218書き物。そして・・・。

隣りを歩く背の高いエレゼンの男性、それも親子ほどの年齢差がある。

薄い朝霧の中、少女は何を話そうかと思案しながら・・・。

「ああ、そうそう。マユちゃん。とりあえずエーテライトまで行こう。」
「え?あたし、装備が宿ですよ?」
「だからいいんだよ。」
「へ!?」

白いローブを見下ろして、少女は困惑しているが。
「まあ、移動術式も使うからそれほど時間はかからないと思ってね。
二人には少し早めの時間でどうだろう?と提案しておいたんだ。君のお洒落を見ようってね。」

「ぬあ!」少女は顔を赤らめ・・「なんちゅーことするんですか!」
エーテライトは目の前だ。

不意に肩をたたかれ「え?」「大丈夫だよ。」(なにが?だれに?)

青く光り廻り続ける石。その周りに二人の冒険者が。
「おはよー!」「おはよう。」「おはにゃ!」「おはようございます。」

「あ、マユちゃん。」「まゆちゃん、かわいいにゃ!」
それぞれに声を上げる。
(ファッションにはコメントなかったな、この野郎。)少しムっとするが。
「なかなか、かわいいとおもうんだがね。」とエレゼンの男性。
(フン)とそこで少年を見返す少女。

(いや、似合ってるって言いたかったんだけど・・。)視線を感じてタイミングが悪かったコトを今更ながら感じてしまう少年。

「先だって言ったとおり、彼女は俺がムリに家に泊めてしまってね。装備だけ準備しに宿に向かってもらおう。」
「はい。」「はいにゃ。」
「あ、じゃあ、すみません。出来る限り早く来ます。」


「自信あったんだけどなあ・・。って、誰に!」走りながら頭を振る。
ブルーグレイの髪を白いベレー帽で押し付けながら走る。


「どうだった?」とエレゼンの幻術士。
「かわいかったにゃー!」とミコッテの槍術士。
「あ、そうですね。」と同じく槍を持つ少年。
「君は本当に女心がわからないんだな・・。」

「え?」

「そこが味だにゃ。」と呆れ顔のミコッテ。
「そうらしい。」とエレゼンの男性。
「はぁ・・。」・・・・・・少年は何がなんだかわからなかったらしい・・・。

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