348書き物。少女達の時間の過ごし方3

うららかな午後の日差し。

そして通り過ぎるさわやかな風。

クルザスの海岸線にある岩にもたれる二人。

サンドイッチを昼前に食べ終わり、ミルクを発酵させた飲み物を飲み終えた少女は、
隣に居る少年の肩に頭を預け、眠ってしまった。

「まったく。やることがいつもムチャだなあ・・。」

少女を見やる。
ブルーグレイのきれいな髪。おだやかな寝顔は子供みたいだ。
愛嬌のある顔立ちとは裏腹に、いつもとんでもない暴走をしでかす。
そんな彼女だが、愛おしい。

「まあ、おれも似たようなものか。」
と、金髪の少年ウルラはこぼす。

思えばもう何年前だったか。故郷アラミゴを追われ、
ザナラーンの洞窟にキャンプを構え住みはじめたのは。

あの日、あの時の脱出で、同胞が何人魔物の餌食になったのかわからない。
自分達だけ生き残ったことにすら、罪悪感があり、居ても立っても居られなく、
こっそり抜け出してはウルダハの近くで剣技の練習をしていた。

そのことに遅ればせながら気づいた双子の妹、
マルグリットが「剣を教えて!お兄ちゃん!」と言い出したときには、どうしようかと思ったが。
しかし、もし外で魔物に襲われたら、と思うと。
修練につきあってやることにしたのだが・・・。
「あいつも、なんというか、無謀だしな。」

「ん・・・。」

かたわらの少女の声。

起こさないように、もう少し小声がいいか・・。
  

ごろん。少女の頭が膝に倒れこんでくる。
「おっと。」
片手で受け止め、ゆっくりと装甲の無い膝に頭を乗せてやる。
「ん・・ん・・・。ルラ。」

寝言でもおれの名前よんでやがるな。
まったく。


さて、このまま時間を過ごしてもいいが、ここは少し物騒すぎる。
できれば、夜には宿に帰る方がいいだろう。
特にこの少女の腕前では、おそらく難しい。

でもまあ。

少女を膝枕にし、この海岸から見えるイシュガルドの城を眺めるのも、そう悪くない。
少しおれも眠るか・・・。



「ん・・。んん?」
目が覚める。
あれ?ここどこだっけ?
目が開くと海岸線から白い城が見える。
ええと。クルザスだっけ?
少女は横になったまま。
あれ?
ウルラは?愛しい人。

この段になって初めて自分が彼の膝に頭を乗せて眠っていたのか気づく。
「げ。」
そっと上を向く。
目を瞑り、おそらくは眠っているのだろう。
金髪のクセッ毛の彼の寝顔は、そういえば見た事が無い。
これは貴重な体験だ。
起こさないように静かに。でも、柔らかい笑顔で見つめる。

「あ、起きたのか?」と、アッサリ言われて。
「もうちょっと寝てなさいよ。」
過ぎた注文に、苦笑いする彼。

片手で持ち上げられ。


「ん。」

唇を重ね。


「おはよう、マユ。」

「おはよぅ。」


----------コメント----------

あんまりラブラブしすぎると、読者が嫉妬しはじめるぞ!!w
Sanshi Katsula (Hyperion) 2012年10月01日 20:48

----------------------------

リア充爆発しろ('з')
Jonathan Jones (Masamune) 2012年10月01日 22:32

----------------------------

>三枝師匠!
まあまあwこの子は、ほとんどお笑いキャラだった・・からw
ちょっとくらい、幸せな時間をくださいw
あ。前半とかはかなりシリアスなのとかもありますがねw
モモディとの掛け合いあたりから、お笑いに突っ走った気がw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年10月02日 01:35

----------------------------

>ジョジョさん・・キレてる・・。
んー、ぶっちゃけ、あたしも仕事がいそがしくー。
いわゆるリア充にはいたらず・・。orz
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年10月02日 01:38

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ