1027トリニティ。 あるいは開幕。の続き。「いろいろ・・・」

まーーー。
アレだ。

「うちらみたいなのは、このヘンあたりでゆっくり狩りするんがええかもな。」

クセのある、長いブロンドの女性・・・厚底のブーツのおかげで、立ってる「時」は、そこそこな長身だが、寝台に身を任せると歳相応、いや、もう少し幼い感じもする。
眼をつむっていれば。
策も練れるだろう。

「おねえちゃーん。」どんよりとした声。

少し間延びして、かつイキナリ寝台に飛び込んだ姉を見て、ふと。
「ヤル気あるの?なんか、心配やわ。」
「なんや、ユーリ。せっかくのオモテナシやで?」
「そらそうかもやけど。・・・」
「けど?」
「あの二人は、貴族サマにお呼び出しやって。」
「ほうか。ほなら、うちらはもっと楽できるやんか?」
「はー・・・。」お姉ちゃん?

「わかっとる。せやさかい、考えとるんや。」
「何を?」
「あいつら、どっちの言うこと聞いた?」
「え? あ・・・ええと?」
「ええかげんにせえや、どアホ。「先」、それも、一番で言えば何がや?」
「え?・・竜?」
「ところがや。」
「?」
「もっと、優先させんとあかんネタがあったらどうやねん?」黒魔道士は、杖に氷を募らせている。
「えー・・・わからへん!」背に負った斧を、かりかり、といじりながら。

「とにかく。あの「お兄ちゃんの方」そっちから進めよか。」

ユーニは妹をなでつけてから、部屋を。




「やれやれ。って、独り言が増えたら、そろそろダメかしらね?」
グレイの髪を後ろにまとめた女性。

目の前には・・・・・

「いろいろと、問題がありすぎます。未だ真相が明らかにないまま、この状況。「暁」や、クリスタル・ブレイブ、さらには・・・。ちゃんと聞いています?」涙目の国家元首。
「カヌ・エ・センナ様。」
「いえ。いいのです。この国、さらには、エオルゼアのために、もう少し、力を貸してはくれないでしょうか?」
「あー。はい。いいんですけど。このくらい、ざっくりした使徒?でもいいの?」
「それが、貴女のいいところなのです。天魔の魔女。」
「そっか。そう言われちゃうとね。張り切るか!てね。」
「頼りにしていますよ。」
「はぁ、こういうのに弱いんだ、あたし。」うつむいてから、顔を上げる。「ヤル気、出るでしょ!」ニヤリと笑みを。
「ご武運を。」
「そんな台詞は向いてない。きゃー!がんばれー!って、煽るのが一番だよ!」
「そうなんですか?・・・きゃー・・・?がんばれー!」両手を振り回す、国家元首。
「ま、いいか。ちょっと行ってくる。まずは、提督によろしく。」

蒼い光に包まれていく魔女。
(気になることも、あるしね・・あ、さっきの、可愛かったなあ・・・)


「本当によろしかったのですか・・?」
赤い給仕服の少女。
「いいよ。クラ。俺の力が要るとか言われると、本気で逃げ出す気になる。」
「そ、そんな・・」
「大丈夫だ。 クラ。俺は死なないし、君も死なせやしない。バカどもの踊る姿だけ、愉しめばいい。」
「それは・・・」
「ああ、言い方が悪かったか。まだこの「星」は、活きるチカラを求め、そして躍動させている。その勢いは止まらない。俺のチカラが、落ちてきていないだけでも、その証明になろう。」
「・・・え?」
「クラリオン。まあ、観ていたまへ。星々のパーティの始まりだろう。そして、俺と君は「特等席」ってやつだ。」
「いいんですか?」
「いいんだ、よ。」

黒衣の男は、帽子を手に。
給仕娘を特等席に。



さてと。
困った事に、「魔女」と連絡不通。
彼女の娘、その婿。 ひいては自分の身内まで。
(なんで、アイツの足跡がつかめない!)

コレには、正直。
シャンですら、返す言葉が「すみませんにゃあ・・」とだけ。

スゥ、こと、スウェシーナは、苦虫を噛み、を噛んで潰す回数を誰かに教えたいと・・・
(過去にチャレンジした御仁がいると知れば、競争はできるだろうけどね。やりだしたら、本気で槍で突きそうでコワイとか・・・ああ!もう!)

兎にも角にも、「大氷壁」と、「教団」の関係、この後始末もまだ済んでいないのに、次は「例の国と、その貴族。さらには、追いかけてくるクリスタルブレイブ共に、冒険者。」

もう、好きにしやがれ!!!!!
なところに。
「よろしく」とだけ。親友から。
あー!もう。なにがナンやらですよ!もう!

鬼哭隊全てを動員して、クルザスの応援、ということにしている。
神勇隊が代わりに「どや?」みたいな顔で偉そうにしているが、気にもしない。

なにせ「黒衣森」そのものが、警備をしてくれると。
親友たる魔女が。
「あいつ、どーなの?」
と、思いながらも・・・
さっすがよね。
こっちは、できることだけをしよう。と、曖昧な答えだけ。
スウェシーナは。
クルザスに派遣した隊が、「ブレイブ」に遅れを取るとは思わないが・・・
内心、心配だらけ。
まったく・・・。


ほう。

銀髪の女提督。

その向かいには。
「いい話が、ある。にゃーん?」
漆黒の青年を抱きかかえ、グレイの髪の魔女。

「面白い組み合わせだ。が、貴殿らに席を用意したのは、そのためではないのだ、が?」
「ナイスタイミング、だよ。提督。」人災は、黒い尻尾を指揮棒代わりに。
「ココ。」もう片方には地図。
ただ、現地人にしかわからないようにもなっていて・・・・
「こういう地図ってさ?「星」の位置で読めるよね?」

・・・・・確かに。
一般の地図は、山脈や、川といった、「地形に根ざした」あるいは、「その地域だけ」なものが多い。
が、天空の星を基準にする、海図から起こした「地図」は、わかりやすい。その半面、現地では使いにくい。
なので、すりあわせて使う・・・のだが・・・「一点狙い」か。

悪くないが・・・

格言として。「悪い話はワインにならない。」
とは、悪い話は寝かせるほどに悪くなっていく、というもの。

「早急に進めるとしよう。」全く、この魔女だか、人災だか。
本当に相手をするのが疲れる。
まったく。疲れる。


「じゃあねー!」 
と、漆黒のミコッテを連れだしていく魔女。

提督はもうなんというか。盟友である、カヌ・エに連絡をするために、パールを。
「こちらはなんとか、かなあ?片付いたぞ?」
(そう。ありがとう。)
「珍客は?」
(こちらも、早々にお帰りしましたわ。)
「厄介事が多すぎるね、全く。」
(ナナモ様の安否が気になります。私は、あの茶会が最期などとは思っておりません。)
「そりゃ、同感だよ・・・しかし、ドコからひっぱりだしたものだかね・・?」
(ブレイブの方々は・・・)
「ああ、ソイツはボツ。まだ、噂レベルだけれど・・「雇い主」が居る。んだそうだ。」
(・・・)
「ソイツは、どうにも今回のパーティの参加者、それも大御所。」
(なんてこと・・・)
「でまあ、コッチで仕入れた話だと、その「大御所」とやらも、「エサ」だとさ。」
(!?そ、そんなこと・・・)
「カヌんとこじゃあ、滅多に無い、どころか、初耳だろう?だけど、コッチじゃよくある話しでね。」
ラムを一口。
メルウィブ提督も、少しは語りたい。そして・・・寝る時間くらいあってもいいだろう。
「少し、横になる。」
(おつかれさま・・・・)優しい親友の声に
「ああ・・(あいつは、寝ないんだろうな・・)」
ソファの肘掛けに足を投げ出し、惰眠を・・・・

貪りたい・・・けども。

「ウルダハは、そんな都市なんだよ。それをあの・・」ち。
いらつく。
「ただ、こっちの手駒も動いてる・・・。そっちもだろ?」
(・・・・・手駒、などとは・・・)
「まあ、いいさ。火種は、今。イシュガルドにある。どうにかして動いてくれれば、コッチも対応できるからな。」
(そうですね。)
「お互い、面倒のないようにしよう。」
(はい。)

本来ならば・・・三人で行われる、三国最高意思決定会議、通称「女子会」は、今回のみ二人だけとなった。




「では。」
やらないといけない、例え。
自分の意思ではなくても。

「なわきゃ、ないわな・・。」
とは、思いながも。
吐息を一つ。

ふっ。

何もつけていない左手に、篭手が装備される。

もう一度。

今度は、右手に。

さらに。

ふ。

吐息と共に、全身が戦装束に・・・・

「そろそろ、出番?かしらね?」

腰には銃。
そして、この「世界」では使えるかわからないカード。

「できるだけ、かなー?」
と、軽いまま・・・

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