ザ・クイーン。
純白の刀身に、鍔には「女王に忠誠を捧げる騎士」の意匠が施されている。
この剣を振るう限り、自分は決して「マルス社長」に傷を負わすことはない。
その秘めたる魔力と自信に裏打ちされている。

「エリス!来いっ!!」
「まかせてっ!」


「あ。」
通りがかろうとしたのを、声をかけようと。
漆黒のエレゼンは、呆然と走りすぎる姉妹をただ見守るしか。
というか。
「なんだ?」
切羽つまった二人をただ見送るだけ。

「師匠?またふられたですかー?てぃんくが癒してあげまーす。」
ララフェルの少女。

「いや、いい。尻尾が無いとダメだ。」
「エフトとかでもいいんですね~!さすが師匠!」
「いや、耳も必須だ。」
「いやあ、師匠って崇高な趣味ですよね~。てぃんく、ちょっとドン引きしましたー。」
「ふ。」
「(でもまあ、その武器とかは魅力的なんですよね~。ふぅ。)」ぼそぼそっと・・溜め息。



くっ!社長!純白の剣を鞘から抜き放ち。
はやまらないでくださいっ!!

相手の剣に楯突く。

社長は、紅蓮の剣を片手に黒い影と相対している。
「エリス!」
「了解にゃっ!」
不意を突かれた社長、マルス・ローウェルが後ろから。引き倒され。

なにやら、悪口雑言で文句を垂れている。
「聞いてられません!」と、口中で。

次いで打ち下ろされる青黒い剣。
捌く純白の剣。


「これなら。」
「フン。」

エリスは上手く社長を退けただろうか?問題はこの後だ。
どういった所業かわからない。
だが、右腕を名乗る女性は、そんな事よりも社長の身を最優先すべき、と判断し。

「言っておくが。」黒猫の冷徹な声。
「先に決闘を申し込んだのはそちらだ。」
ああ、やはり・・・・社長のバカ!私のいう事を何故聞かないっ!

黒猫の声は続く。
「それを、わきまえているか?」金色の瞳は表情を表さない。

「社長の無茶にはいつも辟易しております。」純白の剣を振るい続ける。
「そうか。君が彼女を支える右腕か。セネリオ君。」漆黒のミコッテはここで初めて表情を出す。

笑みを返し。
「覚えがあるようで、恐縮です。黒猫。」しかし、少し苦い。笑みが。
返す声は。
少し明るい、か。
「はは。」笑いを伴い。
「有名だよ。「無名の腕」まさか、ミコッテの女性だったとはね。」鋭い剣撃が迫る。

ギャリンっ!
「性別で左右されるような事が?」受けながら、体勢を整える。このままだと押されきってしまう。そうは言ったが、やはり体格のハンデはいかんともしがたい。
小回りで手数を撃つ、これが女性剣士の鉄則だ。ただ、それはあくまでも攻撃に徹する場合。
今回のように防御に徹する場合はどうやっても、女性にはハンデがある。だが。
それを補うための「女王を護る剣。」とはいえ・・。
「護る女王」が不在では・・。
相手を睨みながら。

そこで。
「いや。俺の船団を焼き払った手腕はさすがと、心底拍手を送りたい。」意外な一言だが。
にやけてやがる。

ここは、言葉でやり取りをするしかない。
体力で言えば、かなりギリギリだ。
突き出され、返しながら。

セネリオは考えを巡らせながら、今「一番、有効な言葉」を、捜しながら。
(エリス!早く来い!このままでは持たないっ!)


そして。

速度を増す魔剣の応酬に、受けきる限度が来たことを悟る。
黒猫の一言。
「あの手腕。ここで潰しておくべきだな。正直こちらとしても困る。」

なんだと、この野郎!
「どうやって?」
が・・。ここまで・・。か。

「こうする。」冷徹な一声と共に青黒い魔剣が差し込まれてくる。

くっ!突き返す純白の剣。しかし、魔力は・・・

「その剣、セイブ・ザ・クイーン。銘の通り、護る者が居なければ、その魔力は効果が無い。愛刀デュランダルでくれば、あながち勝てたかもな。」
無慈悲な声。

剣は剣をすり抜け、女騎士の心臓に。


が。

「エリス惨状、いや、参上!」
彼女のナックルが魔剣を弾く。

「このばか!早く来い!」
妹を泣き笑いしながら怒鳴りつける。
「え・・このタイミング、悪かった?」いつも通りの答えに。
「最高よっ!」
笑う。


「2対1はちょっと難しいな。・・・・」漆黒の男は去っていく。

はぁ・・。
腰を落としてしまった姉をゆする妹。






「なるほど。「無名の腕」か。二人で左右両腕、か。気が利いているな。」
「黒」という名のミコッテの男性は、次を考えながら。
自室へと。


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絵師さんに絵を描いてもらえたので貼り~w(小説関係なくてごめん><)
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/diary/entry?e=474524
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月23日 02:16

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>マルスCEO、まあそういう事もアリかとw

かわいい絵ですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月23日 03:44

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やっほーおひさしぶり覚えてるかな?(´・ω・`)ノ
小説どんどん増えていくね~お元気そうで何より
新生はまた参加するので同じ鯖ならまたよろしくね~^^
Kashimu San (Hyperion) 2013年06月23日 11:42

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>かしむんwもち、覚えてますよw
小説、まぢでw増えたな~wどうぞ読んでねwww

新生は、デュランダルに登録したよ。
まあ、チャット用に他の鯖にもキャラ作る予定はあるからw
夜露死苦!
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月23日 12:22

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密かに 狙ってるのねw
ララっ子は 天使なんだけどなぁ?w(人´ ▽ ` )
てぃんくの本体は イージスに行くコトになりますたヾ(@⌒ー⌒@)ノ
でもデュラ鯖に 遊びに行けるよぉに 影武者 派遣しておきますたぉ?w
β4になったら 遊びに行こっかな♪
Tink Brownie (Excalibur) 2013年07月03日 06:29

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>てぃんくたん、じつは?w
やっぱり、モチベ上げるというかw
あの武器クレよ的w

デュララララ鯖、にてお待ちしておりますw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年07月03日 08:24

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