ここはコロセウム。壁に囲まれた戦場。その中で行われている試合に会場は
大いに盛り上がっていた。
そのコロセウムの支柱の奥に妖しく光る紅い瞳…。
「ふふっ、面白くなってきたじゃないか。」
その瞳の持ち主は不敵な笑みを浮かべると
人の流れとは逆、コロセウムの外へと消えていった。
「レイ、準備はできているかい?」
と、コロセウムから出てきた紅い瞳に銀髪のミコッテ。
「もちろん。準備万端だよお姉ちゃん。」
こちらも同じく銀髪に悪戯っぽい笑みを浮かべるミコッテ。
そして彼女の後ろには荷物を大量に積んだチョコボキャリッジが。
「姉さん、遅かったじゃないですか。旧友と感動の再会はできたんですか?」
手綱を握っているミコッテの青年が声をかける。
背は高いがどことなく少年の雰囲気を残している銀髪。
「まぁね、収穫もいろいろあったさ。 ここからが本番だけどね」
「とりあえずここに用は無い。次に向かおう。」
「本当は試合にでたかったんじゃにゃいの~。」
「ちょっとはね・・・ま、腕試しの機会はいくらでもあるさ。」
「それに、今はここよりももっと調べたいことが山ほどあるからね。」
「姉さん、そろそろ出したいんですけど・・・。」
「この炎天下で待たされてる僕の身にもなってくださいよ・・・」
「それは末っ子の宿命にゃ~」
「(数ヶ月しか違わないのに・・・)」
「むむむ、何やら反抗的な目ですね~ルイ君。」
「ちょ、この状況で寄られるとガチで暑い・・・」
「ふふふ、その辺にしときなレイ。」
「確かにこの暑さじゃ体力持たなくなるよ。」
「ふぁ~い」
雲ひとつ無い空の下で、僅かに砂煙を立てながら3人の乗った
チョコボキャリッジはコロセウムを後にした・・・。