362書き物。I'm not scared(僕は恐れない)

暗い森。

黒衣森。

夜になり、さらに「黒」が増していく。

その中を歩く少女は、白と黒。

「あーあ。デジョンすれば楽だったかナ。」

長い黒髪と、白磁を思わせる白い肌。
そして、今回は任務用に白いチュニックを着ている。

どうにも落ち着かないが、しょうがない。

目の前に、数人の男達。

「へへへ・・・。」

どうしたいのかは分かるが・・・。



どうなるか、までは分かっていないらしい。


「ナ?」

「お嬢ちゃん。ウチの大将をドコにやった?」
「言うコト聞かないとお仕置きされちゃうぜ。」
「聞いてもするけどなあ。」


バカか。コイツラ。

しかし・・。

デジョンしなくてよかったかも。
ぞろぞろと。
後始末としては手っ取り早かったのかもしれない。

どういう対応をしたものか。

「その・・。ナンでしょう?」

「白い服の黒髪の女が、ウチのと森に行った、って聞いてるんだよ。その後、大将も。」

「そうなンだ?」

「お前しかいねえだろ?」
「言わないてのなら、しょうがない。言えるようにしてやるさ。」


「1・2.3.4.5.。。。6か。」


「何数えてやがる?」


「後ろに隠れてル人数。」


「何!?」

「ソッチから落すカ。」

「何?」3人の男たちは動揺する。

背から弓を取り出すと、一瞬のうちに。


ぎゃあああああ!と。

「まず3人。」

「は?」

う、うわああ・・・あ。ぎゃ。

更なる狙撃。

「ヨシ。後ろの6人は全滅だヨ?どうする?」
黒髪の少女は髪を揺らしながら。


金色の光をさらして言う。

「な!なんだ!その眼!」

「裏業界のクセに僕の事知らないンだ。お気の毒。」

「な!」
「ひとつ、聞いてもイイかナ?」
「な。・・、なんだ?」
「棺桶は用意してあるかイ?」

「は?」矢が眉間に刺さる。

残りは二人。

「う、うわああああ!」
逃げるが。

とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。

「あ・・。」「ああああああああああ・・・・。」

二人の両手両脚に次々と矢が刺さっていく。

「逃げなけりゃア、一撃で逝けたのにネ。痛い思いさせてゴメンね。」

動けない二人の前に。

「お、お前、なんだ!?なんなんだよっ!」
「僕?聞いてどうするのかナ?」
「くそったれっ!」
「そんなコトよりもネ。もうお仲間は居ないのかナ?ここ重要なンだ。」
「い・・言えるかこの野郎。」
「そウ?ちなみに女の子捕まえて、野郎はどうかと思うンだ。」
矢がもう一人の側頭部に突き刺さる。
「楽に逝きたいなら、ちゃんと話さないとダメだヨ?」
にっこり笑う。
矢が男の耳にピアスを作る。
「お前・・・・、なんなんだよ・・・。」悲鳴のあとに。

「しょうがないナ。あらためまして自己紹介。僕は、フネラーレ。」


「あ・・・。まさか・・・こんな女が・・?」
「男でなくて、残念だったネ。で、お話の続きをしようか。」








一軒家。宿舎だが、本来の宿舎とは離れている、神勇隊の特別区。

「おーい。」と黒髪の少女がマネジメントの青年を呼ぶ。
「はーい・・。」
手には色々なフルーツの入ったバスケットと、トレイにはケーキの類がいろいろ乗っている。
青年、キーファーは、今回の仕事の後に「気に入らなかったら殺す」宣言をされたうえで、スイーツの調達を言われていた。

「足らない。」
少女はにべもない。

「えー!」

「あと、追加で給料ふやセ。」

「何で?」

「あいつら、2,3人とか言いながら、追加で10人くらいやってきたんだ。超過労働だロ?」
「え?」
「あとまだ居るらしいかラ、ソイツを明日刈りにいく。」

「わかりました。お疲れ様です。」
「ヲイ?」
「はい?」
「何ソコでまとめてンだ?ちゃんと払えよ?」


「はい・・。」
青年はうなだれながら退席する・・。

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