696セブンス。追跡。(グリのメインクエ?ネタバレ注意!)

「こっちや。」
ハイランダーにしては身長の低い(言うとキレる)女性が案内する。
黒衣森の中、小川をさかのぼり。
小さな滝があって。
「わあ!水浴び、やっぱりしようよ!」
オレンジ色の髪のエレゼンの女性騎士。
「素っ裸をそんだけ披露したいならとめへんわ。」相棒の黒髪のモンクの女性。
「うちもしたいんやけどなあ。」
ハイランダーの斧使い。
「お前ら勝手にやっとけや。」先のソーサラー、ユーニは冷たく。
「ほんまやで。」とモンクのエレディタ。
「ぶー!」とはナイトのミーラン。
「お姉ちゃんもしたいくせに。」と、長身のユーリ。
女性4人のパーティで、小さな滝の裏側にある小さな洞窟を抜ける。
すると、先客、というか。
銀髪のララフェルと、白い装束に赤い脚装備という少女?女性?が大きな切り株の近くにいた。
もしかして?不審者とは・・・
「あの?」とミーランが声をかける。
振り返る二人。そして、その後ろにいつのまにかモーグリと呼ばれる森の精霊が。
「ああ、冒険者か。何をしに来た?」ララフェルが問いかける。
モノクルを掛けたその表情は訝しげで。
同じく振り返った白いシャツの女性は表情が読めない。なぜならマスクをしているから。
「パパリモ?」
「イダ。警戒が必要。」
ララフェルは周りに注意を向けている。
「あー、そうだね。ちょっとイヤな空気。」
「エーテルが・・・。」
ララフェルは眼鏡のような、ヘンな機械?をつけて周りを見ている。
「やっぱり・・・。」
「乱れてるの?」
「何言うとんのや?」とはユーニ。
「君達にはわからないかもな。」機械をはずし。ララフェルは。
「そこの剣。こういう事があるとエーテルが乱れちゃって、ロクな事がないんだよ。」
と白い女性。
「・・・・飛空挺落しちゃった時もヒドイ目にあったものね・・・」とぶつぶつ。
「それは、イダが悪い。」
「じゃあ、あの剣抜いちゃえばいいんだね!」
エレゼンの騎士は軽く請負い、大きな切り株に突き立った剣を抜きに行く。
「おい!まて!」
ララフェルの制止など聞こえないように。
「せいやあっ!」と、風変わりな剣を引き抜く。
慌てて周りの警戒をする二人組
「あー、やっぱりね。こういう事があるから・・・。」
地鳴りが。
木が。
うねりだす。
「エーテルが乱れてるとこういう事が起こりやすいんだよ!」
「おい。どういう事や?」ユーニの問いに。
「森が怒ってるクポ。」
「は?オマエ、なんや?」
「モーグリのクコロ・コップ、クポ。」
「おい!冒険者ども!くるぞ。イダ!こうなれば、仕方ない。」
「うん。」
「え?わたし、何か悪いことした?」
「ミー!とりあえず抜刀しろっ!」相棒は既にナックルを構えている。
がらん、と切り株に突き立った剣を放り出し、愛剣を鞘ばしらせる。

すぐ近くに立っていた樹の近くの地面から。
ごりっ!
と根を出すのが見えた。
「ミー!まずい!」
「回復は僕に任せてくれ。その代わりはなれるなよ?」
「なかなかおもろい展開やないか。」
「お姉ちゃん!とりあえず戦闘?」
「そうや。」
「エリ、どうしよう?」
「始まったモンやしゃあない!ミーのせいやあらへんけど、これはちょっとハードかもしれへんで。」
「君ら!あの精霊はたおしちゃうけどさ!今、この場に結界が張られたよ!実力が出せないかもしれないから、パパリモから離れちゃだめだよ!」
「む?」術式が編めない。ユーニが渋面を作る。
「え?」愛剣ジュワユースが異常に重い。「どういうこと?」
それどころか、鎧一式がとんでもなく重い。
傍らの相棒も苦戦しているようだ。「なんや?これ?」
「精霊結界。強制的に実力を落す。精霊がよく使う手段だ!いいか?僕は回復に徹するから、離れるなよ?」
「なんやそれは!」簡単な術式を展開させて。
樹が。
わさわさ
やって来る。
その幹に顔がある。
「イダ!」
「分ってる!」
3本もの樹が襲い掛かり。
「お姉ちゃん!コレ、けっこうハードやで!」
「見ればわかるっちゅーねん!」氷結術式を放つ。
「エリ!だいじょうぶ?」
「ミー、自分の心配せえや!」
ジュワユースをなんとか振るいながら根っこや枝を防ぎ、切り出す相棒。
「あぐっ!」
ハイランダー姉妹の姉が苦痛の声を。
振り返ると、小さな木が術士を攻撃している。小振りながら木は飛び跳ね、体当たりを繰り返して。
「こ、この野郎!」と術式を展開するが、3体もの相手が連続で攻撃するため、術式が発動できない。
「癒しだ!」ララフェルの術式が少女を癒す。
「よくもお姉ちゃんを!」斧を振り回す。
白い格闘士は大きな樹を一本、削り倒したようだ。
「パパリモ!私はいいから、そっちに回復よろしく!」
「分ってるよ。」


小一時間ほどだろうか?時間の感覚がわかない。戦闘は終わり
「エリ、怪我してない?」
「このくらいは怪我のうちやない。そちらさんは?」
「こっちも。」
「お姉ちゃん、ちょっと危なかったで。」実際、いちど意識を失って。
小柄なソーサラーは「うっさいわ。」と憎まれ口を。
だが、妹を見る目は優しい。

「さて。この剣だけどね。とりあえず依頼した人に見せてきて。」
「うん、イダの言う・・・ちょっと待て。この剣・・蛮族のものじゃ?」
「ん?どうかしたの?」
「イダ。よく見ろ。これ・・・。」
「ホントだ・・。」
「まさか、ね?」ミーランは・・
「いや・・・。イダ。クコロ・コップ。もう少し周りを探す。手伝ってくれ。」

「これ・・・。」ミーランは言葉をなくす。
広場の少し奥に。
蛮族の死体が。
「コイツが。」ララフェルは思案にふけり
「とりあえず報告やろ?」ユーニは一瞬だけ物思いに。
「そうよね。じゃあ、ありがとうございました!ええと、イダさん、パパリモさんクコロ・コップくん!」
「ああ。」「うん、またね。」「じゃあクポ!」
4人は剣を持ち帰りながら。




「なあ、イダ?」
「どうしたの?」
「彼女達、クコロ・コップが見えていた、な。」
「そうクポ。二人はキャリッジで見かけたクポ。」
「そういう事もあるか・・・。」
「ふうん。」

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