878セブンス。進撃の後日譚の一つ。

「全く。」
「何か問題でも?」
黒髪に近いダークグレー、か。
陽光に晒すと、光の加減でどうしても黒なのか、グレーなのか、曖昧に。
尻尾を揺らしながら二人のミコッテ。
「あの討伐戦、いや、討滅か?この程度の報酬、おかしくないか?ただチチがでかいだけのクセに。あの女。」金髪の女性を・・・
「社長。ソコですか?ご心配なくとも、社長もそれなりにはありますよ?」
筆頭秘書。左腕を先の戦闘で骨折して、今は包帯で吊っている。
「セネリオ。」
「はい。」
「お前。その吊った腕でチチ強調してないか?」
「つまらないご指摘、いかがと思いますが?わたしのサイズにご不満があるならサイズをきっちり測て見ます?が。もし。も。
その場合、当然ですが社長のサイズも明確にしていただかないと。」
「な?」
「当然でしょう。それが公平というべきもの。社会のルールと言い換えてもいいかもしれません。」

「(ヤバ・・せんちゃんキレた・・)・・・ココは、この辺にしておこう。その腕、早く治るといいな。」
「ええ。ローウェル家の「無名の腕(マン・イズ・ノーネーム)」に賭けて、「腕」が使い物にならないなどと。笑い話では済まされません。」
二人で「砂の家」から出て行く。

(ま。うちはひとりでいいやろ)相棒は、恋人にかかりっきりだ。
白魔道士のミコッテの少女リトリーも少し様子を見たようだが・・二人の関係と、
自分ではどうしようもない(詩人の歌ならばあるいは)誘われるがままにウルダハへと移動術式で。

静かに移動術式で跳ぶエレディタ。

「なあ。お姉ちゃん。どこいくねん?」
「うっさいなあ。どーせ報告なんて、誰かしとっやろ。みんなで仲良く報告?ガキかっての。」
「答えになってへん・・・」
「酒場しかあらへんやろ。んで、クイックサンド以外にあるんか?」
「そらそーやわ。しっかしいっつもウッサイ街やなあ。」
「だったら、お前が黙っとけ!」
「お姉ちゃんのが・・」
「ほう?」「いや、ごめんなさい、すみません、その・・」「もう、ええわ。」

「あ!」ミコッテの女性。
「こっちこっち!」二人の女性を。
「なんや?」「え?」
エリス・ローウェルは最近知ってしまった屋台へ。ここのサンドは昼間にあっさりと売り切れる。
だが。
店主の気まぐれで、たまに夜も開けている時があるのだ。場所を変えて。
その事を知っている者はかなり少ない。親友たるエフェメラ、さらにそれを彼女に教えてくれた魔女の後継。
そして、この店は普段サンドに使っている肉を、酒のアテにして銘酒を・・
「社長おっそいなー。」なんて。「先にやっちゃおう、おふたり!あ、エフィも来るって!今パールから!」
「誰の支払いやねん・・」ブロンドの少女が。そこに。「社長やろ。」黒髪の女性。
「相棒はおらんのか?」「いい時間を壊すのは相棒の仕事やないで。」「さよか。」


「ねえ?リガルド?」
両膝をつかって枕に。
「勝ったんだよ?わたし達。」
静かに語りかけるエレゼンの女性。
に。
「そっか・・・」ゆっくり瞼を閉じていく青年。
「ちょ、え?待って?どうして?」
うろたえる剣聖。



がばっ!!!
いきなり起き上がると愛しい女性の唇を奪う。

「よし!俺は生きている!」唇をはなし・・
呆気に取られ、ポカンとするしかないミーラン。

だが。

反対に相手の唇を奪う。

「これで、おあいこ。でしょ?」
にっこり微笑む。「さ。みんなのトコに行こ。」

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