792セブンス。嵐を見る者達。

(まずい・・・)
エーテル、いわゆる「魔力気流」が揺れている。
いや。
暴走、ないしは暴風と言ってもいい。
銀髪の青年サンクレッドは、肩につけておいたエーテル測定器を。

「なんだ?」とは、真っ黒なエレゼン。
いきなり足を止めた青年に食ってかかる。
「あ、・・少し・・待ってください。」器をつける・・・・・
「あ!」
声が大きくなる。
エレゼンの青年と、その弟子のララフェルの少女が心配、というより怪訝な目で。(彼らはリアリストだ。損得で物事を捉える)
「やばい・・ですね。」
エーテルの流れが尋常ではない。これが・・・蛮神・・。
サンクレッドは器を外し、「この場は・・・撤退しかないかもしれません。」鎮痛な表情。

「はぁ?お前バカか。二手に別れたのは逃げる算段かよ、ダセえな。」
「死傷!意外とかっこいいですぅ!」
二人の発言に。
「そうだな。悪かった。」
エーテル観測器を亡霊に。
「これを使って見てくれ。彼女達の援護ができるのは今は君だけだ。」
「ふん。」仮面のような器を・・・
「死傷!弾、いくついりますかぁ?」
「まずは、そのクリティカルな呼び方を変えろ。・・4発、か。」
遺跡の高台から異常な空間を見ながら。

陽は中天に差し掛かった頃。
雲行きは微妙だが、問題の場所が暗闇の球体みたいなものに覆われている。
結界、ね。
ただ、精霊結界とは違い、エーテルだけによる結界らしく、その分濃密だ。

「なあ、兄ちゃん。」
銀髪の青年に声を。
「ああ?」応える声は少し弱い。
「そのなんだ。アレは壊せねえのか?」
「仮にも神を名乗る存在が作った結界だ。カヌ・エ様ならともかく、俺達では無理だろうな。」
「ほう。」じゃきっと、音を立ててローディングされる「銃」
「なんとかできるのか?」
「しなけりゃあダメだろ?このケルベロス・レッサーとゴーストロードがあればな。」
立ち上がり、撃鉄を起こす。
そしてトリガーに指を。

HEATと呼ばれる弾丸を放つ。

昏い結界にわずかながら隙間のような。そんな「穴」が出来る。
「おい!嬢ちゃん達!中らねえように隠れとけっ!」
もう一発。

がきっ。銃身を折り、薬莢を捨てる。もう二発を込める。開いた穴が閉じる前に。
がうん!
ガウン!

「こんな所か・・。」銃をホルスターに。
「師匠、ちょっとかっこよかったですぅ。」
「ミコッテならいつでも宿に連れて行くんだがな・・お前じゃあな。もっと成長してくれ・・」
「尻尾は無理ですよぉ。でも・・・」

結界の中に突き立った「楔」を破壊した亡霊は仕事は済んだ、とばかりに冗談?にかまけている。


「・・・お見事。」青年は賛辞を。

では、あとはあの女性達の健闘を祈るとしよう・・・。

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