727セブンス。思わぬpt

第七霊災のあと、いろんな変化があった。
まず、地形が変わるほどの被害、そしてその復興。
ギルドシステムの変更。
いろんな復興や取り組みがあり。

二人の少女はリンクパールを使った新しい取り組みにチャレンジを。
簡単に言えば、「仕事オンリーの登録パール」会話などなく、ギルドからのオーダーがあれば、登録とさえ念じておけばいい。それだけ。
そして、登録さえしておけば、どこにいても移動術式で呼ばれる。
もちろん、自分の意思でキャンセルはできるが、どういった内容かはちゃんと念話で送られるので、選ぶことができる。

「なあ、ミー?コレどうしよう?」
黒髪を無造作に短く切った女性、エレディタ。
ミッドランダーとハイランダーのハーフらしいが、ハイランダーの血が強いのか、気も強い。
「そうねえ。ちょっと見過ごせないわね。」
こっちはフォレスターの女性。光が当たるとオレンジ色に輝く赤い髪の持ち主。
「まあ、そう言うとおもっとったわ。しゃあないな。」
このエレゼンの騎士は、お人好しでそのためなら、危険を顧みない。でもまあ、そこがこの相棒のいいところで、好きなところだ。
ただ、目が離せないくらいのお人好しなので、自分が見ていないと、と保護欲すらわいてくる。
エレディタは、ふう、っと一息。
「うん、エリならそう言ってくれるとおもったよ!」
悪意のカケラも無い彼女は、本当に大丈夫なんだろうか?本気で心配しながら、その彼女の事をとても好きなのは自分も感化されているからだろうか?
それとも、スラム育ちで人との間に距離を作り、疑うのが大前提だった今までの裏返しか。
「いいから。いくで。」
だが、今は彼女といるのが楽しいのは事実だ。


パールに「参加表明」を出す。
しばらくすると、ふわり。と身体が浮く。二人揃って淡い光に包まれる。

移動術式の間に基本的な情報が入ってくる。
「トトラクにて、以我蜂団といわれる賊の討伐」
場所には術式で移動できるので、あまり気にしない。が、相手の戦力だ。
「イガバチ」とは、たしかにその辺にいる、稀に魔物化するハチだが。
当て字にするあたり、ショボイとも言えるかもしれない。
ただ、こういう依頼が出るあたり、それなりに被害が出ているのだろう。

青いサークルの結界に降り立つ。
そこに。
「あ!」
「お前ら!」
突然の声。
「へ?」振り返ると、ハイランダーの姉妹がいた。
姉、ユーニ、妹、ユーリとは、幾度か出会ってはいるが・・・
「腐れ縁?」とは、相棒のエレディタ。
「それはこっちの台詞や!」と小柄な姉、ユーニ。
綺麗なブロンドを伸ばし、ローブ姿の彼女は愛らしいがヤブ睨みの表情がかなり台無しに。
「まあまあ、お姉ちゃん。そのへんにしとこうや。」
こっちは、愛嬌のあるタレ目の妹、ユーリ。
見た目は愛嬌があるが、両手で振り回す斧を背に担いでいれば、なかなかギャップが。
「ふん。」
「エリ! すみません、一緒にがんばりましょう。」ミーランは頭を下げる。
「まあ、気にせえへんけどな。」姉。
「うん、行き詰ったとこが、ホラ、なんていうか。スタートでしょ?」
にっこり。
(ほんま、この娘には・・)エレディタと、ユーニは同じ感想を。
「おーっし、いくわよ。でも殺すのはナシね。後は、死ぬのもナシ!」
「へいへい。」
「さすがはミーね・・。」
「お姉ちゃん、加減できる?」
「しょうがないわな。」

「んじゃ、GO!」

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