413書き物。Save a prayer (祈りを守って。)

「ねえ!シャン。起きてる?」

ブルーグレイの髪の少女マユは、親友でもあるミコッテと、腐れ縁の少年のカップルの部屋のドアをノックした。

生粋のグリダニア生まれのこの二人は朝が遅い。
日の出が木々に阻まれて、朝日が遅い、というのが理由らしい。
ついでに暢気な気質も多い。
まあ、二人は鬼哭隊という自警部隊にも居たから、こういう時に反応の早さを見せるだろう。と。


カーライン・カフェ。その2階にある宿で、二組のカップル、というか、夫婦は昨日のパーティのあと、宿泊していて。
そして、マユの夫のウルラと、シャン、ネルケの4人で、小旅行に行こうと計画したのだ。
そして、予定の時間になり、用意をしてもウンともスンとも言ってこない。
そうして部屋のノックに至る。

コンコン。

もう4,5回目のノックと、夫のやれやれ、という顔。
「もう、あたし達だけで行っちゃう?」
「まあ、それほど急ぐ旅じゃないし、いいんじゃないかな?」
「もう・・。」頬を膨らます少女。

そこに。

「ま、待ってにゃあああ!今、今、服を着てるのにゃあああ!!!」と。
あ。

シャン。

嗚呼。
ネルケよ、お前ちゃんとできたのか?
心の中で案ずるウルラ。

「あ、シャン!早くはやく!」と。マユ
「ゴメンにゃあああ!」と切迫した声。
「いいよ。下のカフェで待ってるから。ゆっくり準備しておいで。」
ウルラはそう言うと、マユを連れ立って階段に向かう。

「ちーこーくー。」とマユは言うが。
「こういう時は、大目にみないと。君だって最初のときは朝、動けなかっただろう?」
「ぐ・・・。いわないで・・・。」顔が真っ赤になる。
二人でモーニングのパンと茶を頼んで、ハムも追加する。
ついでにフルーツまで注文した頃に、二人は降りてきた。

「おっはよー!」マユの元気な声に二人は。
「おはにゃー!」「おはよう。」
「それではですねえ。本日はめでたい4人で、リムサ・ロミンサから、うちの実家までの小旅行を実行したいと思います。
で、あたし達はもう軽く食事済んじゃったし、二人も何か食べたら?」
「そうするにゃー。ネルケ、何がいいかにゃ?あたいはフルーツの盛り合わせかにゃ。」
「そうだね。んー。パンとスープにするよ。シャンはそれでだいじょうぶ?」

おお。ちゃんと名前で呼び合っているではないかネルケ。頑張った。よく頑張った。
少し成長を見た気がする。
鬼哭隊の先輩、後輩の間柄ゆえ、常にシャンの事は「先輩」だったのだが。
まあ、あそこ鬼の名が付くくらいで、上下関係はソレこそ鬼と下僕だったらしいが。

一向は食事を終え、バイルブランド島、ラノシア地方の都市、リムサ・ロミンサへ。

この街にはシャンは行った事がないゆえ、テレポで移動。
「じゃあ、行こうか。」
ブルーグレイの髪の少女は元気に言う。
「うん。」「あいにゃ。」「よろしく。」
淡い、蒼い光に包まれていく。





「なあ、おい。」
「なに?」
「お前ももうすぐババアだな。」
「は?」
「子供に子供作られたら、世間的にもそうなるだろ?」
「な!」
「でもまあ、異種族間での、いわゆるハーフってのはほとんど無いらしいけどな。」
「え!」
「どっちかになるらしい。あと、やっぱり子供は出来にくいんだと。」
「そ、そんな。」
「導師連中は一応そんなコトを抜かしてやがる。」
「瞑想窟の?」
「ああ。」
「そう・・。でも。あなたの娘夫婦は同じヒューランだし、すぐにババアになるのはあなたじゃないの?」と勝ち誇る。
「孫をこの手に抱いて勝ち誇る、ってのも、いい話じゃないか。婚儀もあたしの方が早かったしな。」
「あ、それは・・。うらやましいかも・・。」
「まあ、なんだ。どうなるにせよ、幸せ満喫なヤツどもに、さらに幸せを祈ってやろうじゃないか。」
「そうね。」

グレイの髪の美女、レティシア。
栗色の髪の凜とした女性、スウェシーナ。


二人は、カフェでもらったワイングラスを持って外に出て。

赤い異形の月を見る。

乾杯。


「久しぶりにヤル気がでてきたわ。」
「レティ。わたしだってその気よ?」


----------コメント----------

レティがおっさん化しているのは気のせいだろうかw
Jonathan Jones (Masamune) 2012年11月17日 14:20

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>ジョジョさん、気のせいですw
基本的にアノ人はムチャクチャなうえに、オッサンですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月18日 01:09

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save a prayerって歌ありますが(DuranDuranの)何かのイディオムかと思ってたら、直訳でよかったんですね。『祈りを守って』ね。
すみません。書き物の方は読んでません…
Jouram Monde (Sargatanas) 2012年11月19日 00:26

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>ジョーラムさん、いらはいw
はい、DuranDuranの曲ですw
タイトルにあわせて、お話のテーマなんかを決めてますゆえ、どうぞご覧あそばせw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月19日 02:12

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この回はとても短いですね。ショート・ショート?
あまり小説には造詣が深いといえないのでなんともいえませんが、
今度、FF14ではないものを題材にした短編読みたいです。
感想ですがジョジョさんとあまり変わりませんね。
Jouram Monde (Sargatanas) 2012年11月19日 07:12

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>ジョーラムさん、いらっしゃいv
この回は、座談会の前のお話のラストエピソードなのでw
レティがオッサンくさくなったのは、娘の結婚で肩の荷が下りて地がでたということで、イジワルさが増してますw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月19日 23:34

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FF14以外ですかあ。
設定を練らないと難しいですねw
FFは設定がある程度できていますからね。
キャラ設定だけでも今までいけてるんですwww
でもまあ、確かにトライしてみたいですね。
がんばってみます!
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月20日 03:51

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FF14以外で短編を書くと、それは編集社とかよくその手の業界はわからないけど、そっちの方に完成した短編もってったほうが良いとも思います。
応援してます。がんばってください。
Jouram Monde (Sargatanas) 2012年11月21日 15:14

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>ジョーラムさん。どもw
そこまで書き物に、というか、副業できるほど大したモノではないのでw
趣味の範疇を越えてませんw前にも誘われましたが、お断りしちゃいました。あははw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月21日 23:46

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好きなことを職業にできると、その仕事へのエネルギーの源になると僕は思うんですが。僕個人はそう思ってます。火事場のクソ力的なものですねw
別に副業で小説書いたほうがいいんじゃないかと強制してませんよw
Jouram Monde (Sargatanas) 2012年11月23日 07:12

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>ジョーラムさん、はい。
誘われたのは別の方ですよw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月23日 07:30

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