205書き物。カンパニーでの一幕。そして。

「えーっと。ココに行けばいいんですか?」

「君、もうちょっと言葉使い、なんとかならんかね?」

ブルーグレイの髪を肩の辺りでそろえた少女は特に悪びれるでもなく。
「そうですか?」と返す。
シーロ中牙士はあきらめた表情でうなずいた。

ここはグリダニア、グランドカンパニー本部。双蛇党。
先の少女は、カンパニーからの依頼を受けに来たのだが。

「なんだって、こう、冒険者ってヤツラは・・・・。」と先の受付のシーロがぼやいている。
「聞こえてますよ?」と少女。
「聞こえるように言ってるからだっ!」
「やばっ!キレた!」
「ぐうううううう!!!!!」
顔の血管が浮き出る瞬間ってあるんだなあと思いながら、さっさと行こうなんて思う。
二人が外で待っているし。(なんせカップルだし、ジャマしちゃ、ね。)



「ねー、ネルケ君。手作りの料理なら何が好きかにゃ?」
明るいオレンジ色の髪を短く刈ったミコッテの少女は、向かいに立つ長身(と言っても、彼女からすれば)で茶色の髪の少年に聞いていた。
「え、えーっと。基本なんでも食べれますけど・・・・。あ、ピーマンとニンジンが苦手ですね。」
「お子様なのにゃ。」
「そ、それは・・。苦手っていうだけで、食べれますよ?」
「ふうん。じゃあ、今度作ってあげるにゃあ。」
「え!?いきなりですか?」
「あたい、料理はそれなりに自信あるからにゃ。」と大きく胸を張る。
「それは、あたしに対しての挑戦とみた。」横からの声。
「まゆちゃん、料理できたのにゃ?」振り向くと作戦室から出てきた少女。
「あ、マユちゃんの実家、料理屋してるから。」
「だからといって、美味しい料理作ってるのはご両親じゃないのかにゃ?」
「ほーぅ。いいわよ!今度対決しようじゃない!コイツに味見してもらって!」
「え、僕?(なんか話がとんでもないほうに・・。でもマユちゃんの料理も食べてみたいなあ。)」
「コイツ、なんて呼んだらだめにゃあ。ダーリンにゃ。」と腕を絡める。
「く!」少し悔しそうな少女。
(僕ハドウシタライインデスカ?)

その時、一人の党員が駆けてくる。「お、ちょうどいい。お前達、作戦室に来い。」
「はい?」「はーい。」「はいにゃ。」

「実は・・・」部下の報告を受けたシーロは「緊急の仕事だ。北西に帝国兵が出たらしい。偵察に行ってくれ。」

「わかりました。」「はーい。」「了解にゃ。」
部屋を出て行く3人。


「シーロ中牙士。じつは。」「どうした?」「なにやら書簡を手にした者がその近くで見つかったらしく。」
「密偵か?」「さあ?そこまでは・・。」「問題はその書簡が我が国の物か、帝国のものかだな。」
「そうですね、彼らになんとかその書簡を。」「だな。」

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