190書き物。ある日常の一コマ。あるいは誰かの戦果。そして。

「ホント、痛かったわー。ホネの折れる音聞いたの初めて。」

グリダニアのカフェにて、少女二人と少年一人が夕食を摂っている。
カーライン・カフェのテーブルに着く3人は今日の反省会と、今後の方針について話をすべく。

その3人を見守る女主人、ミューヌは気が気ではないのだが。

夕暮れになっても、いまだ灯りの絶えない街並みは、もともと陽の灯りが少ないからだろう。ここグリダニア。深緑の街はうっすらと灯りにもえる。


「だーかーら、マユちゃん。もうちょっと戦術とかさあ?」元鬼哭隊に居た少年がスープを目の前にしながら、短髪の少女に言う。

「ネルケ君にしてはまともなコト言うのにゃ。」と明るいオレンジ色の髪のミコッテ。

「はぁ。そうね。ネルケに言われるようじゃ・・・。」ブルーグレイの髪の少女は、うなだれる。

「あ、えっと。そこまできつく言ったつもりじゃ、というか、僕。その?」
「ネルケ君からそういう台詞が聞けて、あたいは嬉しいにゃ。」
「あたしとしては、沈みまくり・・・。」

3人で色々な食事を頼み、つつき合いながらの座談会。

「でもまあ、まゆちゃんのあの突っ込みは悪くは無いのにゃ。」
「そうなんです?先輩?」
「周りの人を逃がすためには、あのくらいやってもよかったにゃ。」
「あ。」
「ああああ。ありがとうございます・・・。」
「ただ、少しやりすぎちゃったにゃ。それとフォローが遅れて悪かったにゃ。」
(もしかして、僕が責められてる?)少年は焦る。

「で、二人はどこまで進んでるのかにゃ?」オレンジ色の髪のミコッテ。
「ぶはっ! へ?」と少年。スープを噴き出す。
「は?」と少女。口にしたカップからオレンジジュースがこぼれている。

「そ、そんなんじゃ!」と少年。思わず立ち上がる。
「うーん。ネルケ相手にソレは無いんだけど、そこまで否定されてもなんか腹が立つかも。」少女は複雑な表情。
「それなら、あたいがネルケ君もらってもいいかにゃ?」とケロリ。
「え?先輩?」
「どうぞ。進呈します。」
(あら、まだまだかにゃ?)


(あー、なんていうか。あの二人が居なくってよかった・・。)
カフェの女主人の気苦労は絶えない。







「そういえばティアラ。カンパニーはどうする?」
「そうですね、とりあえずは仮、ってことで。また同じ隊に入ると目に付きますし。」
「そう。」
「近くに赴く冒険者のパーティあたりで様子を見るとします。」
「そう。よろしくね。」

二人はワインを酌み交わす。

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