113書き物。なんだかリムサで。事件編。なの?

「おーーー!」

いろいろなシチュエーションがあるであろう、酒場。それもこういった歓声は、よっぽどの成功か、でかい失敗をやらかしたヤツを称えるためか。
だいたい、そのどちらかだ。

リムサ・ロミンサの夜はまだ更けたばかりだったが。酒場は大歓声で大賑わいだ。

「なあ、スゥ。こいつはちょっとばっかり、からかいに来た甲斐があったな?」
フード付きのローブ、しかしフードは後ろに垂らした、グレイの髪を束ねた女性が、いつものニヤリとした笑みではなく、心底笑っていた。
「そうだっけ?」
こちらは、酒場でもスケイルメイルとういう出で立ちの、栗色の髪をまとめた女性。笑ってはいるが、どっちかというと驚きが大きい。
「・・・・・。」
銀髪を肩あたりで切りそろえたエレゼンの女性は、くちが半開きのまま声もない。


もちろん、それ以外のギャラリーもいるわけで。

「おおおおお!姐さん、やった!」「ちっ、バデロンの野郎!気のない振りしやがって!」「あー、バデロンさまー・・。」「きゃー!ウルスリ、おめでと!!」
「・・・!」「・・・・・・・・!」
多々、盛り上がることこの上ない。

そして。

たっぷり時間をかけてから離れたウルスリは。余韻を楽しむように目の前の相手を見た後。カウンターに。

「ミューヌ従姉さん?」と、首を傾げてきた。

「・・・・・。」声もないカフェのマスター。


(なぁ、おいスゥ。これ、賭けない?)
(なにを?)
と幼馴染は、かなり気楽だ。

(あれだ、ミューはまだそこまで行ってなさそうだから、日数賭けよう。)
(アンタ、本当にエグイわね。)

「あ、あの。レティさん、スゥさん。わたし・・お店ほったらかしだったので、これにて帰ります。バデロンさん、どうも。うるすり。まあそういうことで。」
と光に包まれる。


「勝った。」とは、先ほどのパフォーマンス?を成功させたカウンターの中の女性。
「ウルスリ、やるわねー!」とはローブにグレイのポニーテールの女性。
「あっちゃー。まさかこういう風に・・。ミュー、完全に凹んだわね。」と栗色の髪の女性。

「あれ?バデロン、ドコ行った?」
「え?マスター?」
「あら?さっきまで凍り付いてたのに?」





「助けてくれ。」「どうしました?マスター?」厨房の老年の男性が。
裏方にまわると、スタッフに声をかけて。「しばらく、旅にでるかもしれん。」
「船旅がイヤになったんでしょう?」「あんなの、皆の前でされてみろ。俺の気持ちがわかるか?」
それに老年のスタッフが応えて。
「いや~見ちゃいませんが、うらやましいですな。」
「お前ら、ほんとに言いたいこと言うね。」
「ここの酒場を引き継ぎした後、わしらに「言いたい事は何でも言え」と、言われましたからな。」

「まいったな。」とヒゲをかいてみた・・。


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酒場には色んな物語がありますよね。
些細なことが どんな物語に関わっていくが醍醐味ですよね
Teo Dora (Excalibur) 2012年01月03日 11:14

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>テオさん、いらっしゃい♪
コメありがとv
そうですねw酒場にはドラマがw
あちこちに前からの伏線なんかもいれてますんで、気がついてもらえたらw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年01月03日 11:41

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