453書き物。それからの後。7

森の国。精霊の宿る都市。グランドカンパニー「双蛇党」のカリスマ、カヌ・エ・センナがおわす地。

グリダニア。

どんなに理由をつけようが、暗部と言うものは大きくなればなるほど。
比例して大きくなるものだ。
大樹の陰のように。
その光を遮って。

「ベッキィ?僕の段取りはショコラから聞いてるト思うけド、今のところ目標はいないネ。」
黒髪の美少女はパールで再確認のための返事をした。
「はい。ですがお嬢様の「網」によれば間違いなくそちらに向かうハズなのですが・・。ワタクシの「網」は引っかかりませんね。」
銀髪、漆黒のエレゼンの女性。先ほど「目標」であるところの一人を撃破したのだが、止めには至っていない。
我ながら生ぬるいことだと反省はしているが、さすがに街中で死体の量産は避けたい。

「ま、しょうがないサ。っと。」
金色に光る瞳に目標が映る。「見つけタ。」
「はい。ご健闘を。ワタクシもすぐに駆けつけます。」
「でサ。目標って6人も居タ?」見知らない人影もいる。そして見知った人影も。
「いえ。4人と対象の合わせて5人のハズですが・・?」
「チ、魔道士が二人いやがル。報告と違うじゃねェか。」
舌打ちの後に「ターゲット」を確認する。黒髪のミコッテ。
「わかりました。すぐに向かいます。それまでお待ちを。」
「ベッキィ、コレはアレだろ。お前、ルガディンを仕留めたって話だガ、コイツだろ・・。」
「それは・・。確認の要あり、ですね。」
「ああ、頼むゼ?まったく・・。」
黒髪の美少女はその容姿に反して恐ろしくクチが悪い。

「おっと、いいですか?」
パールを通して銀髪の青年が声をかけてくる。伝心、なので「声」は出ないが。
「どうしタんだヨ?」
「いえ、実はその目標はデコイ(囮)の可能性が出てきました。」
「意味がわかりません。キーファー氏。まとめて叩き潰せば済む話では?」
「ベッキィ、このボンクラの話はボンクラすぎるがショコラの情報が元だからナ。「網」にかかったのはコッチかもだぜ?」
苦いニュアンス。キーファーとコンビを組んでそれなりの付き合いだ。どうにもキナ臭い。
「お嬢様の情報でしたら、間違いは無かろうかと思われます。待機します。」
「アァ、そっちはそっちで動向を頼ム。」
「心得ました。」

さてと。ココで問題なのはこの「目標」の始末。
本当にそうであれば、「眼」に見られたのだ。逃げられはしない。
ついでに言えば、今この瞬間に矢を撃ち込めばそれで終わる、楽なビジネスだ。
だが。
欺瞞。
もしデコイであれば、要らないリスクだけ背負うことになる。神勇隊自体が。
そしてそれは、ショウもないお家騒動のつまらない片棒を担いでさらに、貧乏クジを引かされた事になる。

「どうしようかナ?」木々に紛れ込みながら、ひとりごちる。




「皆さん、お怪我とかありませんか?」
黒髪のミコッテの女性は、ついさっき「怪我」の最大級の治癒をしたところだが。
「はい、大丈夫です。」皆を代表し、黒髪の青年が言う。
「いやあ、なかなかスリルがあるね。ところでこの先だけど。」
こげ茶色の髪の青年、ファーネはどうしたものか?と肩をすくめている。
「そうねえ・・。ルー、この先って?」ふわふわした金髪の少女。
先にこの青年と逃走劇を披露する事になったのだが。
「えっとね、このまま次のキャンプまで走るのにゃ。」
銀髪のミコッテの白魔道士。
「それって、ナインアイビーだよな?」と先ほどの負傷から回復したルガディンの青年。
「そうにゃ。」
「でもそれって大丈夫なの?」金髪の少女マリーは不安げだが。
「大丈夫さ。ルーは今までヘタを打ったことが無い。それにマルスさんも居る事だし。そのままのプランで行こう。」
「それほどお役に立てるかどうか。でもやるからには。」黒髪のミコッテ、マルス。
「期待していますよ。」リーダーの青年がにっこり。
「そしてですね。今、ヤバイですよ?」と。
「む!」
「見渡したりしないでください。歓談してるように。今、おそらく敵に見られています。」マルスはニコニコと笑いながら危機を伝える。
「マジでかっ!」
「声でかいっ!グリュック!」
「ルーの方がでかいだろっ!」
「お前らなあ・・。」ベルは仕方ない、というふうに。
クスクスと笑うマリーとファーネ。
「それと・・。」
黒髪のミコッテは、腰に手をやり。
杖が収まっていたはずの場所から剣を引き抜き。
抜刀一閃。

ぽとり。

矢が半分に切られて落ちる。細身の剣だが異様に赤黒い。そしてよく見れば無骨な装飾も見て取れる。
「蛮神の剣」炎の化身とされる異貌の神イフリート。その角から削り出されたと噂される、伝説級の武器。
「行きますよ。しばらくは私が防ぎます。」


ヒュウ♪

軽く口笛を吹きながら。
黒髪の美少女は挨拶代わりに放った矢が、あっさりと打払われた事に感嘆と。

フネラーレの名に懸けて、コイツだけは殺してやる、と決めた。
「いやがったナ、プロフェッサー(教授)しかも本当に居たとはネ。」
楽しくなってきた。こんな楽しい事を悪運なんかにもって行かれたくはない。
もう依頼だの仕事だのはどうでもいい。
愉しませてもらわないと。


----------コメント----------

蛮神武器はイフ弓とイフ槍しか持っていないんですが・・・、
実は、鯖再起動後にイフ剣、出たんですよねぇ。
読んでて「ドキッ」ってなったw
Marth Lowell (Durandal) 2013年01月30日 09:54

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>マルスさん、いらっしゃい♪
なかなかの活躍をさせてもらっていますw武器その他は、あたしの勝手な設定でしたがw剣、出せてよかったですw
よろしければ「ふたつ名」を考えておいてくださいwでないと勝手につけちゃいますよw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年01月31日 00:19

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ふ、ふたつ名、ですか・・・、難しいですねぇ。
実際はギャザ専の非戦闘員ですからねー、
一応「アリティア産業株式会社 代表取締役社長」ですけど・・・。
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/group/top?gcid=2231017
まぁ、まゆりさんにお任せしますよw(中二は大好きですw)
Marth Lowell (Durandal) 2013年01月31日 09:12

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>マルスさん、りょーかいですw
痛い名前、考えておきますw
どうしようかしら?w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年01月31日 09:19

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返信早w

追記
うちの社員(サブキャラ)も使って良いですよw
一応、治癒術(白)護身術(モ)護衛術(ナ)は鍛えて(Lv50)あるのでw
死なない程度ならおkw
Marth Lowell (Durandal) 2013年01月31日 09:37

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>マルスさん、たまたまw
サブキャラのお名前とかも、と言いたいけど今回は登場人数が多いので、次回かも。
せっかくですので、出演してもらいたいんですがw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年02月01日 04:40

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