365書き物。It's a Sin(その罪)

深夜。

深い夜の闇。

森林の街。そのさらに暗部。

グリダニアの暗部。


「チ。」
同じく夜の闇のを映すかのような、黒髪の少女。
黒いチュニックに、大きな弓。

「こノ上か・・。」
少しインパクトのある発音の彼女は、見た目は誰もが振り返るであろう容貌と。
「残らズぶっ殺してやル。」
このクチの悪さのギャップ。


ある悪党、妙な薬品で商売をしている連中を始末する事になった彼女は、
実際にソレを飲んでみて、コレはダメだと感じた。最終的には精神が崩壊するレベルの薬。
しかも、常習性が強いとかなんとか。
コンな物、売り飛ばしてる連中を始末する。
それが、少女の「仕事」だ。
神勇隊のイレギュラーメンバー、フネラーレ。葬儀屋とも呼ばれる。



「さテ。」
少女は長い黒髪を揺らしつつ、一軒家の捜索にかかる。
(窓から見えたところでは、3人。でも、階下に二人いた・・。
もっと居るかもしれないナ。上に最低二人・・。さテ。)
音を極力立てないように、二人殺害したのだが、
リアクションがあったほうがいいのか、ないほうがいいのか、少し考える。
出てきたのを撃ち殺す方が早いか、狙撃していくほうが早いか、の違いだが。
この家の大きさからして、数十人ということはありえない。
だが、闖入者が来れば、それなりにまとまって来るだろう。
一通りの作戦は考えてきたが、大前提として敵の数が違う。
最初は・・・一人。とかいわれていたのだが。
すでに、目撃だけで3人。実際には4人は居る勘定になる。
もうちょっと矢の数を惜しまなければ・・・。
ハリネズミにした男だが・・・・・。もう10本くらいは必要だったかもしれない。


取り留めのないほうに考えが行くのを一度ゼロにもどし。
この間取りだと、もう一人くらい居そうだナ・・。

玄関から、リビングへ。誰も居ない。おそらくもう一部屋。ダイニングキッチンというところか。
ドアに耳をそばだてる。

ふぁああーーあ。

マヌケな男の声。

ドアをノックする。なんだ?と男の声と共に男がノブに手をかけ、ガチャっと音がする

がすっ。

ドア越しに矢が男の頭を射抜く。

ぶら~ん、とドアに吊るされた男は、そのままドアを開ける。

「な!」
まだ居たか・・。
ひゅん。
細い矢が男の頭を突き抜く。
「あ・・。」
「いいかイ?ちょっと質問だ。」
「あ・・・。」
「頭のサ。ココ」と手でつんつんと自分の頭で示す。
「あ・・。」
「死なないんだよネ。」
「あftnyds」
「ココ、何人いるンだ?」
「あ・・・・。」
「あー、もう喋れないカ・・。死んじゃったほうがマシだったかナ?ま、いっか。」
部屋はもうココしかない。

二階に向かう。


階段をあがり・・・。
どうしたものか・・。
とりあえず、ドアに耳をあてる。外から見たところ、この部屋に女達と男が最低二人居る。
下の襲撃には気づいていない。
暢気な、下衆な会話くらいだ。
ここは・・。

「あのー・・。すみませン。」とノックする。

お、新入りか?と、馬鹿な反応。

ドアが開く。
矢が突き刺さる。
矢で頭を射抜かれた男はそのまま立ち尽くしている。
もう一人の男は何が起きたかわからず、そのまま立っている。

「お前ラの罪を清算しに来てやったンだよ。いいからそこに立ってろヨ。」

「な、なんだ!お前!」男はそれが言い出せる精一杯か。
「棺桶、用意しておいたカ?」
「はぁ?」
「あのサ。この2階はあんたラ二人だけかナ?」
「ああ?」
「それで、ここに居るだけデみんなかナ?」
「はぁ?」
黒髪の美少女からの言葉についていけない。
「しょうがないナ。いいかイ?こいつ。」
先ほどドアのところで頭を射抜かれた男。まだ息がある。
てっきり死んだものと思っていた男は、相棒のその様に声もない。
「このあたりだと、死なないんダ。」ともう一本。
「な!」
頭に矢を二本も射抜かれながら、あ・・。あああ・・・。と男がうめいている。
「どうすル?答える?答えなイ?」
少女が弓を構えつつ、聞いてくる。
「し、下のやつらも殺した、っていうのなら、オレが最後だ。お願いだ!助けてくれ!なんでも言う事を聞く!」
「じゃあ死ネ。」

とん。

眉間に矢が入り、声もなく倒れる。



周りの女たちは薬のせいか、意識も朦朧としているようだ。

「コレはあいつらに任せるか・・・。」


家を出て、家路につく。

フルーツか・・何かラ食べようかなあ・・。うーン・・・・。

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ