501書き物。作戦会議。

砂嵐が絶えぬ、かとおもいきやスコールが降り注ぐ荒野にある都市。ウルダハ。
そして、上階にあるフロアでの一室が「対帝国戦 作戦会議室」として機能している。
グランドカンパニー、つまり3国共同のこの作戦会議でウルダハが選ばれたのは、
単純に決戦の地であろう、モードゥナに一番近いことと、リムサ・ロミンサや、グリダニアとの中間地点であるということ。
そして、3国の首脳と、各部隊長クラス、兵站やその他を任されている人材が打ち合わせのためにここ数日、連日連夜頭を突き合わせている。

その中でも一番突出しているのは、リムサ・ロミンサの「黒渦団」の「提督(アドミラル)」ことメルディヴだろうか。
深紅のジャケットに身を包んだ長身のエレゼンの女性は、腰に吊るした二丁の銃をときおり触りながら、作戦立案に意欲的だ。
彼女の愛銃、「アナイアレイター」と「デスペナルティ」は提督のアイデンティティとも言っていいらしく、発言前には無意識だろうか?軽く銃把に触れている。

「ということで、よろしいでしょうか?」と凜とした、それでいて迫力のある声。
ねめつけるような視線を受ければ、発言したくてもできない、そんな視線。

今、彼女の提案とは、3国の合同軍を大きく3つに分け、その3軍に各々の軍を振り分ける、
というものだが、都合9軍になり連携が取りにくい、ゆえに優先的に3軍にメインの軍と補助的な軍が二つ、ないし一つ割り振る、というものだった。

これに一人が声をあげる。
「ではどのようにする気ですかな?」野太い声が会場に広がると、これまた他に発言はなく。
不滅隊隊長ラウバーン。「アラミゴの猛牛」と恐れらた元剣闘士。
愛剣「ティソーナ」を背中に担いだ偉丈夫は、その容姿と声とは裏腹に、冷静な声で質問をする。

凛とした声でそれに答える提督は
「攻撃に特化した部隊を編成できる我が団に左翼のメインを任せて欲しい。そして、グリダニアの神勇隊にもサブで参戦していただきたい。」
「ほう。」と、元剣闘士の隊長は「では、我等は右翼のメインを任せてもらおうか。剣術に秀でた我が隊なら適任だろう。」
「なるほど。では、カヌ・エ殿。グリダニアの隊は中央隊のメインでよろしいかな?そして、神勇隊に左翼のカバーも。」

それまでは目立った発言をしなかった角を持つ女性に声をかける。
彼女は先の二人とは違い、ふわりとした、どちらかと言えばドレスのような衣装で、
この場にはそぐわない事請け合いなのだが、その実「双蛇党」を立ち上げた森の賢者。
積極的に先制攻撃を押してきた、その姿には似合わない性格でもある。
美貌の指揮官は「ええ。鬼哭隊を中央のメインに当てましょう。そして、赤心の前に道は開けます。
奮闘を、栄光を、彼の地にて。」愛杖「クラウストルム」を握り締め、声高に。涼やかな声は場の空気を和ませ、士気をあげる。
これでも兵士たちの人気は高いのだ。それは容姿に由来するものではなく、強い意志のもと行動をするためであることをこの場の誰もが知っている。
「それと。」涼やかな声は後にも続く。
「ラウバーン殿?呪術士、および黒魔道士の遊撃部隊は編成可能ですか?」
「む。それは・・・できるとは思うが。教会は正規の術士を出す気は無いだろう。冒険者達の傭兵部隊で編成するしかない、かもな。」
「そうですか、それでは3国の傭兵達で編成したほうがいいかもしれません。」
「待て。全体の戦力として、各隊に分散させたほうが有利だろう!」提督の反論。
「戦力集中は戦術の基本。カヌ・エ殿に一理あると思うが。」隊長のひと言に。
「ふん、言ってくれる。私も船団を率いる身。言われるまでも無い。
だがその遊撃隊にいかほどの価値があるのか、それを説明していただきたい。」
と、過激な発言を見た目はおっとりした女性に向ける。
「では。マルス社長!」と一人のミコッテの名を呼び。「はいっ!」席を立つ。
「社長。例の部隊の都合はつきましたか?」涼やかだが、迫力は先ほどの比ではない。
「はい。隊長にはこちらの社員が、部隊人数は9名と少ないですが、戦闘工兵としての経験は確かなものです。
それと、物資の運搬及び塹壕やバリケードのための人員も揃っています。
進捗状況としては、物資の8割がすでにモードゥナに搬入できています。
後二日いただければ、人員と共に塹壕整備に移れるでしょう。」席に座る。
「よろしい。」女傑に振り向き
「特殊部隊の編成と合わせて、敵をかく乱し、陣地の占有を目指し、時に側面を衝くくさびとしての有用性を提示します。」
「ふん。なるほど。」銃把に触れ、釈然としないのか黙り込んでしまった。
「では、その編成はカヌ・エ殿に任せようではないか。」纏めに入る偉丈夫。
続き「それでは兵站だ。輜重隊とともにこれには各国の製作系ギルドから人員を出してもらおう。冒険者も含め、おそらくは問題ないはずだ。」
「それは問題ない、はずだけれどね。もしも戦線が延びてしまったり、長期にわたると護衛にも、物資にも問題がでるかもしれない。違う?」挑戦的な提督に。
「それには、わたしが答えましょう。」
「君は・・。」いぶかしげな女傑に負けずに「スウェシーナです。鬼哭隊隊長を務めます。」
「ほう。」
「はい。実はわたしの親友でもある「天魔の魔女」立案の作戦があります。
基本的には短期決戦ですので、兵站には不安の可能性は少ないと思います。是非ご覧ください。」
紙束を差し出し「失礼をしました。」と席に。
「ふんふん・・・面白そうじゃないか。かの魔女立案ね。」
「どれどれ・・・。ほう。」
「彼女は常に裏をかくのが得意ですからね。」
3国の首脳は、納得したのかしていないのか、面白そうに紙束をめくり始め。
「いいだろう。検討の余地はある。修正もあるだろうがそれはこちらで決める。
では本日は解散とする。」開催国であるため議長となったラウバーンが宣言し、各自が三々五々退出していく。



午前中早くの開催であったが、すでに陽は翳りもしかすればまた夜に召集されるだろう。
「はふ・・・。」緊張の糸がほどけ、溜め息ともつかない吐息がこぼれ出る。
鬼哭隊を率いる彼女は、朝食も喉に通らなかったのだが、昼食まで飛ばしてしまうとさすがに胃が文句を言ってくる。
中央にある酒場に向かい、座ったはいいものの、やはり胃の期待に添えず、食欲がわかない。「まったく。胃がいくつあっても足らないわ・・。」
レティ。親友の顔が浮かぶ。さすがの首脳でも興味を示さずには入れられない作戦立案は凄いわね。
ワインを一杯注文し、干した果物を一皿。やはりこの先は体力勝負である。
少しでも腹を満たさなければ。本来なら、リンクパールで親友に事の経緯を言いたいところだが、
具体的な作戦が決まるまで「会議」の内容は秘匿せねばならない。
「後、数日・・かしら・・。」ワインで口を湿らせて、干しブドウやフルーツをつまむ。
糖分を摂取するのも必要だからだが、今はこの甘みがありがたい。



「エリスーッ!ちょっと来い!」
とある商社のオフィス。普段はアマジナやエシュテムと物資のやり取りをしている「アリティア物産」その社長室にて。
「はい!社長!」ミコッテの女性はややおどおど、とした表情で(この顔は何かヤなよかーん・・・)
「エリス社長代理。辞令を。これより貴女を一時的に社長代理業務から外し、特殊任務を与える。」
「へ?え?えええぇぇぇぇっ!?」
「返事は?」「はいぃぃぃ!」「よろしい。詳細は明日にでも書類で渡す事になろう。」
「その・・・社長?もしかして・・・大戦・・・?」「今は知る必要は無い。以上だ。」
ツカツカと足音高く部屋から出て行く「暴君」の背中を恨みがましく見送りながら・・。「うう、私って不幸の子なのね・・。」とデスクにもたれかかる。


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いよいよって感じですね
3国のトップの武器に興味が湧きましたw
@カヌ・エ様はポスターのほうと実写では大きさが違うように思いました!
Fizz Delight (Hyperion) 2013年03月11日 14:40

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久々にツッコミ
×「メルディヴ」 ○「メルウィブ」
×「エレゼンの女性」 ○「ルガディンの女性」


Fizzさん
双蛇党ポスターに書かれているのは女神ノフィカ様ですよ。
Marth Lowell (Durandal) 2013年03月11日 17:45

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民間企業の社長が出席できるような会議じゃない気が・・・w
何か、いろんな方面からマークされてる気がするw
Marth Lowell (Durandal) 2013年03月11日 17:52

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>フィズさん、そうですねーw
でも、この3人の武器はGCの公式ページに載ってるんですよw
みんな、お胸さまばかり・・・・
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月11日 18:04

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>マルスCEO、ご指摘どうもw
直しておきましたよ。名前はちとお恥ずかしいかぎりだけど、ルガ女性ってのは書いてなかったから知らんかったw実装前だったからかしら。

で、アレってノフィカ様なのねw絵柄は「アルフォンス・ミュシャ」のパクリかなw

それなりに軍需産業に関係あったり、今回の工兵や、兵站の準備など、進捗状況の報告など。もちろん意見できる立場ではなさげだけど・・。
クォも出席要請されましたが、出張中ということでボイコットしましたw
もちろん、マークはされてますよw企業としては、アマジナやその他も不滅隊に組み込まれてますからね。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月11日 18:12

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>マルスさん
ノフィカ様だったのかw
ええお乳してますね
Fizz Delight (Hyperion) 2013年03月11日 22:00

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2回目のツッコミ失礼

×「メルウィヴ」
○「メルウィブ」
・・・、何かごめんなさい・・・。」
Marth Lowell (Durandal) 2013年03月11日 22:55

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>マルスさーんwこちらこそwww
しくじったあああああ!訂正しときまーw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月11日 23:06

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すばやい修正お疲れ様ですw
自分がまゆりさんの小説に初めてコメントしたのも誤字指摘だったかなぁ?w
Marth Lowell (Durandal) 2013年03月11日 23:13

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>マルスさん、そうかもw
寝る前にザクザク書いたりしるから、たまにやらかしちゃうのよネw
一応チェックはするんだけど、提督は「音の感じ」でそうだったけ、とwそしてルガ女とはw反則だあw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月12日 00:07

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