169書き物。海賊船の2

ここは外洋。

サベネア島東、リムサ・ロミンサとはちょうど半分ほどか。
凪(無風)が続いているため、ややのんびりした航海だが、天気はいい。
夜半には風が出るだろう、とは船長の話。
しばしの休息。


ラザハンから出た船に「仕事」をしてきたところだ。
海賊船。いや、私掠船アスタリシア号。

僚艦のガレー船2隻もゆっくりと随行している。
人手で進むガレー船のクルーにとっても、凪はありがたいはずだ。
(ガレー船とは、片舷側に10人ほどがオールを使って進むので基本、帆を使わない船。
平時は帆を張るがやはり帆船の風に乗った速度にはかなわない。が、風に頼らない機動力で小回りが利く。)


そして、旗艦アスタリシア号の一室では。


「なあ、もう一勝負やんのか?」

無精ヒゲ、ボサボサのやや明るい茶色の髪。人を食ったような表情の青年。
手にはダイス用のカップ。もちろん中身が見えないようになっている。

椅子にゆったりと腰をかけ、ヒザを組んで座っている様は、どちらかといえばウルダハ辺りにいる金持ちのようだが。

船内の調度品はそこまで贅沢ではない。

対するのは二人。どこから見ても「海賊」な風体の二人が異口同音に「やる!」と。
(あー、めんどくせ)とは青年の内心。


ルールとしては、カップに6個入ったダイスの目が場で一番多いのを当てるものだ。
そして自分の目で賭ける「目」を決めるが、まず1回。全員が賭ける「目」を言う。
それで駆け引きが始まるのだが・・・・。

後ろから、「マスター・・・。」と声がかかる。
半月ほど前に、座礁した船から助けだされた少女が心配げに声をかける。

「あー、なんだ?ウルスリ。お前、俺が負けるワケないだろ?」
「はい・・。」

「いいね。見せ付けるね!今日こそはその娘を頂くぜ。」と一人。

「そこらへんは、お前ぇ、ココ次第だろ?」とこめかみを指でつつく青年。

「この野郎!」「おっと船内で刃傷沙汰は船長から厳しいお達しがあるはずだぜ?」

「いいから勝負だ!」






「な、ウルスリ。俺が負けるって無いって。安心しろ。まぁ、たまには負けてやらんと相手が居ないがな。でも、お前が賭けの対象だと絶対に負けんよ。」
「はい。」
不精ヒゲの青年はパイプを燻らせながら、後ろについてくる少女に自慢してみせた。

「お。いたいた。クソ坊主。」
「大将、その呼び名はどうかとおもいますが?」
坊主頭、刺青のような刈り込みは失敗したのだろうか?青年より少し年上の海賊は気さくに声をかけてくる。
「ウルスリ、だったか。コイツは頼りになるか?」
「はい!」と元気な返事。
「おい、クソ坊主、よかったな。が、ちょっと気をつけたほうがいい。」
「この子を賭けにするなら負けねえんですが?」
「いや、パールからの情報でな。グリダニアの諜報部が動いてるらしい。
この子の前で言うのもなんだが、例の座礁事件。あれがこの船の略奪が原因ってコトかどうか調べてるらしい。」
「や、あれはむしろ救助でしょ?まあ、中には、その。」
「調査員が来る、というウワサもある。が、攻撃してくるかもしれんしな。」
「まさか。アスタリシアに攻撃なんて。ナイですって。」
「だといいが・・。まあ、気をつけろ。襲撃があってからだと遅いからな。」

「マスター・・。」
「ああ、大丈夫だ。ウルスリ。」


3人は別れるとそれぞれの船室でしばしの休憩を。


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VUがあっても通常運行どおりですね
私も同じですがw
Miyavi Ozzy (Hyperion) 2012年03月09日 11:09

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>みやびたん、いらっしゃい♪
通常というか、仕事が最近忙しくインしてないもので・・・。
早く休みが来ないかしら・・・。_/乙(ン、)ノ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年03月10日 07:31

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