244書き物。とある双子の日記II

「ん・・。」朝か。

グリダニアの朝は遅い。が、リトルアラミゴも似たような暗がりではある。
ここのところの違いは、自身の調整なのであろうが・・。

どうにも、この前のバカ騒ぎのせいか、いまいち体内の時間合わせがうまくいってない。
まあ、遅れるよりは早いほうがいいに越したことはない。
エレゼンのソーサラーの家に間借りしている少年は、とりあえずぼさぼさの金髪を手ですくと、顔を洗いに行き、夫婦に挨拶をする。
「おはようございます。」
「ああ、おはよう。」「おはよう、早いわね。」
二人の方がよほど早いのだが・・。

「マリーちゃんは?」との声に。「いや、あいつはそのままにしておいてください。」
「あら、そう?ミーと一緒だと今にも起きてきそうだけど。」
「むしろ今日一日、ヘタすれば数日は部屋から出れないかもな。」
恐ろしいコトを真顔で語る夫婦にどうしたものか?と考えあぐねていれば。
「では、出かけようか。」の声に。
「はい。」身支度を確認する。(なるようになれ、か。先人はいい事を言う。)

幻術士ギルド、碩老樹瞑想窟までの道のり。

「ウルラ君。脱走まがいのことまでして行きたかったギルドに、今日やっと認可が出たよ。」
「脱走って・・。」
「いや、碩老樹瞑想窟に入るにはそれなりの信任がないとね。立場上、
難民扱いの君が勝手に出入りすると、それはそれで問題があるんだ。なので、
あのときは「脱走した少年」が勝手に侵入した、という形にになって、どうしても手前で止めないと駄目だったんだがね。」
「なるほど。」
「まあ、そこらへんはレティ達がカバーしてくれたみたいで、難は無かったわけだが。」
「あの親子、ですよね?」
「ああ?」
「姉妹、じゃなく。」
「性格的にはともかく、親子なのは違いない。が。やはりレティ、母親な。の方が過激なのは違いない。」
「ふうん。」
「どうした?マユちゃんに惚れたのか?」
「いいとおもいますよ。」
「そうか。」
「ではまずは腹ごしらえといこう。カフェでいいな?」「はい。」

「いらっしゃいませ!」
元気な声でミコッテの少女がやってくる。

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