900セブンス。一応の大団円。

「ひゃっほー!」「ひいああああぁぁぁぁ!」
ララフェルの男女が宙に身を躍らせる。
続いて「こりゃまた久しぶりに!海賊船から飛び込んだ時以来だわっ!」魔女が。
「きゃああ!」「うお!」「じゃよ~!」「艇、大丈夫ですかー!」「これは、きゃあ!」「ふん。重力を楽しめるいい機会だ。」「・・・・。」

「ようこそ。エンタープライズ号に。」ヒゲの船長の挨拶の後。
「お父さん!」「ミー!」「感動の再会やな。」「ほんまやで。」「せやなあ。」「あなた達まで。」魔女は呆れ顔。
「私達も一役買っているわけだが。」「ですよね!社長!」「あー、お父さんですか。その、よろしくお願いします。」
「ははは!君にお父さんと呼ばれる筋合いは無・・・いてっ!」「お父さん?」「ミー・・」
足を踏んづけている娘は一応軽いとはいえ鎧を着ているわけで・・体重はかなり増加している。
「まあ、いいじゃないか。」軽い口調の船長。「いいことだ。っと!」舵を切る。
船体のすぐ横を砲弾が無数に飛んでいく。
「おー、怖い怖い。」崖上を睨む。「ガイウス!久方振りの挨拶にしちゃあ、ハデじゃないか?」
「シド!貴様、この不義理モノめっ!俺の恩義、お前の父親ですら忘れはしなかったぞ!」
「ああ、オヤジは少しアンタらに毒されすぎたのさ。俺の方はイカれたオヤジについて行けなくなった、そんだけさ。アンタに不義理をした覚えはないね!」
「なら、今すぐその女だけでも置いていけ。そうすれば見逃してやる!」
「レディに対する礼儀なら知ってるぜ!アンタみたいな外道に渡すにゃ、ちと惜しい。おっと。こいつは義理を欠いたかな?」
「抜かせ!小僧がっ!全砲門、開け!あの船を叩き落せ!」

「おー、怖い怖い!ウェッジ!ビッグス!全速力だ。エンタープライズの真価を見せてやれ。」
「ッス!」「はい!」

わあああ!!ガーロンドワークス以外の全員が急加速する船上でひっくり返る。
「いきなりなんつー事すんのよ!」魔女の意見にみなが賛同するが、シドはどこ吹く風で速度を楽しんでいる。後方からは激しい音がするが、風にかき消されていく・・・

「いよっし!ここなら射程外だろ。ゆっくり進むとしよう。正直、船体があの速度のままだと保たないからな。」
全員(ワークスも含め)の顔が真っ青に・・とりあえず、進路はリムサ・ロミンサあたりにするか。コンパスを取り出し方位を確認する。
「無茶ですよね?」「ええ。ほんと。」コーラルとレティ。


「とんだ失態だな?リウィア・サス・ユニウス。」漆黒の将軍。
「も・・申し訳ありません・・」白銀の女性騎士。
「・・・・」無言で殴り倒す。
「・・・・失礼しました!どうか!どうかもう一度!」
「・・・ふん。もう一度あの女、それとシドの首を届けろ。それまでは俺の前に現れるな。」
「はい!必ず!」貧民街でその日暮しだった彼女を見出し、育ててくれた愛しい人の期待に応えるべく、彼女は動き出す。


「よーっし!今日は貸切だ!いいよな?バデロン?」魔女の一声に「はぁ。払うもんさえ払ってくれりゃあな。」「マスター。空気読みましょう?」
「いよーっし!メンツも増えたことだし!飲み直しといこう!いいか!野郎共!ここじゃ、男も女も野郎だ!それが、海賊の流儀ってヤツだ!」
「魔女がよク言う。」「ん?フネラーレ?いつの間に?」「情報に疎イと密偵なンてできナいよ。」「なるほどな。お前も飲めよ。」「あァ。」

「暁の血盟リーダー、ミンフィリアの救出と、残念ながら命を落とした彼らに手向けを。」エレゼンの少年が杯を挙げる。
皆が厳かに。

「おい、お前まだガキだろ?飲んでもいいのか?」「僕のはジュースですよ。」「ワインポート産の、な。」「シド。いらないことを言うんじゃない。」「リトリー!」
「コーラルさん!」「やっとホームグラウンドだな。」「久しぶりですう・・」「ここって二度目やったっけか?」「3度目ちゃうかなあ?」「ミー、大活躍だったな。」
「惚れ直した?」「これ以上惚れる余地なんかないさ。」「・・・バカップルがおるなあ。」「お、俺の・・ミーが・・!」「面白い光景だナ。」「あ、あのタタルさん・・」
「はい?」「お、おれ・・ウェッジっていうッス。」「はあ?」「ウェッジ・・」肩を叩く同僚。「まあ、ノンキでいいね。バデロンさん。」
「シド機工士さんか。有名だぜ?それと、シックスって女がアンタを探してたぜ?」「シックスが?」「ウリエンジェさん・・救世詩盟と連絡は?」
「ああ。それが・・連絡が取れない。一度本国に戻る必要があるかもしれません。」「ふう。イダが居ればもっとハデになるだろうなあ。」「呼んだ?」
「うわ!イダ!」「ヤ・シュトラも来てるよ。」「サンクレッドは?」「さあ?用事があるってさ。」「ふうん・・・」

宴は続く・・・

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