869セブンス。進撃進撃~!

ん・・もう朝か・・・
薄桃色の髪のミコッテの青年、リガルド・レオンハートが起きたのは、リゾートにあるベンチ。
日差しが強いせいか、明け方でも瞼の裏に光が強い。
「・・・あー・・」
昨夜の整理をしてみる。
まずは第一の収穫として、トランキルにいるという亀の卵の入手、そしてワイン。これは課題として明確な方針ができたわけだ。
次いで、恋人の寝相だが・・・全てを受け入れる、と決めた以上はもはや何も言うまい・・・。
荷物は宿に預けてある上に、この情報も伝えなければ。
宿を目指す。

「・・・と、こういうことだ。あの4人もそう遠からず此処に来るはずだ。こっちは最初っから4人いるわけだから、遅れをとるわけにもいかないだろう?」
「昨夜はドコで寝たんです?」白衣の使者たるミコッテの少女。
「せや、音いうたら、いつもどおりのゴツゴツしかあらへんかった。」黒髪の女性も不満げ。
「え?ええ!?な、なにそれ?」と朝焼けに映えるオレンジの髪の女性。
「情報集めに行ってたんだよ。夜中に部屋に戻るのも、起こしちゃ悪いと思ってそのへんで寝ただけだよ。」
(もったいない・・)二人が同じ思いに「もったいないよ!宿代払ってるんだし!」剣聖の発言に(そこ、ポイント違う)な感想を目線で交わし合う二人。
「まあまあ。」その二人の表情も理解しつつ、恋人を抑えて。
「じゃあ、まずは話くらいは聞こう。ランドゥネル、という鬼哭隊の隊員らしい。話のわかる相手であることを願って、かな。」
モーニングティーとフルーツの朝食を終えると、ミコッテの青年が「仕事」の表情に。
残る3人も・・・

移動術式でキャンプ・トランキルまで・・
「あん?僕がランドゥネルですけど・・」赤毛のエレゼンの男性。
「まあ、鬼哭隊として警備はしてますがねェ。その、亀?とやらはどういった用件なんですか?
仕事に支障が出ないようにって条件なら、好きにすればいいんじゃないです?」
そこに剣聖。「ヴェイスゲートさんから聞きました。貴方、元旅団の方、それも五傑のお一人。違いますか?」
「あのさ、お姉ちゃん。僕はしがない雇われの警備隊だよ?」
「ふうん。スウェシーナ隊長とお話しますか?言っときますけど、わたしこれでもあの方と懇意なんですよ?」耳につけていたパールを外すと、差し出して。
「あ。ミーランです。ご無沙汰しています。スゥさん、今お時間いいですか?実は・・」
「ちょっと待てっ!団長や隊長とマジで知り合いかよっ!オレの立場どうして・・いや、ぼくの立ち位置・・・・あー、いいや。
オレとしては、だ。今の立場は鬼哭隊のトランキル詰所の隊長。そこは理解できるな?できることは部下に指示を出すこと。オーライ?」
「はい。」
「で、何が欲しいか、だがな。噂のタイタンか?言ったように手伝いはできんぜ?」
「その点に関しては、わたし達でケリをつけます。ただ、課題というか・・元団長さんの・・」
「ああ。あんたらか。なるほど。パールで話は聞いたぜ、朝っぱらからな。夜勤明けつーのに、あのオッサンときたら。アダマンタスの卵、ね。
ヤツは警備兵の管轄内にたまに巣穴から出てくる。討伐が難しいから、牽制だけで巣穴に戻ってもらうんだが。やっつけて卵か。
まあ、あいつらも生きていくためなんだから、卵を取るのは一個だけにしといてやれよ。」
「はい。」ミーランは真摯にうなづく。
「ま、後は警備兵をどうやって煙に巻くかだが、一案がある。少し先にキノコ、この土地にしかない、な。ソイツが大好きな虫どもがいてな。
これも面倒で出るたびに隊員を差し向けてやらにゃダメだ。そんなキノコ、欲しくないか?
オレとしては、隊員どもをそっちに向かわせないとダメだから、得策じゃあないんだが?」
「最上の策、いただきます。」
「そうか。頑張ってくれよ、かわいい剣聖さん。」ニっと。
照れる恋人に気が気ではないリガルドだが・・
「この剣にかけて。」気迫のこもった応えに、リガルドも(杞憂だった、かな)

(惜しかったですねー、エリさん)(せやなあ、リトリーもあの二人どう?)(リガルドさんの男ぶりに期待ですね!)
(むしろ、アイツとったらどうなん?)(無理かと)(アカンとしても、ミーに刺激がありそうでオモロそうやんか?)
(言いますねー、少し煽ってみようかなあ)プププ。二人でほくそ笑み、召喚士の青年が振り向いた時には真顔に。

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