772セブンス。幕間。

んーむ。
うなづき・・・手応えは・・といえば。

砂漠といえば、そうなのだけど。
慣れた乾いた空気も、吸ってしまえば・・いや、慣れてしまえば。
故郷の黒衣森を思い出すが、いやいや。
そうじゃなく、大事な思い出の街。
ウルダハ。

傍らには、ピカピカに磨かれた盾。
これが、彼女の「看板」であり、背の短弓とともに、決して譲れない物で。

「こんなとこ?」
と。ブラウンの髪のミコッテ、エフェメラはとりあえず納得をして、依頼主が来るまでのひと時を、じっくり、安らかに待つ。

正直・・・ヒマ・・・
とか、心の中で思いつつ、ヒマじゃないトキはとんでもない事になっているので、安堵というか。
馴染んだハンマーをくるくるっと回しながら。
「エリス、こないねー・・」とか、言っていると。

「えふぃ!」と。馴染んだミコッテの親友。
エリス・パンテーラ。今はローウェル、だったよねー。なんて。

昼下がり、昼食は済んだし、お客さん待ちな彼女は「お菓子ないの?」といなすが・・
「こたつ!」と。
意味不明の単語を連打しだす親友をなだめる。
「ねえ?えりすー?さん?こたつ、ってなに?」
見た目、鍛冶師として道具一式、武器防具になんでもござれ、な彼女は・・・少し肌寒くなった街並みと、財布の中身を考えながら。
「こたつ!暖かいんだよう!」と。喚く彼女にとりあえずハンマーで叩いてから、「なに?」と。
「ぐ・・、こたつが来てないの・・。」と涙目で訴える親友に、もう一度質問。
「こたつ?」とだけ。
「最高級寝具。東方製。」と追加。
「む。」
そして。
「え?社長?今?はい!ええ!はいい!?グリダニア!?ですか?今?すぐ?」
「えー・・。」
エフェメラはなんだか、まあ、いいか?な感じ・・

「ご!ごめ!ほんと!なんだかよくわからない・・・でも、急いでこいって!」
「あー、あの社長・・さんね。」空を仰ぎ見る。午後のお茶にはちょうどいい。か。
「いってらっしゃーい。」と親友を突き放し・・いや、送り出し。

そもそも、なんのために来たんだ・・・なんて・・おもいきや・・・。
「あ。」と。
彼女の帯防具の修繕が終わった、と今朝に連絡したところだった・・・けど。
まあ、いいか。
明日でも。

そして、金髪のいい男が短剣の修繕の受付を。
「どうぞ!鍛冶師エフェメラの腕前を是非!」と。
ヒューランの男性は「そう。俺はサンクレッド。詩を吟じる事もできるんだ。可愛らしい貴女にも何か。」
「やーん。そういうのはお断りですにゃ。でも、仕事はキッチリしますから。」
「じゃあ、お任せするよ。」と。

ひと仕事終え、部屋に。
看板にしている盾を裏返すと、親愛なる「リーナ」の日記を。
そして、同じ盾を制作し、その返事を同じく盾の裏に。日課だが、神聖な行為。
「リーナさん。今日は面白い一日でね。ワタシ、こんな毎日もいいな、って。」書き綴る。
最後に、盾を抱きしめ、「おやすみ。リーナさん。」と。
ミコッテの鍛冶師は、今日も一日を終えるべく、寝台に向かう。 「最高の寝台、ね?丸く寝れるとか?」なんて。

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