852セブンス。冒険者達の日常の2

「こっちよね!」
愛剣、ジュワユース(喜ばしきもの)を抜刀したまま遺跡を駆け抜けるエレゼンの女騎士。
「ミー、あんまり突っ走るなや!」相棒のモンクの女性。
「こういうところは流石だね。」爽やかなミコッテの召喚士の青年。
「無茶はいただけないけど。」控えめなミコッテの白魔道士。

いくつかの石碑を使っての先、広間にて。
「やっとおでましやな。」
短い黒髪のモンクの女性、エレディタ。
「そうね。」ジュワユースと、刃のついたラウンドシールドを掲げる女騎士。

目の前には、絵本に出てくるような「悪魔」
正直、以前に来た時と変わらない。
誰かが魔界から召喚している、と噂も。もしくは、その召喚術式がこの遺跡に残っていて、無限に出てくるのだとか。
「ま、噂は噂。やりこめちゃいましょう。」リガルドが召喚獣を。
「はい!とりあえず・・空間を統べる者、皆に加護を。」リトリーの防御術式。

「では!」盾に魔力の灯が。

「211の貢、汝に不幸が無きように!」ミコッテの青年が魔道書を閉じる。「耐えてくれよな。」
「任せて!」ジュワユースを振るう。

「さて、うちらは、こっから出てくるザコ掃除や。油断できへんで。」
「そうですね!あ、でも私はミーランさんの回復が・・・」
「そこの兄ちゃんに、や。うちの相棒の回復、任せたで!」
「はい!」

「こっち!こっち!」
ミーランは、恐らく言葉は通じないだろうけど、威嚇して悪魔の目をこっちに向ける。
盾と剣を巧みに使い、挑発しながらも悪魔に斬りつける。
「272の貢、炎神よりの力の開放!」寄ってくるハチの大群に術式を。
「へぇ、やるやんか。」グランツファウストで器用に、飛んでるハチを。たまに回し蹴りあたり、さすがの格闘家か。
「命統べる者、祝福を!」白魔道士が女騎士のサポートをしている。

「来る!」
ミーランの注意が全員を引き締める。

モータルレイ(死の宣告)
悪魔は全員を見渡し、笑みを。
剣に斬られながらも、余裕を・・・

「く!」
必死に近くにある光る床まで走るミーラン。
仲間も。
どうしてこんな救済措置があるのかはわからないが、悪趣味な司祭でもいたのだろう。
「分からなければ、死ね。」と。

ここからが正念場。
ミーランは剣と盾で牽制しながらも、攻撃を加えていく。

「お、あれが・・・剣聖、ね。」リガルドは、魔道書で召喚獣に攻撃をさせながらも惚れ惚れと。
「せやな、アイツはテンション上がるの遅いからなあ。でも、本気になったら凄まじいで。」
コンスタントな成果をあげるモンクの女性。
「ホントですね・・・」回復術式を編んではいるが、つい、なリトリー。

「てりゃあ!」ジュワユースと刃のついた盾を自在に扱いこなす、まさに剣の舞。「剣聖」

横手からナックルを叩き込む相棒は「さすがやなあ。」
「これは・・・俺で釣り合うのかな?」と青年。
「すごいですねぇ・・・さすがの剣聖。」白魔道士も。

ずずん・・・

悪魔が倒れる。
「よっし!次!」ミーランが元気よく。
「君、本当、すごいんだね。」ミコッテの青年の言葉に。
「あ、あふぇ?あ?うぇえええ!」顔が真っ赤な剣聖。

「な?アイツ、なんとか男慣れささんとあかへんやろ?」相棒の言葉に
「そうですね。少し・・」と応える白魔道士。

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