469書き物。冒険者達の日常・・・。あるいは時間の使い方。

「いらっしゃいませー!」
階下に降りれば、エレゼンの少女カナル、ことカナーリエンフォーゲルが出迎えてくれて。
カーラインカフェは今日も朝から盛況だ。
店主ミューヌも忙しそうだし、もちろん周りの冒険者達も今日はどこにいこうか?
とギルドから受け取ったカードを物色している。これも食事をとりつつ喧々囂々なので忙しそうだ。

ふわふわした金髪の少女マルグリットは、LS風見鶏(ウェッターハーン)の参謀を探しながら。

銀髪のミコッテの少女は目立つ容貌だけど・・・・。居た居た。
テーブル席はすでに埋まってしまって、カナルがそれこそ飛び回るように動いているので、カウンター席にしたのだけれど。
そちらに「ルー!こっちこっち!」
少しほわっとした表情の参謀殿は他の冒険者達の邪魔にならないように、すいすいと歩いてくる。
「おはよう、マリー。今朝はどうしたにゃ?」
「おはよう、ルー。んーと。そのまあ特にってわけじゃあないんだけど。」
「ふうん。あ、ミューヌさん、パンとポタージュをお任せでお願いしますにゃ。」
「はい、少し待ってね。」オーダーをキッチンに通す。
ふと横を見る。
銀髪のミコッテの少女は片肘をついて、右の手のひらにあごを乗せて。
ものすごくニヤニヤした笑みでこっちを見てくる。
「な、なに?ルー?私のオーダーが気になるの?確かに朝からシチューは重いかとは思うけど・・・。」
金髪の少女は何故にミコッテの参謀殿がニヤけているのか把握していない。
「うまくやるにゃ。」
「ふへ!?」
目の前にシチューが出される。
熱いのでしばらく手はつけれないのだが。
その笑顔が気になります。参謀殿。

「ところでファーネちんは、剣術以外だと何が使えるんかにゃ?」
程よい温度になったシチューを「お先に。」と言いながら口に運ぶ少女に。
「ん・・呪術、って言ってた。他は、あつつ・・確か槍と弓。でも・・あち。稽古のたしなみくらいって。でも。呪術は導師クラス、みたいよ。」
「それ、本当かにゃ?」
「さあ?当人がそう言ってるから・・。そうなんじゃ?」
パンとポタージュがカウンターに出される。
「お待たせしたね。ゆっくりしな。」ミューヌは話の腰を折らないように絶妙に持ってくる。
「いただきますにゃ。」
コーンポタージュにパンをひたしながら、「呪術がそのクラスなら、戦略にも幅が出るにゃあ。」
そして。
「しっかり捕まえておくにゃあ。」と。パクリ。
「へ?」
「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃっ!」
ミコッテは総じて熱い食べ物は苦手らしい。この噂はあるいは本当かもしれないと思うマルグリット。
「ルー、大丈夫?」
「う、うにゃ!」
銀髪の少女は頬を赤くして、いまさらながらにポタージュをふぅふぅ、と冷ましながらパンを浸している。
「で、まあ私も幻術がイマイチすぎるから。」シチューをはくり、と一口。
「にゃるほど。幻術のコツはねぇ。周りを観ること、かにゃ。
口で説明は難しいけど、どこにでもいる精霊達をどれだけ認識できるかにゃ。
その声を聴いて、呪を紡ぐにゃ。そして周りを観る、ということはメンバーも当然観えるから、場に合った呪を選択していくにゃ。」
「ほほう。さすがです。先輩。」横を見る。
ミコッテの少女は、はふーはふー、とポタージュに浸したパンを恐る恐る口に入れる前だった。

朝食を終え、待ち合わせのキャンプに向かう。
「そういえば。」
ふわふわした金髪を森の風に煽られながら。
ルーの私服、すごくかわいかったな・・・。
私ももうちょっと頑張らなければ。
冒険、というか戦闘というか。どうにも性能重視だし、オシャレについては散々いわれてしまったし。
少なくとも男性の前では気を使わなければ・・。
「まあ、術士だし、ローブでいっか。」


このあたりが彼女の残念なところではある。


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ラーメンや味噌汁に氷を入れる(自宅で)のは自分だけでいい。
あ、にゃー。
Marth Lowell (Durandal) 2013年02月15日 16:53

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いつも読み逃げで【ごめんなさい】w
まゆりさんの読み物はちょっとした休み時間の楽しみになってます。
Mansaku Tokiwa (Hyperion) 2013年02月16日 12:21

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>マルスさんwwwww
あたしは猫舌じゃないから、その心境は分かりかねますwww
気合で食べてみては?www
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年02月16日 13:47

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>まんさくさん、いらっしゃい♪
いつも、ってwありがとうございます。
今回ノンビリしたお話なので、執筆もノンビリしちゃいますー。
ということで~よろしくですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年02月16日 13:50

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