木々の隙間にあるような小さな屋台。
その屋台で夜、一人のミコッテの少女が。
「ふんふ～ん。」と鼻歌まじりで根菜や肉を薄味で煮込んだ夜食を摂っていた。
そしてリングにはめ込んだパールをながめつつ。
「大将！ライスワイン、もう一杯！」
などと。
グリダニアを根城にしている情報屋ショコラ。
彼女は特にこういった隠れたグルメを探し出すのを趣味としている。
そこに。
（こら！ショコラ!お前、今メシ食ってるだろ！）とパールからの伝心。
上司であるところの銀髪の青年から叱責が。
（あ、キーさんも食べにきます？）もちろんそんなつもりは毛頭無い。こういうものは一人ジメして楽しむものである。
（お前な。いまだかつてマトモに俺にメシなんぞ誘ったことないだろうが。
苦し紛れに言い訳しやがって。 まあ、いい。で、「網」にはかかったのか？）
（んー、今のところは、わっちの「網」だけかな。ベッキィの方は掴めて無いみたい。）
（まあ、上出来だ。フネラーレに急行してもらってるけど・・。）
（ところでキーさん？）
（どうした？）
（確かこの依頼って、対象の保護なんだよね？）
（表向きは、な。）
（あ、やっぱり。）
ふむ。ショコラはなんとなく、そうじゃないかとは思っていた。
疑問が確証になった、と思えたのは今「被保護者ファーネ」なる人物と行動を共にしているメンバーが、
どうにも誘拐や危害を加えるとは思えなかったから。
ということは、すでに保護されているはずだ。それが逃げている。
こちらは当初、賊から救出するためにフネラーレやベッキィといった直接的な戦力を使いながら探していたのだが。
ここにもイヤな関係を連想させる。実家あたりだとそういうのは無かったが。
いや、あるいは悟られまいと兄やベッキィあたりが暗躍していたかもしれないが。
（・・い！ おい！聞いてるのか？ショコラッ！）
思索に耽りすぎて聞き逃していたのかもしれない。ライスワインを一口。ぐい。
（にゃ？）
（いいか？この問題はデリケートだ。あとついでに、もう一人「保護対象」にされている人物がいる。）
ほへ？
（聞こえたぞ？何が、ほへ？ だ。そしてどうにもこちらがやっかいでな。保護ではなく、殺害だそうだ。）
（両方いっしょじゃないですかあ。どっちも殺すんでしょお？）
（まあ、そう言う事になる。対象の名前はヴァッペン。ファーネの弟だそうだ。一つ違いらしいが、よく似た顔立ちらしい。）
（じゃあ、一緒にフネラーレに任せちゃえばあ？）
（さらりと恐ろしい事をいうようになったな。）
（そんなこ・・あ！）
「お嬢、新しい情報ですぜ。」屋台の大将。
「どうしたの？」もぐもぐと料理は食べながら、しっかりと話は聞く。
「耳が言うには、フネラーレさんが対象と接触したみたいです。ナインアイビー方面に向かいそう、だそうで。」
「ふにゃ。」急いで大きい野菜を頬張ったせいでヤケドしかけ（猫舌なのだ。）
（キーさあん。フネラーレが見つけはっへ。）
「それと。もう一人もリムサにいると、目が言ってやす。」
「そっひはほっほこうよぉ。」あふ・・あふ・・おみすおみす・・。ライスワインを飲むがこちらも温めてあるので・・。あふひ・・・。
「わかりやした。目だけ付けておきやす。」
「ん。よほひふ。」
彼女の「網」は優秀だ。
さてと、こうなるともう自分の仕事はほぼ終わり、ということになる。
後はフネラーレが向うのメンバーを皆殺しにするなり、何なりでカタはつく。
が。
腑に落ちない。どうも。
（キーさああん！）
（あ？今さっきフネラーレと伝心したんだが、アイツ暴走してやがる。）
（へ？）
（好敵手を見つけたんだそうだ。そしてソコで伝心に出なくなっちまった。）
（はぁ！？キーさん、バカですかぁ？）
目頭を押さえながら。ショコラは上司の無能さに頭が痛い。
ちゃんと抑えておくのが仕事でしょぉ！
（ショコラ！おまっ！）
（いいですよお、フネラーレにはわっちから連絡しますからあ。そんなコトよりですねえ。キーさん？）
（あ？）
（今回の依頼、オカシクないですかぁ？）
（そうか？ただの御家騒動だろ？）
（ソコでわっち達の役割ってなんですかあ？）
（そりゃ、お前・・。そうか。そういうことか。）
（うん、「御家騒動の殺害担当としてスケープゴートに」されたんですよお。）
（たまらんな。神勇隊の面子に泥を塗るための犠牲ってワケか。こりゃ早期撤退させるべきだろう。フネラーレにはよろしく頼む。）
（あいにゃ。）はぁ・・フネラーレ、頭に血が昇ると言う事聞いてくれないからなぁ。ベッキィほど極端でもないが、その分制御が難しい・・。
（フネラーレ？）（今、忙しいンだ。コイツぶっ殺してから話を聞ク。）
やっぱり・・・。溜め息。そろそろ明け方だが。
「大将、ライスワイン、もう一杯。」
ショコラの仕事もそれほど楽ではないのだ。
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もうあれだ一升瓶で注文しれw
Bob Dalus (Hyperion) 2013年01月31日 15:37
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>ぼびー、さすがにそれは女子には厳しいｗ
あたしは３合あたりが限界だねーｗ
記憶とぶｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年02月01日 04:38