816セブンス。嵐の後には。その打ち上げ的な。

目の前にはワイン。それも発泡する奴だ。
まだ栓は開いていない。
当然である。
これから始まる祝勝会、主賓たるエレゼンの女騎士のために取って置き、ってやつだ。
「あの・・・」
ランプの灯りの下、赤い髪の彼女は、どこかよそよそしく・・・・
「何いってんねん。はよ抜け?」と、長いブロンドの少女。そして妹、「うんうん!」
「ミー、ええからはよせえ。始まらんやろ?」
なんて、せっつかれても、本当のところこんなボトルは初めて見た。まずどうやって?
「?」マークばっかりだ。
大体、殊勲賞なんて言われたって・・・できることをした、としか・・・。
ミーランは半ばパニックに陥り、むしろあの「神」と対峙した時の方が冷静だった、と思えてならない。
正直に言えば、あの問答は自身のパニックを抑えるためだった、と言い換えてもいいかも、くらいだけど。それでも制したのだ。仲間から祝杯を受けてもいいだろう。
そして。
業を煮やした姉妹の姉、ユーニが。「もうええわ。うちがやったる。」と言い放ち、ワインの栓を放つ。

ぽんっ!


景気のいい音と共に溢れ出すワイン。
泡と共に。
「もったいない!」思わず叫んでしまうミーラン。
「アホかミー。こういうのは景気づけや。いちいち説明させんなや。」相棒が頭をぐりぐりと。
全く、この相棒ときたら。生真面目にも程がある。
エレディタはにっこりと。
「ミー、あんたのおかげやで?」
「まったくや。うちらも死ぬかとおもったわ。」「せやね、お姉ちゃん。」
各々の感想を。

「よし!」杯を掲げ。
ミーランは。
「まずは、この勝利の前に。黙祷を捧げたいんです。」
「ええな。」「いうとおもとった。」「うちもしたかった。ミー、ええ事いうなあ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


そして。
「わたしたちの勝利に!」
ミーランが声を高らかに。
「かんぱーい!」

そして、料理が続々と。
「あ、これおいしい!」「こっちの魚、メチャうまい。」「ザナラーンって、魚取れるの?」「金さえあればなんでも入るやろ。」「お姉ちゃん!このお肉なに?」
「羊やろ、味知らんなら黙って食え。」「えー!?」「あ、ワイン、おかわりな。」「そんなに飲んで大丈夫?」「お前の寝相さえ回避できれば、なんの問題もあらへん。」
「え!?そんな!?」「ミー?うち、えらい目にあったんやけど?」「ミー。そろそろ寝相はなんとかしような?」「エリまでっ!?」
「そら、寝てる間にボコられてたら、誰も一緒に寝えへんて。お前、男作れ。」「え?」「まだ未経験か。男ができたら寝相も変わるわ。」「えええ!!!???」
「ミー、それにはうちも賛成や。」「エリまで?」「それと、このバカ妹にもな。」「!?お姉ちゃん?」
「お前は斧さえ振り回せばなんでもいい、やろ。それじゃ男なんか来ないちゅーねん。ええか?・・・・」
姉妹の会話に思わず聞き入ってしまうミーラン。
「ミー、まあ、あれは極論やで。それほどおぼこい妹に叱咤してる、ゆうかな。」

エレディタは、過去の恋愛に引きづられているのか、未だパートナーを作らない。
目の前の料理にフォークを突き刺しつつ。
「まあ、経験から言っとくわ。惚れたら最後まで突っ走れ、やな。」
「エリ?」
うちも・・そう、崖から共に落ちようと。その時は思った。この親友が助けてくれ、目が覚めるまでは。
「ミーのおかげやで。ほんま。乾杯。」チン。
「今日のエリってば、ヘン。」チン。

向かってあちらでは、姉妹で恋愛談義が続いている。
「とりあえず、一発男と寝ろつっーの!」「お姉ちゃん、やりすぎ!」

「・・・・」「あー、ミー?あの会話に参戦するのはやめときや?炎上もスゴイで?」
「みたいね・・・」

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