433書き物。自己紹介?3

さあて、次なるは・・・。
三叉路に差し掛かり、細い道を選ぶ。このあたりは少し入り組んでいて、初めての者には少々不便だが・・。
やがて突き当たりにさしかかり、泉と大き目の建物が見える。
「鬼哭隊屯所」もしくは「槍術士ギルド」
建物に入り、受付嬢に「隊長はおられますか?」「はい、執務室に。お呼びいたしましょうか?」
「ええ、お願い。」「あ、じゃあ少しお待ちください。あ、お名前は?」「まゆり、です」

待つことしばし。
栗色の髪の女性がやって来る。上背はないが威風たっぷり。
「これは、誰かと思えばまゆりさん。いきなりどうしたんです?」と仮面を外しながら。
「んーとね、ちょこっとインタビューをしてまして。あちこちウロついてます。」
「なるほど。まあ、こんなとこでもなんですし部屋のなかへ。息子達も呼びますから。」
「あ、どうも。」
執務室は質素なものだが、来賓用にソファもある。「まあどうぞ。」
座りながら「では、さっそく。お名前からどうぞ。」
「え。そこからなの?・・スウェシーナ・ケルン、です。今は鬼哭隊の隊長で、息子が一人と、嫁がいます。」
「ふむ、お年のほうは?」「え”い、言うんですか?」「レティさんは言いましたよ。」
「む。あのバカ・・。レティより一つ下の34です・・。恥ずかしいなあもう・・。」「まだまだこれからですよ。」
「さて、クラスやスキルはどんな感じでしょう?」
「もちろん槍が50ね。それと弓も。あと幻術がもう少しで40に届くかしらね。
残りの戦闘スキルは大体30~35あたり。呪術だけ未修得というか練習してないわ。
ジョブは竜と吟遊詩人ね。っと、そろそろか。」

コンコン。「どうぞ。」
ノックの後に男女が。
一人は茶色の髪で、どこか線の細い少年、といってもいい年頃だろうか。
もう一人は、オレンジの髪で、活発そうな瞳のミコッテの少女。
「母さん、呼びました?」と少年に、「ここでは隊長と呼べ。」と、凛々しい顔に戻る。
「は、失礼しました。隊長!」びし、と敬礼。すこし「ビシッ」といかないあたりがこの少年の「味」なのだろうか。
ミコッテの少女は最初から不動に近い敬礼をしてたのだが。そして、横の少年の太股あたりを見えないようにツネっている。

「まあまあ。そう固くならずに。ちょっとインタビューに来ただけだし。」と軽くしようと声をかける。
「はい、ご無沙汰してます、ネルケです。」「シャン・ズィッティヒです。」
「そういえばお二人は新婚でしたねー、その後どう?」
ミコッテの少女、シャンは頬を赤らめて夫を見ている。
「どう、と言われましても・・・・。」
「ネルケは未だにお寝坊さんなのにゃ。3日に一度はあたいが起こさないとにゃ。」
「う・・・先輩だって、たまに寝坊してるのに・・。」
ここでミコッテの視線が怒りモードに。
「まーだそう呼ぶのかにゃ?」尻尾が完全に逆立っている。
「あ、いや、違うんだシャン、落ち着いて、ね?」
「後で模擬戦3試合にゃ。一本とれなかったらご飯抜きにゃ。」つーん。
「ひえぇ・・。」
「まあ、まあ」なだめながら。「そういえば年は同じなんだよね、どうして先輩?」
「あ、それはで・・・。痛っ」爪先を踏みながら
「それはですにゃ、あたいの方が先にこのギルドに入門して、鬼哭隊に入ったからですにゃ。」なるほど。
「今年でおいくつ?」
「18にゃ。ネルケは誕生日違いでもうすぐ19にゃ。」
「じゃあ、ネルケ君どうして遅めの入隊だったのかしら?」
「あ、それはですね。」
涙目で「ギルドに入った日が少し遅め・・・シャンより数日かな。それと習熟が遅かったから・・。隊に入れたのが次の年だったんです。」
「まったく、情けない・・・。」と隊長。
「あ、でも隊長!」とシャン。
「なあに?」と優しげな顔。嫁姑はうまくいっていそうだ。
「ネルケも、ここぞってときはスゴイのにゃ。あたいはそこに惚れたのにゃ。」
オレンジ色の尻尾がピコピコと揺れている。
「・・・・。」言葉が出ない夫。ダメだろ?
「まあ、シャンがしっかりしてるから、安心して息子を任せられるんだけどね。」
「ところで、お二人の腕前のほうは?」
「あ、ぼくが槍40で、シャンが43の認定を受けています。
それ以外だと、ぼくは弓が20と、剣が30、幻術が20ですね。あとはつまみぐい程度ってところですか。」
「あたいは、さっきいわれたとおり槍43認定の、幻術が38、弓が40、剣とか斧とかはほとんどですにゃ。」
「なるほど。そういえば三人とも槍以外で弓も高いんですね。やっぱり?」
「一人をのぞいて、それなりに技術はありますね。神勇隊との交流もありますので、親善試合とか、いろいろ。
うちの隊ではシャンはかなり優秀な子で、試合でもいつも上位に入るんですよ。」 照れているミコッテの少女・・。
(お母様ったら・・・。)と聞こえないようにぼそり。
「あ、そういえば。やっぱりグリダニアだと信仰はノフィカ様です?」
「そうね、ケルン家では。シャンはオシュオン様だったかな?」
「はいにゃ。霊3(6)月生まれですのにゃ。それで。」
「なるほどー。まあ信仰の自由もありますしね。では、そろそろお暇しまーす。ご協力、感謝!!またね、スゥ。」手を振り出て行く。

いい家族だなあ。っと。スゥの旦那さん、どこいってたっけ。また辺境のキャンプかしら?お気の毒・・・。

グリダニアにはメンバー多いから、あっちこっちね。
お次は・・。

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