239書き物。ようこそグリダニア9

「さ、そろそろ片付けようか。」
エレゼン夫妻の庭でのパーティーみたいな(実際、歓迎パーティーではあるのだが。)食事会が主催者のソーサラーの声で終わりを告げる。

「あ、じゃあ食器とか片付けますね。」「あら、ありがとう。」
給仕経験のある少女に、夫人が礼を言えば、「ん。マユ。あたしも手伝う。」
「ごめん、母さんはそこで立ってて。よそ様の食器を粉砕されまくるのはさすがに居場所がなくなるから。」
「レティシアさんって、そんなヤバイの?」「うん。実家では食器が家族分の3倍は買い揃えてある。」
「こら、ソコ!変なツッコミいれない!あとマユ!バラしてるんじゃない!」「(こわひ・・・。後、事実なのね・・。)」「(残念ながら。)」
少女と夫人の会話は一時中断され、片付けが再開される。

「よっし、それじゃあ男衆はテーブルを返しに行こうか。  メーヴェ、これはドコから借りたんだ?」
「グリンマーさんのところ。ご主人と息子さんが運んでくれたから、お礼を言っておいてね。」「わかった。よし、行くぞ。」「はーい。」
「って、重っ!」「何、3軒先だ。近い・・って、本当に重いな・・。」
厚みのある木の一枚板のテーブルはかなりのものだ。
「これ、二人でココまで持ってきたんですよね?そこの方。」
「ああ、あそこはハイランダーの家系だからな・・。見れば納得だ。」
「こちとら頭脳労働がメインなんだけどなあ。」「ウルラ?それって僕に対するあてつけにきこえるんだけど・・?」
「気のせいだよ。」「まあまあ、俺も頭脳労働だから。」「アルフレートさんまで・・・。」「気のせいだよ。」


「ね、マユは今日は泊まっていくの?」エレゼンの少女、ミーランは食器の片付けをしながら最近できた友達に声をかける。
「んー、そうね。宿は取ってないからお邪魔しちゃおうかしら。」
「やったー!」と、笑みがこぼれる。
「あたいもお邪魔しちゃっていいかにゃ?」こちらも食器の片付けをしながら声をかけてくる。
「あ!いいよいいよ!嬉しい!ね、母さんいいよね?」「もちろん。歓迎するわ。」
「私も当然というひゃ、いひのよね?」
「マリー?飲みすぎ?」「そんな、こと、なひよ。ちょっと、飲みすきたらけ。」
「「「だめじゃん。」」」3人がハモる。

「あー、っと。それじゃ、あたしはここらで退散するわね。メーヴェさん、ご馳走様。もう少しだけ野暮するけど。」
「いえいえ。貴重なお話とかありがとうございました。昔を思い出しますね。」
「そういえば冒険者してたのね。あたしも若いころは・・・って言うと、へこむからヤメておくわね。」
「ふふふ。お噂だともっともっと怖い方かと思っていましたけど。ユニークで素敵な方ですね。」
「自慢にならないけどね。ま、うちの娘も誰に似たのかヤンチャでね。何かあれば、よろしくお願いするわ。」
「もちろん。(誰にって。聞くまでも無いお手本が目の前に・・・)」
「じゃ。 あ!マユ。あたし帰るから。」「はーい。父さんによろしく!」
手を振って歩いていく。

(あれ?移動術式使わないんだ?)小首を傾げる少女だが「マユ!お布団敷こう!」
「あ、うん。シャンちゃん、そっち終わった?うん、じゃあマリー連れて来て。」


「ネルケ、君は今日の宿はどうするんだ?」「ん、家に帰るつもりだけど。」「そうか。」
「え?どうして?」「いや、なんでもない。(おもしろい話が聞けそうなのにな。残念だったな。)」
「ああ、ウルラ君。寝室は俺の部屋を使うといい。妻にはそう言ってある。」
「奥方はどちらでお休みですか?さすがに夫婦の寝室にはお邪魔できません。居間で十分ですよ、おれは。」
「そう言うな。客人をもてなす事ができない、なんて俺自身がかなわん。
それに、俺の寝室というか、書斎というか、狭いがベッドがある。気にしないでくれ。」
「では、お言葉に甘えまして。」「ああ、俺は少し野暮用があるのでね。先に帰ってくれたまえ。妻によろしく。」
「あ、じゃあ僕もこの辺で。」「そういえばネルケ君もこっちだと反対方向だったね、すまない。」
「いえいえ。そんな。」「では、おやすみ。」「はい、おやすみなさい。」「おやすみ、ネルケ。」

「おれはそろそろ、駆け足か振り返らないほうがいいですか?」
「君は勘がするどいな。が、ひと言多いかもな。」
「そんなことは・・・。」
「まあ、野暮用だし見られたところでどうという事も無い。ついでにいえば妻には了承を得ているからね。
君はそのまま家に行ってくれ。戸締りもあるからね、あまり遅いとそれこそ斧で吹き飛ばされる。」
「それは責任重大ですね。わかりました。天魔の魔女によろしくとお伝えください。では。」
金髪の少年を見送った後。

「あの坊や、ほんっと可愛げないわね。」グレイの髪を後ろで束ねた少女。いや、女性。
「はは、俺もガキのころはあんなだったよ。」
髪を束ねていない頃の少女の面影を、思い起こしながらエレゼンのソーサラーが応える。
「悪いわね、付き合わせちゃうけど。」
「何をいう。同じ師を持った仲だ。それも二人しかいない弟子だからな。」
「まったく。導師のくせして弟子を取らないなんて。」
「続きは、この先でいいだろう?いい場所はあるかい?」
「ここだとしんみりしちゃうから、馴染みのとこでいい?」
「任せるさ。」
「じゃあ。」青い光が二人を包み、廻りだす。



「あれ?おい、魔女サン?これはどういった組み合わせなんだい?」
「いらっしゃいませ。レティシアさん。マスター?お客様に対してあまりにも失礼ですよ?」
「あ、すまねえ。つい、な。」トレードマークのバンダナ越しに頭をかくヒゲのマスター。
「大変申し訳ありません。当店自慢のバカマスターが失礼を。」深々と頭を下げるエレゼンの女性に
「いや、気にしないでくれ・・。というか、レティ?」
「どうかした?」
「ここの常連なのはわかるが、どうしてここだ?」
「バカネコ師匠もここの常連だった、ってこと。最期のちょっと前に逢ったのもここだった。」
「そうか。」
「おい、ラム!3つだ。」「へいへい、当店自慢のマスターが用意いたしますよ・・。」
「マスター。「バカ」が抜けています。」「言ってろ・・・。」


「はいよ、ラム3つ。3杯めは俺からのオゴリだ。一緒に鎮魂といこうや。」
「珍しく気が利くじゃないか。」「師はそれほど酒が飲めたのか?」

「ここに座りゃあ、まずはラムだろ?」ニヤリとマスター。


----------コメント----------

こっそり失礼します~
・・・お酒飲めないエロ猫は最後のところでラム酒ではなく、ラム肉と変換されたのは内緒です、はい;x;
それでは失礼しました~><ノシ
Cheryl Wire (Hyperion) 2012年07月09日 10:39

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お話と関係ないけど
双竜脚
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/diary/entry?e=389732
と猿猴九連掌
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/diary/entry?e=195438
お・・・お話はまた時間とって読ませてもらいます(-人-;)(;-人-)
Miyavi Ozzy (Hyperion) 2012年07月11日 03:08

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>しぇりたん、いらはいw
この時代、世界観ではどうかわかんないけどw
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」では酒と言えばラム酒ですw
それに触発されたんですけどねwカリビアンの舞台はまさにカリブ海。
サトウキビが主に栽培されてて、サトウキビから作るラム酒が一般的だったんですね。ちなみにラムの銘柄で、キャプテン・モルガンなんぞという、クック船長みたいなイラストのラムがあったりw某モーレツな海賊の原作者、笹M氏の、「ARIEL(エリアル)」でも、酒保にはラムがw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年07月11日 03:40

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>みやびたん、いらっしゃい♪
なるほどーwじっくり見ますw
ありがとねーw
お話の方は、今回えらく長引きそうでwZERO編で9+2話くらいだったんだけど・・。時、既に9+1w
ブロントさんなら・・・「9枚+1でいい。」と言ってくれると信じて・・(・ω・)
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年07月11日 03:43

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ん?双竜脚と猿rなら見せられますが?
Eraru Control (Hyperion) 2012年07月11日 12:57

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>えらっち、いらっしゃい♪
双竜脚は見たいなあw猿拳は自前でwでもララの猿もいいなあ。
今度みせてもらおうw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年07月12日 00:24

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