暗い森。
黒衣森。
夜になり、さらに「黒」が増していく。
その中を歩く少女は、白と黒。
「あーあ。デジョンすれば楽だったかナ。」
長い黒髪と、白磁を思わせる白い肌。
そして、今回は任務用に白いチュニックを着ている。
どうにも落ち着かないが、しょうがない。
目の前に、数人の男達。
「へへへ・・・。」
どうしたいのかは分かるが・・・。
どうなるか、までは分かっていないらしい。
「ナ?」
「お嬢ちゃん。ウチの大将をドコにやった?」
「言うコト聞かないとお仕置きされちゃうぜ。」
「聞いてもするけどなあ。」
バカか。コイツラ。
しかし・・。
デジョンしなくてよかったかも。
ぞろぞろと。
後始末としては手っ取り早かったのかもしれない。
どういう対応をしたものか。
「その・・。ナンでしょう?」
「白い服の黒髪の女が、ウチのと森に行った、って聞いてるんだよ。その後、大将も。」
「そうなンだ?」
「お前しかいねえだろ?」
「言わないてのなら、しょうがない。言えるようにしてやるさ。」
「1・2.3.4.5.。。。6か。」
「何数えてやがる?」
「後ろに隠れてル人数。」
「何!?」
「ソッチから落すカ。」
「何?」3人の男たちは動揺する。
背から弓を取り出すと、一瞬のうちに。
ぎゃあああああ!と。
「まず3人。」
「は?」
う、うわああ・・・あ。ぎゃ。
更なる狙撃。
「ヨシ。後ろの6人は全滅だヨ?どうする?」
黒髪の少女は髪を揺らしながら。
金色の光をさらして言う。
「な!なんだ!その眼!」
「裏業界のクセに僕の事知らないンだ。お気の毒。」
「な!」
「ひとつ、聞いてもイイかナ?」
「な。・・、なんだ?」
「棺桶は用意してあるかイ?」
「は?」矢が眉間に刺さる。
残りは二人。
「う、うわああああ!」
逃げるが。
とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。とす。
「あ・・。」「ああああああああああ・・・・。」
二人の両手両脚に次々と矢が刺さっていく。
「逃げなけりゃア、一撃で逝けたのにネ。痛い思いさせてゴメンね。」
動けない二人の前に。
「お、お前、なんだ!?なんなんだよっ!」
「僕?聞いてどうするのかナ?」
「くそったれっ!」
「そんなコトよりもネ。もうお仲間は居ないのかナ?ここ重要なンだ。」
「い・・言えるかこの野郎。」
「そウ?ちなみに女の子捕まえて、野郎はどうかと思うンだ。」
矢がもう一人の側頭部に突き刺さる。
「楽に逝きたいなら、ちゃんと話さないとダメだヨ?」
にっこり笑う。
矢が男の耳にピアスを作る。
「お前・・・・、なんなんだよ・・・。」悲鳴のあとに。
「しょうがないナ。あらためまして自己紹介。僕は、フネラーレ。」
「あ・・・。まさか・・・こんな女が・・?」
「男でなくて、残念だったネ。で、お話の続きをしようか。」
一軒家。宿舎だが、本来の宿舎とは離れている、神勇隊の特別区。
「おーい。」と黒髪の少女がマネジメントの青年を呼ぶ。
「はーい・・。」
手には色々なフルーツの入ったバスケットと、トレイにはケーキの類がいろいろ乗っている。
青年、キーファーは、今回の仕事の後に「気に入らなかったら殺す」宣言をされたうえで、スイーツの調達を言われていた。
「足らない。」
少女はにべもない。
「えー!」
「あと、追加で給料ふやセ。」
「何で?」
「あいつら、2,3人とか言いながら、追加で10人くらいやってきたんだ。超過労働だロ?」
「え?」
「あとまだ居るらしいかラ、ソイツを明日刈りにいく。」
「わかりました。お疲れ様です。」
「ヲイ?」
「はい?」
「何ソコでまとめてンだ?ちゃんと払えよ?」
「はい・・。」
青年はうなだれながら退席する・・。