860セブンス。青年と女性が・・・2

「なんか、ひさしぶりね。」
「そうだな・・」
エレゼンの夫婦。
赤い髪の女性は、ここリムサ・ロミンサまで買い物に。
そして、黒髪の夫は、その荷物持ち、ということだ。
二人は商店街を抜け、ナルディク&メヴェリー社へと。
「すみませーん。あのお、お鍋をお願いしていたロートスという者なんですが。」
すると、一人のララフェルが。
「おお!お待ちしてりました。ささどうぞ。」
椅子を勧められる。
「あら、ありがとう。」
「どうも。」
「いえいえ、少々お待ちください。おい、香茶をお出ししろ!」「へい!」

ことん。
テーブルに茶が出され、二人はしばしくつろぐ事に。
「なあ、メーヴェ?」黒髪に赤いローブの術士に
「アル?どうかして?」赤い髪、おっとりした顔つきの妙齢の。
「いや・・・そのだな。こんな工房までわざわざ鍋なんて買いに来るものなのか?」
「あら。その辺のじゃやっぱり物足らないもの。やっぱり美味しいお料理のためには、道具にもこだわらないと。」
「そうか・・・お前がそういうなら。・・・それとだな。」
「なあに?」
「その・・ミーの事なんだが・・心配で心配で・・」
「まあ。どこが?あの子、なんでも「剣聖」ユパ様の後継になったそうよ?それに私達の子だもの。心配なんてしてないわ。」
「いや、まあ、ユパが何を考えての事かはわからんが・・そうじゃなくて、だ。どこかの悪い蟲もついてるんじゃないかって。」
「アル、そんな心配しるの?大丈夫よ。ほら、エリちゃんだって付いてるし。あの子はしっかりした子だから。」
「いや!でも!」
「ある?人の恋路に邪魔をすると、「チョコボに蹴られて死んじまえ」なる格言もあるくらいよ?もしお相手ができたのなら、暖かく見守るのが親の務めではなくって?」
「でも!」
「アル。」
「はい!」

ララフェルが大きな包を抱えながらやってくる。
「おお、お待たせしましたな。コレですよ。奥様。工房の者が自信を持って仕上げた、と申しております。一度お持ちになられてみては?」
袋から取り出された大きなフライパン。「おっとっと・・・失礼。」少しよろめいたララフェル。
「あら、素敵ね。ちょっといいかしら。」鍋を手に取り。
「まあ!素晴らしいバランスと重さね!それに、滑り止めも兼ねた彫刻まで。予想以上の出来だわ!」
「(鍋ひとつでそこまで・・・)」
「お気に召していただいたようで。それでは、ご主人。お代の方ですが・・これだけで。」伝票を見せる。
「い”っ!」アルフレートの顔が引きつる。(な、鍋で?鍋でこの値段!?メーヴェ・・・お前・・)
「よろしいかな?ご主人。奥様は大変お気に召していらっしゃいます。キャンセルされるなら、お早めに。」
「アル、どう?」鍋を片手にウキウキした顔の妻。
「わかった・・・・払う。」
「毎度あり。」
(鍋一つで500ギルだとお・・・)
「じゃ、行きましょ。」腕を絡ませる。もちろん鍋はアルフレートが。(重いな・・これ)
「次は?」「お洋服♪」「ああ・・・」


「ここ。ここが美味しいんだ。」薄桃色の髪と尻尾を持つミコッテの青年。
「へえ、初めて。」今は少し赤い髪は、光の加減でオレンジに映える。
エレゼンの女性は物珍しそうに周りを眺める。
レストラン・ビスマルク、ではない。その階下にある「国際街広場」商店街を抜けた先にある、ちょっとした公園みたいな場所。そこに、二日に一回、露店が並ぶ。
いくつかの露店はもう席が埋まっているが、持ち出しできるのでそのへんに座って食べるもよし、もう少し歩いて海を眺めながらもよし、だ。
「じゃあ、これと・・これ。」ミーランは思いつくまま注文を。
「ああ、おっちゃん、それとこれ。」支払いを済ます。
「あ。」
「誘ったのは俺だよ。支払いくらいさせてくれ。」
「う・・うん。ありがと・・。」
「じゃあ・・海でも見ながらにしようか。」
「そうね。」
少し歩いて、港が見える所まで。赤い髪が陽光でオレンジ色に光る。
「いただきまーす!」「うん、いただこう。」仲良く食べる。
「ミーって、食べっぷりもいいね。」「ぶ!」
「ははは!」「もう!」「口元。」指が唇をなぞる「ひゃっ!」「ソースがついてた。」
「・・・・・・!!」「慌てて食べるからだよ。」「う~!」


「・・・・・・・・・・・・・・ミー・・・」アルフレートは。がらん。と鍋を取り落とし。
「なんだ、あの男は!ゆるさん!俺のミーに!」構成を編み始める。

があんっ!

いきなり後頭部を吹き飛ばされたような感覚とともに意識が・・・・
「チョコボに蹴り殺される前に、私が止めてあげましt・・・」遠のいていく・・・

重たい鍋を軽々と振り回し。過去、傭兵時代には「スレッジハンマー(杭打ち槌)」と呼ばれた女性斧使いは旦那の暴走を止められたことに満足しながら。
「ミー、頑張りなさいよ。」と愛娘にエールを。

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