346書き物。少女達の時間の過ごし方。

グリダニア。

その森林の街にある最大のカフェ。そして冒険者ギルド。

その一角のカーラインカフェは、かつて無い、というか。

かつて、数回目の惨事に見舞われ。

客がほとんど居なかった、というただそれだけの僥倖に甘んじていた。

その理由が。

「サイアクにゃー。」

夕暮れを過ぎ、そろそろ来客も増えるかとおもいきや。

例のアレがコッソリ抜け出すのが見えた。
チェックはしてたが、さすがに早い。
オーアはとにかく声を上げた。

「ちょっと!」

食い逃げ常習犯。

「まーかせて。」

逃げるララフェルに、追い討ちをかけるララフェル。

ハタで見ているとなんとも微笑ましいかもしれないが。

逃げる方は剣術の達人。
追うほうは魔道の達人。噂では黒魔法すら習得しているという。

達人同士の逃亡劇。

「いかづち。」
雷光が走る。
かわしたのか、逃げ足は変わらない。
「右手に雷光あれ。」
すぐさま放たれた雷撃に、さすがに一瞬止まるララフェルの剣士。
が、すぐに。走り出すが。目の前の玄関に来たルガディンに立ち止まる。

「我が手に、雷の誉れあれっ!」
最大級の雷撃が店内を揺らす。


爆音を伴い、静寂がカフェを支配する。

夕暮れも過ぎる時間、この騒ぎでは客も見込めないだろう・・。
ミコッテの少女はいつも通り遅れてくる相棒は、今日はいらないかも、なんて。


「あちゃ?やりすぎた?」
店主、ミューヌに振り返る。

「まあ、いいわ。持ってるときは払いがいいから。」と呆れ顔。
「ま、お仕置きだしね。」
あ。

「ちょっと後始末。」
「いってらっしゃーい。」ミコッテの少女が送り出す。

玄関前の一団。一人には見覚えが。

ふわふわの金髪の少女。

んー。

そっちよりも、アイツだ。


ち。

「逃げられたか。」

先の魔法の余韻がジジジジジと、杖から立ち上る。

軽く振り払うと、その余韻は消し飛び。

「次はフレアにしようかな。」

黒魔法でもかなり凶悪な魔法だが。

こちらを呆然と見ている少女には注意を向けず、まずは巻き込んだルガディンの青年に謝り。

「あれ?この前の子?カフェ空いてるわよ。ゆっくりしていったら?」

んー。この子誰かに似てるんだよね・・。

適当に返事を済まし、思索にふけりながら店を出る。

むう。

まあ、適当とはいえ、聞き逃せない単語がでたけどね・・・。「師匠」ですって?

表情は晴れない。




「やりすぎにゃあ・・・。」オーア。
「そうね・・。」とはミューヌ。


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こ、これは!なんて本格的なの・・・w
ちゃんと読もうと思うので時間がある時ゆっくり読んでみます!w
Hanna Bell (Hyperion) 2012年10月01日 02:27

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>ハンナさん、いらっしゃい♪
はいなwけっこうなペースで書いてるので、かなりの量ですがw
是非どうぞw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年10月01日 07:39

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