354書き物。少女達の時間の過ごし方7

クルザスの風はやわらかで。

夕陽はおそらく、とても素晴らしいものとなるだろう。



魔物の相手をしていなければ。

「ちょっと!ウルラ!大丈夫!?」
回復術式を使いながら。
ブルーグレイの髪の少女が聞いてくる。

「いてて・・。」
金髪で、クセッ毛の少年は「ありがとう。」と返しながら。

「やすらぎを」
続けて、回復術式を唱えてくる。

ケアルによって、傷らしい傷はないが、殴られれば痛いものは痛い。
「ふう。ありがとう。もう大丈夫。」

少年の声に。
「もう、心配させないでっ!」と少女。


クルザス。

エオルゼアの北方に位置するこの土地は、イシュガルド国のものだが、最近、
帝国が侵攻してきて治安はもとより、ゼーメル要塞の陥落、そしてイシュガルド城の篭城にも似た閉鎖という、少し危険な地帯。
だが、逆にいえば、冒険者には絶好の狩場となりうる。

金髪の少年、ウルラはそういう事もあって、単身ここで修行をしてきたのだが。

ブルーグレイの髪の少女、マユが追いかけてきてしまい。

二人で狩りをすることに。

黒っぽい4足獣が突然襲い掛かってきて、何とか撃退できたのだが。

とりあえず、少女の力量ではとても相手に出来るものが居なくて、杖に持ち替えさえ、回復に専念してもらっているのだが。

眼に涙を溜めた少女が駆け寄ってくる。

「うー・・・・。」と見つめてくる。
「まあまあ。このくらいならなんとかなるさ。」
頭をポンポンとたたき、なだめる。



早めの昼食の後の昼寝で随分と時間を使ってしまった。
至福の時間ではあったが、この先その至福の時間はいつでももたらされる、それを思えば、このくらいは。

しかし・・・。


夕暮れ時になり、赤い陽が落ちようとする中、異様に赤いまがまがしい赤。
「あれは、一体どうなってるんだろうな・・。」
「あ。」
「ああ。ダラガブ、だったか・・・。」
「母さんが言ってたけど、もうすぐ災いが来るかもしれない。って。」
「そうか・・。」
「来ないに越したことはない、とも。」
「まあ、未来の話は分からない。来ても来なくても。だ。」
「・・・そうね。」
「さ。そろそろ夜になる。宿に戻ろうか。」
「はい。」
「じゃあ、あたしがテレポするね。グリダニアでいい?」
「いいよ。」


「てれぽ!グリダニア!」



青い光に包まれ、エーテライトに着く。


「じゃあとりあえずカフェ?」
「あ、おれは一旦、アルフレートさんのところに挨拶に行くよ。かなり留守にしてるからね。」
「あ、じゃあ、あたしも。」
「じゃあ、一緒に行こう。それと。・・」
「ん?」
「その・・・。」
「あ。」
「まあ、その。なんだ。最初に報告するのは、やっぱりマユのお母さんがいいかな?」
「あ・・。」少女の顔が赤くなる。
「とりあえず行こう。」

二人して挨拶に行った後。

「じゃあ、何か食べに行くか。」
「そうだね。お腹減った。」
「マユって、何が好きなのかな?」
「パイ。」
「回答が一瞬だったな・・。」
「そういうウルラは?」
「そうだなあ、ウルダハ風の辛い煮込みかな。まあでも、贅沢は言わないさ。」

スパイスを大量に使い、肉を煮込んだ料理。ライスにかけたりする。
む・・・。つくれるかなあ・・・。
あたしはどっちかと言えば、父さん仕込みのリムサの海産系ならできるけど・・。
がんばって覚えよう・・・。

「ふうん。」と、覚悟がバレないように軽く流すフリをする。
あ。
「でも、どうして?」
「ん?」
「や、ウルラって、あのキャンプで過ごしてたんでしょ?」
「ああ。こっそり抜け出しては、ウルダハに行って色々やってたんだ。モモディさん、って知ってるだろ?」
「あ。あのナマモノ。」
「はは。まあ、お世話になってね。多分、マユとも幾度かはすれ違ってるかもしれないね。
それと、剣闘士ギルドや、呪術士ギルドにもお世話になったよ。」
「すご・・・・。」
「まあ、それでグリダニアの幻術士ギルドに興味があったのさ。」
「なるほどね。」

会話を続けながら歩いていくと、カフェはもう目の前だ。

「まあ、ひょんなことからリムサ・ロミンナ?だっけ?」
「ロミンサ。」
「ああ、そこにも行ったけれどね。」
「え?」
「ああ、この話は食事のときでもいいか。もう目の前だし。立ち話もなんだろう?」
「そうね。」


「いらっしゃいませー!」
赤毛のソバカスの少女、イーリスが出迎えてくれる。





「え!!!!お兄ちゃん!!!!!!」ふわふわした金髪の少女。
テーブルを囲む他の3人がつられてこっちを向く。


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兄妹再開きたーーーー!!!
Sanshi Katsula (Hyperion) 2012年10月03日 10:05

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>三枝師匠、いらっしゃいw
再開なのか、再会なのかw
とりあえずの展開ですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年10月03日 13:49

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五時に誤字に気づいたw
Sanshi Katsula (Hyperion) 2012年10月07日 17:26

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>ダネw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年10月08日 00:09

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