199書き物。しばらくして・・・。幕間の続き。

「ねぇ?聞いた?」
「聞いた!」
「シャンちゃんが告ったんだって!」
「そうなんだー?」
「で、ネルケ先輩は?」
「さあ?彼、朴念仁だからねー。」

グリダニアの守りの要。
鬼哭隊駐屯所。槍術士のギルドでもある。
話題の二人と年の近い女子たちが、最近のホットなニュースで沸いている。

「こらこら、ソコ。鍛錬中でしょ!」
話題の中心の少年の母であり、鬼哭隊の副隊長が声をかけるがあまり力は無い。
ここ数日、この手の話題で持ちきりで正直疲れが見えているようだ。
(まったく、ミューもとんでもない話題を持ち込んでくれたわね・・。)正直な感想。
家で息子に問いただしても言葉を濁すばかりで、正直なところ噂だけなんじゃ?と思っていたが。
「カフェに友達が働いていて、聞いたそうですよ。」と隊員から聞かされた日には、一体全体、どうなのか?それも複数。

「まあ、年頃だけどねえ。」とこぼしてみるが。
「シャン、か・・。いい子だけど。」

「結構したたかだしなあ。尻に敷かれるのが目に見える・・。」

「あの、副隊長?」と側近が告げてくる。
「ん?」
「いえ、定時報告の時間です。シュテーネン副隊長が苦虫を噛み潰す前に・・。」
あの「リビングノート(生きてる帳簿)」は時間にもうるさい。
「ん、わかった。後のコトは見ておいて。それと警邏の巡行表も見直しておいて。人員が減った分、書き直しがいるだろうから。」
「わかりました。スウェシーナさん。」

これでも結構忙しいのだ。と、スウェシーナは陰鬱なもう一人の副隊長のもとに行く。






もう3度目になるか。カンパニーの依頼をこなした3人はとりあえずカフェに。
「あー、今回のキャラバン護衛、ハードだったわねー。」と。
ブルーグレイの髪を短めに、肩辺りでそろえた少女はウンザリとしながら革鎧の損傷を気にしている。

夕暮れ時、走って帰ると夜中になる、ということで移動術式で帰ってきたのだが。

「まゆちゃんは、先走りすぎなのにゃ。」と、明るいオレンジ色の髪のミコッテ。

「先手必勝!」グっと拳を握り締める。
「ダメだよ・・。それじゃあ。」と茶色い髪の少年。

少女二人は揃って少年の方を向く。二人とも愛らしい顔立ちだ。が。

「ネルケに言われてるようじゃ、あたしもまだまだね。。。」
「ネルケ君、だったらサポートに遅れるのはどういうことかにゃ?」

「そ、それは・・・。」
答えが返せない・・。
そして、腕をぎゅっと抱きしめられる。
「な!」とブルーグレイの髪の少女。
目の前で繰り広げられる、この状況。
「ちゃんとするにゃ?」とミコッテの少女。
「あのー・・・・。目の前でされるとちょっと・・どうかしら?」
「あたいのものにゃん。」(反応薄いのにゃー。もうちょっと過激にしようかにゃ?)
「えーっと。先輩?まだお返事はしてないんですが・・?」
うろたえる少年。
「もう決まりでいいにゃ。」
(コレで、まゆちゃんが反応しなかったら、このままもらっちゃうのもアリかにゃあ。)

「あー。その。ゴホン。見せ付けてくれるのは結構なんだけど。反省会、よね?」
(やーっぱり、気になるのにゃ。)

「そうそう!そうだよねっ!」少年の意見に。
ジロリ、と二人からの視線が刺さる。

「僕、なんか悪いこと言った?」




オーアリール(ネコミミ頭)は、カフェでの一件をつぶさに見ていた。
「コレはニュースだ!イーリスに報告しないと!」

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