386書き物。いろいろな事情のおお7。

うーん。

うーんん・・・。

ふわふわした金髪をまとめる、真っ赤なカチューシャに手をあて、思い悩んでいた。

何色がいいだろう?

もうあと少しに迫った、兄と親友と呼べる少女の婚礼の式。
当然だが、普段着なんてありえない。
ドレスの一着も、なんとか見繕いたいところだ。
マリー、ことマルグリットの悶絶めいた思考がどうにもとまらない。

思考の少し先、いや、もしかすれば大きくなるかもしれない予感はさておいて・・。

「どうしよう・・・。」
と、そこに。
「マリー、こういうのにしたにゃー。」
と、あっさりとドレスを決めたPTメンバー、ルー。
ミコッテの彼女は、正直なところ何を着ても似合う。反則だ。
男性陣はもうあっさりと決めてしまい(リーダー、ベルは鬼哭隊の制服、グリュックは普段よりも少し上等な取って置きの装備だ)あらためて、ルーを見る。
かなりタイトな、草色のドレスだ。体のラインもしっかりでるから同性の自分から見てもかなり女性らしい、というか、色っぽい。

むう。

これはどうしようか?
傍らでは、ミコッテの少女が清算を済ませてしまっている。

正直、財布の中身が気になるところだが、最近の狩りのおかげでなんとかなりそうだ。
いっそ・・。

「ねぇ、ルー?」
「ん?どしたんの?」
「いきなりその色で、買うって?」
「あたしは、その時、その場の感覚なのだにゃ。」
「なるほど・・。」
「優柔不断、だなあ、私。」がっくり。
「いいんじゃないかにゃ?選ぶ楽しさもあるしさー。」
「そっか・・。」


そうなってくると・・・。

気になるのが・・。


リーダー、ベル。ことシュナーベル。
かの黒髪の青年は、なんとなく気になる。
親友が結婚したり(それも兄とだ)
なんとなく周りもそういう動き、というか、年頃ではある。
そろそろ自分も相手を見つけないと・・。
そんな思考の中、声が。

「これ、どう?」
と、銀色っぽい光沢の、少し胸元の開いたドレスを持ってくる。
「ルー、これ、派手すぎない?」
「そうかにゃ?」
「うーん・・・。」
自身の胸元を見て、少し自信が持てない。
「大丈夫、マリーの胸のサイズならこのくらい、いけるにゃ。」とにこやかに勧めてくる。
試しに、試着を・・。

「うーむ。」
案外大丈夫だなあ、と鏡を見つめる。
後は値段だ。


「おーう、似合うにゃ。ナイスチョイスだにゃ、あたしは!」と拍手すらする。
む・・・。
ソコまで言われれば悪い気はしないが・・・。お値段・・・。

が、意外と安い。

「そこがあたしの目の付け所なのだよにゃ。」とルーが言ってくる。
見透かされて、少し頬が赤くなる。


ようし。せっかくの一生一大のセレモニー、奮発しようじゃないか。
「コレ、ください。」

「よーし、明日の式に向けて、前いわいにゃー!」と叫ぶミコッテ。
「はしゃぎすぎて今日のうちに倒れないでね?」
「だーいじょうぶにゃん。」
「ならいいけど。」


そして男性陣と合流し、今日の宴会の時間を決め、各自部屋に向かう。

部屋につき、ドレスに目を向け・・・。
「お兄ちゃん、ホントに結婚しちゃうんだから・・。びっくりだよ。」
まだ陽は高い。少しの間、横になろうと寝台に。時間になればベルからのパールの伝心があるだろう。それを待ちながら、横になる。

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