206書き物。カンパニー。

「え?」


「そ、それは・・。由々しきことじゃないんですか?」
シーロ中牙士はうろたえた。

此処は双蛇党本部、作戦室。

主に部隊に指示を出す、シーロは本当にうろたえていた。

「幻術皇カヌ・エ・センナ様、直々の術式「六合結界」だと!何故早くに言わない?
なんだと、極秘?それはそうだろう!だが、そのための術者達が帝国兵とカチ逢えば。
クソ!責任者は誰だ!ああ、わかってる。俺よりも上の立場だろう!」

パールを割りかねない勢いでカウンターに叩きつけると。
「あいつらだけでナントカなったら、パーティーでもやるか。なあ?」と先の報告をしてきた部下を見る。
「経費、おりますかね?」 「知るか!」




「と、いうわけで。」ブルーグレイの髪の少女。肩までで切りそろえた髪が風に揺れる。

「ソーサラーの方を探してみました♪」と言って、後ろを振り返る。
「あたし達、魔法系弱いからね!」さらにニッコリ。
こざっぱりとした風貌はソーサラーらしくはないが、背に大きな杖がある。
背も高いし、クールな印象のエレゼンの男性。もちろんカンパニー所属で今回の作戦にも意欲的だ。
「ええと、お名前は・・」「アルフレートだ。」「だそうです・・。」
紹介した少女、マユは胸を張って人をつれて来た、というところから一気に転がり落ちた気分になる。
「よろしくにゃ。」と気さくにミコッテの少女。「お願いします。」と少年。

(うー。なんかあたしの立場がどんどん怪しくなってきた・・。)
「と、とりあえず。目的のところまで行きましょう!チョコボも乗れるそうですし。」
とエレゼンの男性に声をかけ、残る二人を見ると(またイチャイチャしてやがる。)

実際は二人で装備の点検をしてただけなのだが・・・・。

4人で暗い森を駆け抜ける。徒歩ではなく、黄色い騎鳥、チョコボ。
その鞍には、双蛇党の紋章が縫い付けられた旗のような帯がつけられている。

「このあたりかなあ?」と茶色い髪の少年。元鬼哭隊、それも副隊長の息子。
「とっくに動いてるはずにゃあ。」とは、同じく元鬼哭隊、それも先輩。さらに現役彼女。のミコッテ。
「待った。あっち。」騎首を向ける。短髪の少女。
「誰か、倒れているな。」と、エレゼンのソーサラー。

一番にチョコボから飛び降りて駆け出す少女。
「ちょっと!大丈夫?」とローブの人物に声をかける。
その後ろではミコッテの少女が槍を構えて・・。「ちょ。先輩!」「敵の偽装ってこともあるにゃ。」

「あ・・。わたしは大丈夫・・。帝国兵が・・・。カヌ・エ・センナ様の・・。それよりも・・・。他の・・・。」
「どっちかだけでもわかる?」とマユ。
「たぶん・・・。あっち・・。」と指を挿すと意識を無くした様だ。
「アルフレートさん、治癒お願い。あたしは先に行ってきます!」再びチョコボに乗る。
「あ、ちょっと!」「待つにゃあ!」


(ほんと、直情なのはお母さん譲りなんだなあ・・。マユちゃんは。)

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