340書き物。少年の時間。

空気が心地よい。

そこに風が吹き込むと、さらに心地よい。

「なあ?マユ?」
傍らの少女に声をかける。

「なあに?」と少女ははにかんで。

「なんで帰らないんだ?」
素の顔で言う。

「え?」
少女の方は愕然としている。

せっかく逢いに来たのに。
「あほ。」

「ん?」

「ばか。」



早めの昼食を取り、隣に居る少女が肩に頭を乗せている状況。
ブルーグレイの髪の少女は、頭をゆだね昼寝でもしそうなほど安らいでいる。

「やれやれだな。マユ、お前ここに来れたって言う事はそれなりにこの場がヤバイって知ってるんだろうな?」
「あったりまえじゃない。たぶん、あたしの方がくわしいわよ!」
「それはそれは。じゃあどこか案内してもらおうかな。」
「え!?」
「詳しいんだろう?」
「ああ・・・。うん・・・・。」
「イシュガルドの城とかどうかな?」
「へ?」
「城だよ。」
「ええええ?」
「詳しいんだろう?」
明らかにうろたえる少女を見ながら。
「あ、ええと。マップによりますとですね・・。」
「マップ頼りかよ。」
「ああああ、そんな、いきなりだもん!」
この少女は少しからかうと、過剰な反応が面白い。

そこが愛おしいのだが。

「ついておいで。」
少女の手を引きながら。


「おーーー!!!」
白い尖塔の優美な城が見えてくる。

「このくらいは案内してくれないとね。」
「うー・・・。」
「はは、城門は開けてくれないから此処までだけど。」
「そうなんだ。」少女は少しがっかりした様子で・・。
「ま。こっちに来ればもっといい景色だよ。」と誘う。

海岸沿い。

「わああ!」
少女の歓声と、潮騒が耳をにぎわす。

「どう?」

「案内してくれ、って言っといてコレは反則じゃないの?」
「はは!」
「ウルラって、ずるい・・・。」
ジト目でにらむ彼女。

「まあ、そう言うな。」
「うー・・・。」

改めて彼女を見る。

ブルーグレイの髪を肩までに切りそろえ。
今はブリオーという、ローブにも似た上着。
足もとは・・・・。
口元のホクロも、少したれ目なところも愛おしい。

「その・・。」
「うん。」
「これ。」
リングを渡す。
「え?」

唇を奪う。

「結婚、してくれるかな?」




「はい。」
最高の笑顔で返す。


----------コメント----------

ありゃ、結婚しちゃった。
Sanshi Katsula (Hyperion) 2012年09月27日 18:32

----------------------------

これは尻にしけないそうにないけど・・・
Jonathan Jones (Masamune) 2012年09月27日 20:25

----------------------------

>三枝師匠、いらはいw
場所としてはいいと思うんだけどw
あたしなら、もうOKしちゃうねw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月28日 07:40

----------------------------

>ジョジョさん、いらっしゃいw
たぶん・・・しばらくは、言いなりかしら・・・
惚れた弱みというのは、なんでも許しちゃうから・・
そのうち取り返すけどねw

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ