127書き物。ZERO-5

「たのもうかな!」
「え、師匠?ココって!」

グリダニアには、自警団として槍術士のギルドが存在する。
その名も「鬼哭隊」
主な活動は、森や街の警備や不審者の拘束、いざという時は先陣を切る軍隊としての役割も持つ。
そして、その本部はグリダニアの北にあるのだが。

「なんだ?どうかしたのか?」と、金髪を短く刈った男性が聞いて来る。
「うむ。」とは見たことも無いララフェルの、恐らくは老人だ。

「少しばかり聞いた話だが、こちらにも鍛錬場があると聞いてな。少しばかり弟子の相手をしてやってくれんかな?」
「はぁ?」少し困惑する隊員。が、仮面のせいでいまいち伝わっているのかどうか?
「どうした?」とは鬼哭隊隊長。茶色の髪を少し伸ばした精悍な男性がやってくる。

夕暮れが短く、朝焼けは場所によっては見えないくらい、グリダニアは夜が長い。
さっきまでは見えていた夕日もすでに落ちて、外はかなり暗いのだが。
この時間、この珍客は、何をしたいのだろう?鍛錬だと?

「どちら様ですかな?俺はホラン・ホライゾンというものでな。この子」と後ろに居る少女を指差し、「師匠なんぞとよばれておるな。」

「ご老人。この時間ですと、そろそろ夕餉かと。お帰りになられては?」
「ふむ、そうじゃな。」
「はい、この時間でも露店やカフェは開いております。どうぞそちらのほうに。」
「無礼なやつだな?」

隊長の爪先を踏んで動けないようにしてから貫手を放つ!

「ぐ!!」かろうじて立っているのは、意地か体力か。
「俺は名乗ったぞ?お前は何故名乗らない?」

やばい・・・師匠のこの口調はキレてる。
「師匠!」
「ああ、うん。やりすぎたかな?」とニッコリ答える。 いやまって。これはマテ。

「失礼した、ホラン殿。私はここ、鬼哭隊を預かる隊長のネーベル・グリューヴュルムヒェンと申します。今夜お越しのご用件はなんでしたか?」

不意打ちの打撃に非難もなく、応える隊長。  すごいなあ。

「いやな、この弟子に見合う相手を探しておってな。」
「そこの、少女、ですか?失礼ながらホラン殿、あまり我らを舐めるのはやめていただきたい。
今回は自分の失礼に免じてこのままお引取りいただいてかまいません。」
「そうかの、面白くないヤツな。」
「面白いかどうかで自警団はできません。そこまで言われるなら。誰か、相手をしてやれ。」


鍛錬場に一人の槍を持った隊員がいる。もちろん槍は木製で刃も無い。が当たるとかなり痛いだろう。

「レティシア。さっきの考え方と、お前は幻術が使えるのな?存分に相手を舞台に引きずり下ろしてやるといいのな。」
「え!」こそこそと話してくるが、正直本当に対戦なんて。
「お前なら、出来るはずなのよな。まあ、やってみな。」

結果は。

辛勝。

「まさか。こんな子が?」眼を見張る隊長。

「俺の弟子を舐めるのは辞めて欲しいのよな。」と老ララフェル。
体力は見るまでも無く、隊員のほうが上だったがあれよこれよと翻弄されて、気がつけば先にヒザをついたのは隊員。
さすがに無傷ではなかったらしく、少女も疲弊している。が。勝ちは勝ちだ。

「次はわたしがやるっ!」と、栗色の髪を短くした少女が声をあげる。
「スウェシーナ!」と隊長。
「父さん、勝つから!」

結果は・・。「父さん。悔しい!」「あの師弟はよほどだな。あの子もお前とそう変わらないだろう年頃に見えたんだが。」
「今後、あの子が来たら必ず試合を申し込みます。」
「いいだろう。お前の鍛錬にはいい相手だ。(おそらく勝てることはほとんどなさそうだが。末恐ろしい娘だな。)」


帰り道。

「レティシア。実はな。」
「はい。師匠。」
「お前を鍛えていたのにはワケがあってだな。」
「はい?」
「今回のこの勝負はな。お前の適正、といえば難しいな。この国にとって、役に立てるか、どうか?のテストなのよな?」
「意味がわかりません。師匠。」
「うん、俺もわからんのよな。ただ、お前を鍛えてやってくれと言われてウルダハから来たのよな。」
「そうなんですか!?」
「この先、しばらく俺が鍛えてやるが、何時別れるかわからんのでな。」
「そんな!!」
「この話は俺とお前だけの話なのな。」
「はい。」
「先の今であの戦術はよかったな。」
「ありがとうございます。ところでお腹減りましたね。」
「そうだな。」

「あ、もしよろしければ、カーラインカフェにいらっしゃいませんか?」
薄闇の中から、少し浅黒い肌のエレゼン少女が呼び込んでくる。歳は、自分よりいくつか下かな?
「お、かわいいね俺のヨメにならんかな?」
「師匠。」
「あ、あの・・。」困惑気味の少女。
「で、何処にいこうかな?」
「師匠!!!」と鉄拳を繰り出すがさらっとかわして、トンと手を打たれると倒れてしまう。
「え?あのその・・。」
「カフェはどこだったかな?」
「師匠・・・。」と、しりもちをついたまま。


「いらっしゃいませ、カーラインカフェへ!」と先の少女は案内すると、また出て行った。

「なんか、あれですよね?師匠。」「ん?」「師匠ってあたしくらいの年齢が好きなんですか?」
「うん。からかうのにもっとも楽しい年齢だからな。」
「どう返したらいいんですか?」「うん、気にしたらだめだな。」
「そうですか。」「うん、この先もお前はいろいろ気にするな。」「はい・・?」


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ロリコン師匠www
Bob Dalus (Hyperion) 2012年01月17日 16:08

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>ぼびー、いらはいw
いっしょにするなwwww
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年01月18日 10:19

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