698セブンス。女子会?

森の都グリダニア。
冒険者達の集う斡旋業のある店舗。
リムサ・ロミンサならば、「溺れた海豚亭」
ウルダハならば「クイックサンド」
どちらも、「酒場」として機能しているが。
ここ、グリダニアでは「カーラインカフェ」
すなわち、「カフェ」がその役目を。
街自体がゆったりとした空気だからなのか、他の街が殺伐としているかなのかは余人の知るところではない。

そのカフェにて。
「なあスゥ?」
「どうしたの?改まって。」
そこに主人が。
「レティさん?どうされました?」
彼女は二人の前だと素をだしてしまう。
普段は気取った男言葉であるのだが。幼馴染と言えばそうなのだが。つい。
「んー、最近マユが反抗期。」
「え?」と二人揃って。
「その・・・あの・・・・もしかして、ターシャちゃんの事とか?」
ミューヌがやんわりと。
「絶対それだ!」とは腐れ縁の隊長。
「あたしは何にもしてないわよ。それこそ親の教育。」
「レティ?それって、マユちゃんが反抗期に、って、レティの責任・・・。」
「あの子はほったらかしでも大丈夫だったから。あたしのせいじゃない。」
「うわ、言い切った・・・。」
「ある意味、魔女の家系ですよね・・・。」ミューヌは子共を授かる自信が少し萎えた。
「まあ、確かにターシャちゃんはスゴイけどねえ・・。」と、スウェシーナ。
「あの子たち、揃ってウルダハに引越したからねえ。ウルラ君の仕事もあるし、分るけど。ターシャをいきなりアルダネスに通学ってやりすぎな気もするんだけどね。」
(多分、レティさんの教育から切り離したい、ってマユちゃんの判断・・・)と、二人。

とはいいながら、アルダネス学院での呪術の修練では飛び級の首席だそうだ。
まだ7、8才かそこらだったはずだが。
やはり、魔女の家系か。





「ねえ、エリ?」
オレンジ色の髪の女性。凜とした空気を纏い、鎖鎧も似合う騎士。
そして。
「なんや?」と。
こちらは乱雑に短くした黒髪の。野性味溢れるいでたちのモンクだが、女性としての魅力は損なわれていない。
「やっぱり最初はシチューとサラダからにしない?」
と、カフェに行くまでの会話。
そこに。
「肉もいれろや?」と。
ローブ姿の小柄な少女。金髪で細面で、少々吊り目、というかヤブ睨み。
もう少し大人しい表情だと美人だといえる。
だが、その台詞にふさわしい、というか。
見た目で「きつい」性格だと判ってしまう点で損はしている、だろう。
「お姉ちゃん、そんなコト言いながらあんまし食べへんやん。」とは。
妹。
姉とは違い、やや丸い顔立ちにタレ目。身長も姉より頭二つ分は高い。今のメンツで言えば、一番。というより、その辺の男衆より遙かに高い。
革鎧に包んだ体も立派な戦士のソレであり。
「やかましいわ!」と、姉からの叱責に「お姉ちゃん、ごめん!」と、見た目とは反して姉には頭が上がらない。

「まあまあ。祝勝会するんだし、なんでもいいでしょ?」とエレゼンの女性がたしなめる。
「ふん。」
「ミー、とりあえずお任せで頼んどこうか。」
「お願い・・・。」

4人でカフェに入るとカウンターに見たこと、どころか有名人二人。
「ん?」と振り返る魔女と隊長が。

「いらっしゃいませ。4名様でしょうか?」と、ミコッテの給仕。
「あ、ナオちゃん。うん。それと適当に食事を出してくれるかしら?」
「はい。かしこまりました。」

「今日はオーアちゃんとイーリスちゃんいないね。」
「オーアちゃんはともかく、イーリスちゃんは遅刻やねえ?」
「あー・・・ありえる・・・・」(と、いう事は。この後にバイオレンス炸裂か。)

「あー、ナオ?あたしらもそっち移っていい?」と、いきなりの魔女。
「はい。それではお席をご用意いたします。少々お待ちを。」椅子を用意しに。
「あ、あのレティシアさん?」騎士は面食らう。
「いいじゃない。ちょっとくらい。」魔女はにやけ顔で。
「レティ?いきなり?」相方の常の通りの言動に隊長は。
「あー、レティさん、スゥさん、暴れるのはやめてくださいね?」とミューヌ。
「ミュー!面白い話が聞けるかも、だ。いいじゃないか。」

「はあ。相変わらずですね。皆さんも申し訳ないんですがよろしくお願い。」

「はい。」「あいよ。」「ふん。」「はーい。」

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