249書き物。とある双子の日記VII

「ええと・・・。コレでしょ、それにこれと・・。あとは何がいるかなあ?」

森林の街。ただ森林の街ではなく。
その外にも広大な森林。もしかすれば森林の只中に広がってしまった街。
グリダニア。

その一角。冒険者なら、誰に聞いても知らぬものの居ないカフェ。
「カーライン」
ただのカフェではなく、冒険者ギルドや、飛空挺の発着場まである、ある意味街の中心ともいえる。

そして、宿「とまり木」の一部屋にて。
少女が思索に耽っている。
「ええと・・・。コレでしょ、それにこれと・・。あとは何がいるかなあ?」



「ねえ。ミューヌさん?」
「どうしたの?エラルちゃん。」
カフェの女主人と、ララフェルの術士はカウンター越しに会話を続ける。
「どうしてわたしなの?」
言われてみれば当然の質問に。
「やぁ・・だって、向いてるかなあと。それと、あの子の知り合いにグリダニアに居ついてる子って、ね。」
「それはそうかもしれないけどー。」
「でもまあ、いい子でしょう?ね?」
「うん。」
にっこり笑いあう二人。
「ウチの娘にもいいコネができてたよーで、本当に助かるわぁ。」

いきなりの声に振り返る二人。
「レティさん!」普段とは違う地の声。
「ええと、マユっちのおかあさんだっけ。」

「あら?こちらのお方は初めまして、だったかな?ふつつかな娘の親です。よろしくね。」
「いえいえ、こちらこそ。そして本当に親御さんなんですかね?しつれい。でも、そっくり。お姉さん、とかってこともないんですよね?」
「残念ながらねー。でもまあ、ありがと。」
二人の会話をにこやかに見ながら。

「レティさん。どうしたんです?まあ、いつものことですけど。」
いつも唐突に現れる自称?他称「天魔の魔女」ことレティシアは。
「んー。なんかね。ヤツがついに!ってコトでちょっとお祝い。」
「え?ヤツ?ですか?」
「?」マーク満載の顔のミューヌに。
「あれ?ミュー、知らないの?スゥ、やっと隊長に任命だって。遅すぎ。」
「そうなんですか!?それはお祝いしないとっ!」
やけにテンションの高い女主人に。
「おちつけ。」と。


「ねえ、今の話ってホント?」「んー。今のとこわからないけど・・。レティさんなら本当かなあ。」「ふむふむ。なるほど。」


給仕の二人、オーアとカナルに混じり、ララフェルの少女がうなづいている。

そうして階下の喧騒というか、一部の盛り上がりに気がついたわけでもなく、金髪の少女が宿の階段から下りてくる。

「あ。準備。できました。おまたせ・・しまし・・た?」
遠目には分からなかったかもしれない。
「マユちゃん?」

「ん?」グレイの髪の女性は、「もう忘れたか!」と、にかっと笑う。
「あああああ!!!!!すみません。レティシアさん!!!!」

その驚いた表情に満足げに。
「なあ、ミュー。あたしもまだまだイケそうじゃない?」
「すみません、レティさん。そういう話題はバデロンにしてください。」
「いつになくつれないのねー。」
「この店で求愛を受けて、その他もろもろ今ココで言いましょうか?」
「ごめん・・。」

「(レティさんが・・。)」「惜しい」「(オーア、声大きい。)」「うーん。もうちょっと?」「(ええと、エラルさん?)」
少女達の詮索が・・。



「ぼびーーーーー!!!!」

この絶叫?でとりあえず終了する。

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