171書き物。海賊船の4

コンコン。

木の板を挟んで少女とやりあう合図。

難破船から救い出した少女の居場所はすぐ横の荷物置き場だ。
普段は横についているが、寝るときばかりはさすがに別の部屋。
が。
海賊船ゆえに荒くれ者が多い。
なので、寝る前や起きるときにこうやって合図をしているのだが。

ガンガンガン!

慌てて外に出る。
隣りの部屋はカギがかけてある。
そのためか、男が3人ほどドアを叩いていて。
中からは悲鳴が聞こえている。

「おーい、お前らナニしてんだ?」と声をかけたが、酔っているのか気にも留めないようだ。

(腕力では勝てないしな、はて・・?)
考えるが答えは出ない。

「よーう、クソ坊主。なにかの祭りか?」

現れたのは坊主頭。クソ坊主とはよく言ったものだ。

「で?このクズをどっかにやりゃあ、祭りが終わりだな。」
「大将。頼みます。」

「え!」「マイスター?」「そ、そんな!」

有無を言わさず放り出された後に。

「なんかやべえぞ。」とマイスター。
「やばいのは今、大将が済ませたんですが?」
「ちげぇよ。もっとやばそうだ。」
「ん・・。確かに。っていうか、この航路やばいというか、
読まれてますよね?例の調査員が親切なら2,3日後の昼でしょうが・・。今夜、もありえますね?」

「そこまでは俺にもわからんが。」

「あの・・・。」
部屋から出てくる少女。
「悪かった。今度からは俺の部屋で寝るといい。」
優しく声をかけてやる。



「お前、どうするんだ?」斧の名人が告げてくる。
「船降りて、酒場でもやろうかと。」と無精ヒゲの青年。

「そうか、俺もどうしようかとな。」
「え、大将なんかあるんです?」
「こう見えても料理はそれなりに出来るんだ。お前、ここの飯誰が作ってたか知ってるか?」
「まさか?」
「ああ、まさかだ。」
「えー!」



どん。

「まさか?」
「ああ、まさかだ。」
「えー!」


襲撃が来たらしい。

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