大きな城壁、と見まごうばかりの「枠」の中。
その「日」は来て。
対戦、という名の「テスト」や、「因縁」を。
試し、ぶつける場ができた。
ただ。趣向として言えば。
当然の事ながら、ただの対戦ではありえない。
V.I.P.として観覧している人達にはオッズが提示され、どの参加者が勝つのか。
その賭けも「娯楽」として。
そして、参加者にも賞金が提示されていて(一般観覧者はほとんどその事を知らないが。)
参加費、という名目だが、優勝すればかなりの額になる、という。
この事を大々的にすべきか、ある程度は・・・いや、参加するなればこそ。
賞金額は、参加者を虜にするだろう。
「果たして。そうかな?」金色の瞳は冷静に。
そして、対戦する順番、及び組み合わせが決まった、とアナウンスがあり。
伝声管を通じて、場内全てにいきわたる。
「まず!記念すべき、最初の組み合わせですぅ!」
観覧席にはどよめきと。
期待と不安。
そして。
熱気を帯びた応援の声。
「あの。これ?」
淡いブラウンの髪のミコッテの女性。
エリスとは親友、といってもいい間柄。
場内を見て・・・・
場内は、大きな石版が多数。
ちょっとした広場だ。一番奥を見れば、少し目を凝らさなければいけない。
それでも、やはり、というか。全体を見渡すには。
石版も、大きさはまちまちで、大きなものになると、それこそちょっとした城壁、というか、砦だ。
実際、崩れた(ように見える)石版は、数階分のフロアすら見える。
「エフィちゃんは・・。」グレイの髪のミコッテが問いかける。いつもとは違い、ドレスのような。
シックな感じの・・・・。でも・・・。
鍛冶を志して、その腕をしっかりと。努力と研鑽を積み重ねた女性は。
隣に座る女性が急所を覆う部分に、間違いなく「鎧」を仕込んでいる。それが解かる。
「こういうのって、馴れてないよね?」とにっこり。
「あ、はい。その。ええと。セネリオさん?」
「ん?」
「どういう意味?ですか・・?」
「別に。」
(あ・・。やっぱり・・。なんかニガテだあ・・。エリスとは全然ちがう・・~)
ふと、気になった。帯刀は許されているが・・・。
いつもの、「デュランダル」ではない。「セイブ・ザ・クイーン(女王の守護者)」
(にゅう・・。なに・・・?)
「それでは~!青組!!」
おお!
ウグイス嬢の声が響く。
「マルス・ローウェル!今回の試合の立て役者にして、暴君と名高い社長!その能力は未知数どころか!ご活躍を!」
白いローブ。そしてその袖は。
赤い染料を。
「白魔道士!」観客がどよめく。
三角に染め上げられた縁取りだが。
その手には。
つるはし。
「アリ?あれ?」
「まなん。たぶんフェイク。」
「どっちが?」
「さあ?」服がフェイクなのか、つるはしがフェイクなのか・・。
「そして!迎え撃つ赤組は、『おうさま』こと、石楠花氏!ララフェルとはいえ、剣術の皆伝者でもあります!」
「ワシも有名になったんじゃよ~。」
名剣をかざす。蒼い刀身。アスカロン。
「赤組なのに・・。」
「続きまして~。青組!エリス・パンテーラ。先の社長の双璧の一人。姉が無類の盾ならば、この方は、縦横無人の矛!」
にゃあ。めっちゃ底上げされてるにゃあ・・。顔だけは凛々しく・・・のつもり。
「そして、対して。槍使いの新星!シャン・ズィッテヒ!元鬼哭隊員、そして双蛇党でも名の知れたミコッテの勇!」
ふう・・義母さんと当たらなかっただけでもいいとするかにゃ・・。
「さらに!」ウグイス嬢の声が高まり。
「青組には、この方が!伝説の傭兵でもある、亡霊!フィズ・ディライト氏!」
おおおっ!
観客はどよめく。
「ししょー!かっこいいですう!!」ピンクのような淡い金髪のララフェルの少女が声援を送る中、ミコッテを探し続ける亡霊。
「次なるは!剣聖!双頭の使い手。ユパ!辺境での噂はこの耳に数多浮かびますっ!その手には!?」
ここにきて、ウグイス嬢はさらに盛り上げを。場内には、やはり初戦の陣容がどうしても気になる。
堂々の。
「青組!トリを飾りますは、漆黒の刃。クォ・シュバルツ!!!その金色の瞳にすでに対戦相手が見えているようですっ!」
「まてこら。おい。クォ?は?ありえない!」黒髪のミコッテの社長は、かなり取り乱したようで、足を散々踏んで抗議したようだが・・。
周りには、頼もしいメンバーの参戦に意気揚々と映ってる様子・・・。
「や。よろしく。」と涼しげな影のようなミコッテは、黒い甲冑に怪しげな表情。
「死ね。」と、ツルハシを見せ付ける、も・・。
「さて。赤組の最後を飾るは、血塗れ騎士、こと!ウルラ・コリーナ!彼も若いながら、数々の逸話を持つ勇者です!期待に応えられるでしょうか!」
(やれやれ、だな。シャンもいるのか・・。そして・・師匠もか・・。これは立ち回るのが大変だ。)青年は、戦術を考える。
ユパ氏はともかく、残る二人は打撃要員だ。対して向うはかなりバランスがいい、と思える。
間違いなく、あの黒い二人は攻撃に特化しているだろう。件の社長はどうだかわからないが、少なくともアーティファクト(戦術的工芸品)の白魔道士の装備だ。
あのツルハシだって、フェイクだろう。そして、ミコッテの格闘士にしても。恐らくは修業僧(モンク)レベルなのは確定。だとすれば。
こっちの打撃ポイントは、俺、師匠、シャン。ユパ氏はおそらく最初はフォローに回る。
なら。
逆で襲うか。
「ユパ氏。」
「どうした?作戦時間にはまだ早いぞ?」
「俺に少し、前半の作戦、いいです?」
「わかった。」
それでは~、各自、持ち場についていただきまして~。
ウグイス嬢の声が響き、会場に。期待と興奮と不安と葛藤が満ちる。
「青年!ウルラと言ったか!どうした!?」
作戦の内容など、確認をしたあと、5つ、数えます!
ウグイス嬢の声が続く。
「ユパ氏!、勝つに越したことはないですが。負けない算段を整えたいのです!」
「わかった。」
2、
1!スタート!
若い女性の声は、普段であれば耳に心地よいのかもしれない。
が。
「シャン!、右に回れ!、師匠!いつもの通り真っ直ぐで!」
青年は指示を出していく。剣ではなく、杖を持ったその手は青く光る魔力を二人に。
「なるほどな。」赤銅の肌のルガディンはにやけながら。
「こういうことだな。」その手には杖が。
双頭。だが、誰も剣とは。
術式を構成しながら、見た目には剣士の二人が先行する二人を追う。
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(セネリオさんってなんかニガテだぁ・・。エリスとは全然ちがう~。エリスってすっごく分っっっかりやすいのに~~)
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年06月07日 21:15
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(>えふぃたん。そだね~w)
ちょっと違う成分がでていますw
このキャラとしてはw
エリスたんが楽しいw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月08日 02:17
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フィズ師匠?♪頑張るデス?o(T ^ T)o
もしも負けちゃったら……てぃんくが仇討ちするのデス( ̄^ ̄)ゞ
え?)www
Tink Brownie (Excalibur) 2013年06月09日 09:54
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>てぃんくたん。師匠はwww
この先の展開をお楽しみに!
たぶん、・・・・
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月10日 09:22